Cultist Simulator(カルティストシミュレーター)

Cultist Simulator(カルティストシミュレーター)

パブリッシャー Playdigious

ジャンル シミュレーションRPG

価格 Android:850円 iOS:860円

僕の宗教に入れよ!HPラヴクラフト的な邪教のカルト教団を作り上げるホラーテイスト・カード型RPG

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Cultist Simulatorのレビュー画像

ごく普通の主人公の生活が徐々に闇に飲まれ、やがてカルト教団を作りはじめる…。

邪教のカルト教団を作り上げるカードゲーム風RPG

「Cultist Simulator(カルティストシミュレーター)」は、カルト教団を作り上げるカードゲーム風のRPG。

タイトルにあるカルティストとはカルト教団の信者のこと。ただ本作でプレイヤーが体験するのはカルト信者になるのではなく、教祖。自らが教祖として、カルト教団を立ち上げるのだ。

カルト教団というのは、一般的に普通の宗教団体とは違い、反社会的な、悪の宗教団体を指す。本作においては、邪教の宗教団体を指している。

というのも、本作のモチーフは、クトゥルフ神話を作り上げたHPラヴクラフトの世界観。悪というより邪悪。るるいえ、うがふなぐる、ふたぐん!

チュートリアルによるルール説明なし、手探りでゲームを進める内、人生が徐々に闇へ染まっていく様は、まさしくラヴクラフト。ホラー的なグロ表現やビックリ要素はないものの、ホラー的な味わいを楽しむこともできる。

イベントにカードを配置!ゲームを進めよう

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カードをスワイプでイベントのスロットへ運び、組み合わせることで進行する。

チュートリアルがないと書いたけど、なくても分かるくらい、本作のゲームシステムはシンプル

プレイヤーにできることは、場に配置されたイベントと、手持ちのカードを組み合わせること。組み合わせるとイベントが進行。一定時間経過後に、新たなイベントやカードが手に入るという仕組み。

基本的にこの繰り返しでゲームが進んでいくぞ。

ビバ日本語化!スマホでお手軽プレイできるのも嬉しい

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長い文章もすべて日本語化!翻訳に違和感はなく、世界観にバッチリ浸れるぞ。

本作の楽しさは、イベントやカードのテキストによる部分が大きい。しかし、2019年の発売から2021年まで日本語未対応だったので、日本語環境では楽しさをフルに味わうことができなかった。

だが、今は日本語に完全対応!ダークな雰囲気をバッチリ満喫できるぞ。

なお、本作はスマートフォン以外にPC版もSteam配信されている。スマートフォン版も、PC版同様、有料の買い切り型

PC版に比べてスマートフォン版の方が安く、しかも気軽にプレイできる。カードゲームなのでPC版と比べて操作性が悪いということもないので、プレイするならスマートフォン版がオススメ!

「Cultist Simulator」の魅力はじわじわと闇に浸食されていくラヴクラフト的不安感

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邪教の神秘に触れた主人公は、教団員の勧誘を行い、教団を拡大し始める…。

カルト教団を作るゲームと書いたものの、本作をプレイ開始しても、カルト教団作りが目的だとは思わないだろう。

なんといっても本作にはチュートリアルがない。また、ゲーム開始直後の主人公は、邪教とは縁もゆかりもない一般人

つまり、本作は「サカつく」「ゆけむり温泉郷2」的に、最初っからやる気満々に「よーし、カルト教団を作るぜ!」というゲームではない

一般人が徐々に道を踏み外し、じわじわと闇へ…日常から離れた邪教の世界へと取り込まれていく…そんな、まさしくHPラヴクラフト的な不安感こそが、本作の魅力といえるだろう。

思わず共感…!日常から転げ落ちる怖さ

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誰だって暗い思考に囚われることはあるが、積み重なることで負の面へ導かれてしまう。

本作の冒頭では、邪教の影は一切出てこない。主人公は、ごくフツーの日常生活を送っている。

しかし、その日常が徐々に影を帯びていく。まずは、金欠。本作では時間とともに資金が減っていく。資金がゼロになると病気になり、病気になると体力が減る。体力がゼロになるとゲームオーバー。だから、必死で働かなければならない…。

お金がなくなる不安や、仕事でのストレスによる不安。日常の不安が増していくことで、世の中の負の面にとらわれていく…。あれ?この感覚、もしかして…我々の日常と同じ

そう、本作冒頭の流れは、我々が日常をなぞっているかのよう。だからこそ、カルト教団を作るという現実離れした設定も、リアルに思えてしまう…。

もう一つの世界への扉をひらくもの…!それは好奇心

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ビジュアル的なホラー表現はないが、闇や狂気に関する文章表現はホラー感バッチリ。

