双翼世界の精霊勇者
KEMCO
コマンドバトルRPG
Android:860円 iOS:860円
魔法で精霊を召喚してゲット!主人公も勇者の体に宿った精霊!精霊と召喚がテーマのファンタジーRPGダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
勇者の身体に宿った精霊が人間界と精霊界を救うため冒険するファンタジーRPG
「双翼世界の精霊勇者」は、勇者の身体に宿った精霊として、人間界と精霊界、2つの世界を救うべく冒険の旅を繰り広げるKEMCOのRPG。
舞台となるのは、人間たちが精霊を召喚することで魔法の力を駆使している世界。精霊たちは人間たちから得る魔力を糧としていた。
しかし、よりによって魔王との最終決戦の最中、勇者による精霊召喚が失敗。魔法が暴発してしまい、勇者は意識を保つほどができないほどのダメージを受け、召喚された精霊も精霊界へ戻ることができなくなってしまう。おまけに、魔王と勇者の仲間は生死不明…。
こうした状況で勇者の行った決断は、自分の身体へと精霊を宿らせること。精霊力のない人間界で精霊は長く生きられず、魔物化してしまう。しかし勇者の身体に宿らせれば魔物化を回避可能。と同時に、勇者自身が力を取り戻すまでの間、精霊に魔王と仲間の消息を探ってもらえる。
もちろんプレイヤーが担当するのはこの、勇者の身体に宿った精霊。プレイヤーが本作の人間界のことをよく知らないように、精霊界で暮らしている精霊もまた人間界のことをよく知らない。けれど、この世界で育った勇者としてふるまわなければならない。このシチュエーションがユニークで楽しい。
勇者VS魔王という王道ファンタジーのフォーマットを、ナナメ上の切り口から体験する感覚がおもしろいのだ。
精霊を召喚し魔法で戦う!ターン制コマンド入力型バトル
KEMCOからリリースされている一連のRPG作品同様、本作も16ビット世代のJRPGを踏襲したシステムになっている。
見下ろし型マップを移動して情報収集し、クエスト達成を目指す。フィールドマップやダンジョンではモンスターとランダムエンカウントし、ターン制コマンド入力型の戦闘シーンへ。
もちろん、本作ならではの要素も存在。それは、精霊の召喚。
本作の召喚は、まず契約していない精霊を召喚、何度か召喚している内に契約を結ぶ…という独特なシステムになっている。一度契約を結べば、以降自由にその精霊の魔法が使えるだけでなく、精霊を育成して新たな魔法を習得することも可能。
つまり、戦闘中の魔法使用が、精霊のコレクション要素として機能している。これはかなりユニーク!
有料でも安心!安定のKEMCOクオリティ
本作はiOS版、Android版ともに860円で有料配信されている。
有料ということで、興味はあっても手を出しにくい…という人もいるかもしれない。ただ、これまでKEMCOのRPGをプレイしてきた人であれば、安定のKEMCOクオリティなので、その点は安心して欲しい。
これまでKEMCO作品に触れたことがないという人は、2DRPG好きかどうかで変わってくる。本作は非常に完成度の高い2DRPGだが、完成度が高いだけに、2DRPGの枠組から大きく外れることは行っていない。なので、おもしろい2DRPGがプレイしたい…と考えている人であれば、きっと満足できるだろう。
「双翼世界の精霊勇者」の魅力は勇者VS魔王という王道展開をナナメ上の視点から語るストーリー
なろう系小説で代表的な異世界転生ものファンタジーでは、現代社会でうだつの上がらない主人公が、異世界転生によってチート級の能力を手に入れて活躍する…という展開がよく見られる。
こうした展開は、オタクの現実逃避として批判や揶揄の対象になることがあるのだけど、個人的な見解はちょっと違う。JRPG的なファンタジーが量産された結果、ファンタジー世界に生きる当事者の視点より、外部の第三者の視点の方がリアリティを持ってしまったのではないだろうか?
JRPG的なファンタジーのベースとなっている勇者VS魔王というスタイルは、これまで何度もネタにされてきた。たとえば、「勇者は勝手に人の家のタンスを開けていいのか?」「魔王という強大な敵と戦うのに、どうして30Gぽっちとひのきの棒くらいの武器しか支給されないのか?」といった具合。
またそもそも、毎日勉強をして、ゆくゆくは就職をし、毎日仕事をして毎月決まった額の給料をもらう…という生活スタイルが当たり前のものとして社会に定着しきった今、世界を救うというスケールの物語を、主人公視点でリアリティあるものとして楽しめるのか?
