つぐのひ ー閉ざされた未来ー
ImCyan(アイムシアン)
探索アドベンチャーゲーム
基本プレイ無料
猛暑を凍らせるホラー。「つぐのひ」シリーズ最新作は息苦しいホラーアドベンチャー
制服の少女はなんども同じ日をやりなおす。だが…。
「つぐのひ ー閉ざされた未来ー」は息苦しさと郷愁を感じさせるホラーアドベンチャー。
放課後、下校中の少女。「やり直したい」と願う彼女は、ある行動に出る。何度も、何度も同じ道を歩くが、だんだんと「日常」は侵食されていく…。
何度も繰り返すうちに狂っていく日常
どこにでもあるような少しくたびれた商店街。河原と夕暮れ、遠くで走る電車。なにやら後悔や失敗を抱えた少女は何度も日常をやりなおしていく。
だが、少しずつその「日常」は異常をきたしていく。視覚、聴覚で訴えてくる背筋凍る恐怖演出はこのクソ暑い夏にこそぴったりだ。
なお、本作はブラウザゲームであり、PC、スマートフォンでゲーム連載メディア「ゲームマガジン」にアクセスすることでインストール不要でプレイ可能だ。
人気ホラーシリーズ最新作
本作はImCyan(アイムシアン)氏によるホラーゲーム「つぐのひ」シリーズの最新作。シリーズは海外ファンによって中国語や韓国語に翻訳されたほか、2015年に「死臭-つぐのひ異譚-」として映画化もされている。
Daigo氏と組んだ、静かに感動するドット絵アドベンチャー「潮騒の街」もリリースしている。こちらも名作なので要チェックや。そして最新作「エンゼルロード」は7月28日リリース予定。
「つぐのひ ー閉ざされた未来ー」の特徴は郷愁を帯びた恐怖演出
少女が正体不明の恐怖に遭遇する…。ゲームでも日常でも、何度となく繰り返されるモチーフだが、そこにPS1の名作「トワイライトシンドローム」や「夕闇通り探検隊」を見出してしまわずにはいられない。好きですこの世界観。
操作はシンプル極まりなく、20分ほどでゲームは終わるのだが、同じ風景を繰り返し歩くうちに少しずつ変化する背景や人物へ意識を集中せざるをえない。この不気味な演出は見事だ。
後半は怒涛の恐怖演出
最初は足が遅く、ただこれを繰り返すだけか?と思うだろう。だが何度もループしていくうちに風景がおぞましく変貌する。そして、プレイした人間の意識にも作用し、後ろや夜道、一人が怖くなる。これぞジャパニーズ・ホラー。
惜しむらくは少女の葛藤や絶望が何なのか語られず、どうしてやり直す事に執着しているのかわからない点。正体不明な語られない塩梅を目指したのだろうか。でも気になってしまう。
ゲームの流れ
放課後の少女。なんでかいつも後ろ向きで、一日をやり直そうとしている。
商店街を抜け、橋を渡る。遠くで電車が走っている。そんなどこにでもありそうな風景が、少しずつ変貌する。
もう1回。まるでゲームのコンティニューのように、少女は同じ日々をやりなおす。
でも、何度繰り返しても少女は後ろ向き。ダメダメな日々は続いていく。
背景に、サウンドに、不気味な怪異が少しずつ侵食していく。
でも少女は何も気づいていない。自分しか見えていないからだ。
何度も何度もやりなおす。少女は安易なまでに死を選ぶ。
なぜならやりなおせるから。ループするから。でも、本当はそうじゃない。
「死ねば全部終わりだよ」頑なに過去に戻りたがるヒロインに救済は訪れない。
だが、これは日常を生きる、未来に向かえというメッセージにも思えた。自分には、だけど。
「つぐのひ ー閉ざされた未来ー」序盤攻略のコツ
プレイヤーは登場人物を「←」へ動かすのみ。PCだとクリックや左キーで進み、スマートフォンだと画面左を繰り返しタップすることで物語が進行する。
スマホでは縦持ち、横持ちに対応。できたら横向きでプレイしたい。ヘッドホンがあるとさらに恐怖感、臨場感が増すだろう。
エンディングの分岐はなし
ゲームプレイ時間は約15分。誰もがクリアまでたどり着けるだろう。途中で怖くてプレイをやめさえしなければ、の話ではあるが…。
日常が少しずつ異界に侵食されていく背景に注目しながらプレイしてほしい。エンディング後に変わるタイトル画面にも注目だ。