資金や体力と並んで、本作において重要な役割を持っているのが、学習イベントだろう。手に入れたカードを学習イベントと組み合わせることで主人公は、これまでにない新たなカードや学習イベントを手に入れていく。

学習というと、ポジティブなイメージを持つかもしれない。しかし、主人公が邪教にハマっていくきっかけとなるのも、学習イベント。

ラヴクラフトものの小説や、クトゥルフ神話を扱ったゲームでも、主人公たちは研究や学習を通じて邪神たちの存在を知覚し、狂気に侵されていく。

本作の学習イベントは、こうした点でラヴクラフトらしさ、クトゥルフらしさを感じさせてくれる。

ゲームの流れ

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すべて日本語のタイトル画面がすばらしい!「ゲーム開始」を選ぶと、ゲームがスタートするぞ。

カルト教団を作る…という設定が現実離れていして、ややコミカルに思えるが、内容はダークでホラーより。

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現在のたいていのゲームは、初回プレイ時にチュートリアルが行われる。しかし本作にはない。

画面にイベントとカードが1つずつ表示されるので、とりあえずスワイプ操作で組み合わせてみよう。イベントとカードの組み合わせでゲームが進んでいくぞ。

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ちなみに、キャラクターの名前は自由に変更できる。変更した方が感情移入の度合いがアップするぞ。

名前は、画面左上のキャラクター表示欄をタップすることで変更可能。

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カードによって使用可能なイベントは決められている。カードが使えるかどうかは、スワイプしてみればわかる。

イベントまでスワイプするのが面倒なら、カードを少し動かすだけでもOK。イベントが光った場合は、カードを使用可能。イベントが光らない場合、そのイベントに対しては使用できないカードだぞ。

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初回プレイではキャラクター選択できないが、2周目以降のプレイでは、開始時にキャラクター選択が行えるようになる。

キャラクターによって初期カードの編成が変わる。また、キャラクターによっては、特定のカードを手に入れ易くなるなどのボーナス設定が与えられているぞ。

「Cultist Simulator」の序盤攻略のコツはお金と体力の確保にアリ

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金がなくなって病気になり、ゲームオーバー!なんとも身につまされる…。

本作をプレイする上で押さえておきたいのは、死ぬことが前提ということ。

チュートリアルのない本作では、何をするとクリアなのか、各カードやイベントがどういうゲーム的役割を持っているのか…などを、プレイしながら学んでいく。その過程で何度もゲームオーバーを繰り返すだろう。

ゲームオーバーになりながら、少しずつゲームの謎を解き明かしていくことこそ、本作のおもしろさといってもいい。

ただ、ある程度知っておいた方が楽しく遊べる…という要素もある。この点について紹介しておこう。

人生において大事なもの…!それは体力と金

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資金はイベントで消費せずとも、一定時間経過によって減っていく。稼がねば!

リアル人生で幸せになるためには、健康がいる。健康で金さえあれば幸せというわけじゃないが、不健康だったり貧しかったりすると、なかなか幸せとは思えない。

この点は本作も同様で、プレイにあたっては体力と資金が重要。なにせ、なくなればゲームオーバーまっしぐらだから。

なので、体力と資金を最優先したい。

資金は仕事イベントと体力カードや情熱カードの組み合わせで獲得可能。

体力は、まず学習イベントに体力を組み合わせ活力カードを入手。この方法で2枚の活力カードを手に入れたら、今度は学習イベントに活力カード2枚を組み合わせよう。スキル・強靭な肉体を獲得し、体力カードの枚数が増えるぞ。

死ぬとキャラ選択可能!資金面で有利なキャラを選ぼう

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2周目からキャラクター選択可能。とりあえず金の苦労がないキャラを選ぼう。

1回目のプレイではキャラクター選択できず、必ず大志を抱く者でのプレイとなる。

しかし、2回目以降のプレイでは、3体のキャラクターから選んでプレイできるようになるぞ。

ゲームに慣れていない内は、資金に余裕のあるキャラクターでプレイするのがオススメ。たとえば若き才能は、実家が豊かな上才能があるため、体力カードの代わりにあれこれカードで資金を獲得できる。

父親が死ぬイベントによってあれこれカードは失われてしまうが、資金に余裕がある分、落ち着いてプレイできるだろう。