縦・横スクロールを楽しめる珍しい仕様。
第3回ハドソンキャラバン公式ソフト。
それが―――
「ヘクター’87」
新たなシステムを盛り込んだ意欲作ながらファミコンのRPGブームに流された悲劇のシューティングゲームを大特集!
驚異のスーパーゲーム登場!! byキャッチコピー
「ヘクター’87」って?
「ヘクター’87」は、1987年7月16日にハドソンからリリーサレタファミリコンピュータ用シューティングゲーム。
「スターフォース」「スターソルジャー」とはゲーム性の違うスタイルになっていて、縦スクロール面と横スクロール面が交互になっている。
全6ステージ構成で、1・3・5ステージが縦、2・4・6ステージが横。
ステージごとにボスが存在し、ボスを倒すとステージクリアとなる。
このタイプのシューティングゲームには珍しく、ライフ制になっていて被弾1回ではミスとならない仕様。
地形や一部の敵に接触した場合は、ライフが最大状態でもミスになるものの、ある程度敵の攻撃を喰らっても平気なため、一見初心者向けにも見える。
だが、縦横が交互になっていて操作感覚の違う構成だったり、縦スクロール面では前作までの地上物もメインショットで倒せるというシステムではなく、地上用の攻撃が必要だったりと、これまでのシリーズの軽快さとは違う骨太なものになっていた。
不運が重なった作品
ハドソンの行っていたキャラバン(ハドソン公式ゲームによるゲーム大会)の公式ソフトであり、そのためのモードも存在する。
2分モード:短縮版の1ステージのみの構成。
5分モード:1ステージ→3ステージという構成。
スコアアタック用のモードで、大会でもこのモードを使用してスコアで対決することとなっていた。
キャラバンとしては、ジョイカードⅡ(連射機能付きコントローラー)が使用可能になった年でもあり、スコアなどに大きな変革があった。
しかし、当時、ファミコンではシューティングゲームが下火になりつつある時代。
本作の発表も、前年までと違いキャラバン開催の3か月前程だった。
更にコミック誌などでの特集も無く、当時としてもキャラバンに参加する子供たちも減るだろうと予想されていた。
そこに付け加えて本作はシステムがかなり前作とは違ったものとなっていて、習熟期間も短くヘビーシューターでも思った様な結果を出せずにいたのだ。
当時として囁かれていた不満は―――
空中と地上の撃ち分けはいらない。
横スクロール面はいらない。
自機の喰らい判定がでかい。(ライフ制を排除して喰らい判定を小さくしてほしい)
などなど、新システムが全否定されたようなものが多かった。
やはり、「スターフォース」からの敵を倒す連射の爽快感を求めていたシューターにとっては、複雑なシステムは足かせにしか感じられなかったのだろう。
批判されるコトが多く、前作までに比べてプレイした人は大幅に減ってしまった本作だが、その大きな原因はファミコンのとあるブームだった。
そう、RPGブームだ。
エニック(現・スクウェア・エニックス)の「ドラゴンクエスト」以降のRPGブームが始まっており、この年発売されたタイトルの中にあの―――
スクウェア(現・スクウェア・エニックス)の「ファイナルファンタジー」があった。
後に大ブレイクする作品の原点が発売された年、そこに投入されていたシューティングなのだ。
様々な要因はあるのだが、筆者としては本タイトルは今だからこそ遊んでほしいと思う。
前述している通り、他にない骨太さ、当時としては複雑に感じたシステムも、今見てみると完成されたものと言える。
機会があるなら、是非にも遊んでみてもらいたい。
スマホで遊べるSTG
ゴシックは魔法乙女
「ゴシックは魔法乙女」は、シューティングゲームの老舗メーカー・ケイブが満を持して送るシューティングRPGだ。
プレイヤーは「真少年」となって、様々な力を持つ「乙女」たちと契約し、彼女らを「使い魔」として憑依させ、襲い来る魔物たちを撃退する!
真少年の攻撃は、選択した使い魔によって変化。ステージや敵ごとに有利な属性やショットスタイルを選び、敵を撃墜していこう。
クエストの難易度は4段階あり、EASYダンジョンでストーリーはサクサク進められるので、シューティングが苦手でもバッチリ楽しめる!
己の指先と使い魔の乙女たちを鍛えて、魔物に覆われてしまったジルバラードを救い出そう!
メタル戦記
「メタル戦記」は、美しく格好良い乙女達が百花繚乱する、弾幕シューティングRPG。
科学技術の飛躍的な進歩により人類が宇宙空間に進出した遠い未来に、宇宙移民と「地球連邦」の対立を背景に、美少女、そして巨大メカが大活躍するSF巨編だ。
全世界で累計ダウンロード数2億を突破したという触れ込みも伊達じゃなく、シューティングゲームとしても、キャラクターやグラフィックだけに頼らない堅実な完成度となっているぞ。
スペースシューター: Galaxy attack
「スペースシューター: Galaxy attack」は、スタンダードな縦スクロールシューティングゲーム。
ビジュアルこそアニメのセル画調でユニーク。ただ、ゲームシステムは、敵や敵の弾を避けながらショットで敵を倒していく…という縦スクロールシューティングの王道だ。
だが本作がスゴいのは、縦スクロールシューティングのクオリティとは何か?に徹底してこだわっている点!
たとえば、指の動きで画面が見えなくなることのないよう、指を置くべき場所には武器選択メニューが表示されている。
また、シューティングゲームでは自機がダメージを受ける場所は、実は自機の中央だけ。本作ではこのことがよくわかる色分けになっていてダメージを受けにくいし、たとえダメージを受けても自分が悪かったと納得できる。
同じ王道縦スクロールシューティングでも、完成度スーパーな縦スクロールシューティングなのだ!
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