…こうした課題を解決しようと思えば、主人公は現代人の感覚…つまり、第三者の感覚をもってファンタジー世界に向き合う…というスタイルが導き出されるように思う。
そして本作また、主人公が第三者の感覚を持ってファンタジー世界と向き合うという点がおもしろい作品だ。
何も知らない精霊!新鮮なファンタジー世界
本作で主人公を務める精霊は、精霊界というバリバリ幻想世界に生きている。けど、本作における人間界の知識はない。つまり、精霊界から(作中の)人間界へと異世界転生した存在といえる。
だからこそ人間界で遭遇するものが新鮮。同時に戸惑うポイントにもなっている。この点は、ゲームをはじめたてで知識のないプレイヤーに対するガイドとして機能するだけじゃなく、客観的な視点でファンタジー世界を描写することによって、「おもしろみ」も生み出している点で魅力的。
それに加えて、勇者の中身が別人となっているということを悟られぬよう、精霊が必死でごまかす…というコメディ的な要素も持っており、シナリオのエンターテインメント性を豊かなものにしていると感じた。
思わず引き込まれる!巧みなキャラクター描写
また、これは本作に限った話ではないが、KEMCOのRPG作品はキャラクター描写が上手い。
キャラクターの立った個性的な登場人物をパーティーメンバーとして配置しているので、イベントの掛け合いがとてもおもしろいのだ。
本作もこの点はバッチリ満足させてくれる。勇者にあこがれを持ち信頼を寄せてくれる元気な少女アリス、逆に主人公を疑い一歩距離を置いて接する精霊魔道士ビビアン、そして女ったらしなナンパ野郎だが芯の強さも持ち合わせた精霊騎士ヴァン。あるひとつの出来事に対して立場や価値観が食い違うようにキャラクターが設計されているので、常に議論や掛け合い発生。この結果、会話がいきいきとしたものになる。
その一方で、魔王を倒すという使命は共通しているため、バトルにおいては価値観が一致。笑いからアツさへと切り替わる、この展開には引き込まれずにいられない…!
ゲームの流れ
パーティーメンバーとなる4人が描かれたタイトル画面。
KEMCOのゲームはいつもそうだけど、プレイ後にタイトル画面を見ると「大切な仲間…」という気持ちが湧きあがってくる。もちろん、今作も。
難易度や操作設定を選択しよう。よくわからなければデフォルト設定のままで問題ない。
筆者も今期あ、デフォルト設定でプレイしているぞ。
一枚絵とテキストで背景ストーリーが描かれる。この世界にかつて出現した魔王は勇者によって倒された。
しかし、魔王が倒れてもその器が残ってしまう。器を消滅させることはできず、魔王復活という爆弾がいつまでも残されたかたち。そして、本作冒頭でも魔王が蘇った状態となっている。
オープニングは、復活した魔王と勇者のバトルから。魔王を倒すために精霊を召喚する勇者だったが、魔法が暴発してしまう。
勇者は力を失い、魔王と仲間の生死は不明。そして召喚した精霊は精霊界へ戻ることができず、魔物化寸前という状況。せめて精霊だけでも救うために、勇者は自分の身体に精霊を憑依させる。
オープニングが終わったら、王城を目指すことに。
村で加わる最初の仲間・アリスとともにダンジョンを超えて城を目指そう。
「双翼世界の精霊勇者」の攻略のコツはガンガン魔法を使って精霊をゲット・育成すること
一般的なRPGでは、ダンジョン探索の際、いかに魔法を節約するかがポイント。ボス戦に備え、MPを温存しておくことが求められる。
ただ本作は、魔法をガンガン使うことがゲーム的に重要。ダンジョンでもフィールドでも、魔法をガンガン使っていこう。
精霊ゲットだぜ!魔法をガンガン使おう
なぜ魔法を使うことが重要なのか?それは、新たな精霊と契約するためには魔法を使わなければならないから。
魔法を節約していると、精霊と契約することができず、強力な魔法が手に入りにくい。このため、たとえボス戦でMP余っていたとしても、戦力不足に陥ってしまう。
もちろん、ダンジョンへ赴く前に経験値稼ぎがてら魔法を使い、あらかたの精霊と契約を済ませておく…という方法を採るのであれば、MP節約も有効だろう。
ただ、意図的に経験値稼ぎをするより、ストーリーを進めた方がプレイしていて楽しい。なので、たいていのプレイヤーがダンジョンへ直行するハズ。だとすると、ダンジョン内でガンガン魔法を使わないと、精霊が手に入りにくくなってしまうぞ。
減ったMPはどうする?レベルアップで回復
とはいえ、魔法をガンガン使っているとMPが減ってしまう。この点はどうすればいいのだろうか?
その答えは、レベルアップ。本作はレベルアップ時にHPとMPが全回復する。
なので、ボス戦前にMPが減っているようなら、周辺で何回かバトルを行いレベルアップさせよう。本作のとりわけ序盤ではレベルアップに必要な経験値が少なく設定されているので、すぐにレベルアップして回復できるハズ。