【艦これ：魂の還る海】「皐月」艦橋の人員が3人になっても戦い続けた不屈の駆逐艦の結末を語ろう！あ、あれ……なんだろう。海が……暗いよ？　なにも見えない……どうして……

文月と共に獅子奮迅の戦いを繰り広げた名鑑。

睦月型の中でも最強の対空装備を換装した。

それが―――

駆逐艦「皐月」

艦橋の人員が3人になっても戦い続けた不屈の駆逐艦の結末を語ろう。

あ、あれ……なんだろう。海が……暗いよ？　なにも見えない……どうして……。　by皐月

駆逐艦「皐月」

皐月は、旧日本海軍の睦月型駆逐艦の5番艦。

ロシアからの戦利艦に同名の「皐月」が存在したコトから、「皐月Ⅱ」または「皐月（2代）」と表記されることもある。

睦月型で5番艦とされるが、竣工は一番早いので実質長女である。

文月・水無月・長月とともに第二十二駆逐隊を編成していた。

太平洋戦争ではフィリピンの戦い、ジャワ島攻略戦、バダビア沖海戦からジャワ海方面などで船団護衛の任についた。

1943年に「ガダルカナル島撤退作戦」へ参加後も、ラバウル方面で輸送任務に従事するものの、戦況は次第に悪化していく。

同年7月のショートランドでの空爆で被害を受け、呉へ戻り修理を受けた。

この後、皐月は文月とのコンビネーションで多大な活躍を見せる。

1944年1月4日には、輸送任務の護衛をしていた際、米機動部隊の空襲をうけたのだった。

この際、航空攻撃に参戦したのは約100機。

爆撃の雨、無数の魚雷が襲い来る中、皐月・文月は連携して回避と同時に迎撃を行い計11機の航空機を撃墜してみせ、輸送船団も守りぬいた。

だが、無傷というわけにはいかなかった。

―――皐月艦長、飯野忠男少佐が左足を砕かれていた。

しかも、艦橋で切断手術を施してまでも指揮を続行し、この戦果をあげたのだ。

艦長を含め、幹部たちから乗組員に及ぶまで多くの死傷者が出た。

この後、飯野艦長は戦闘後に入院先で息を引き取る事となる。

その最後―――

飯野艦長を失った後も皐月の奮戦は続いた。

再び修理を受けた後、1944年7月には父島近海で至近弾を受けて破損、横須賀で修理を受ける。

この修理で、皐月は大幅な兵装変更を行うのだった。

そう、今や敵は空にあるのだ。

予備の魚雷や12cm単層砲1門を撤去し、25mm機銃を単装・三連装含め22門、13mm単装機銃も5基を搭載し、対空性能を向上させた。

この装備は、睦月型の中でも最高の装備と言える程のもの。

対空戦で数々の敵機を撃ち落としていく。

シンガポールと内地の輸送を行った後、連合艦隊に配備されることとなる。

これは、睦月型として唯一の参加となった。

9月6日、皐月は神威船団を護衛してシンガポールを出港。

ブルネイを経由しつつ移動していく。これは空襲を回避する目的があった。

そして運命の9月21日―――

夜明け前、船団はマニラに到着する。

即日、午前5時、第30駆逐隊（卯月、夕月、秋風）がマタA船団を護衛の為にマニラを出港。

燃料補給後、マタA船団に合流する為の準備をしていた皐月に、米空母の艦載機が襲い掛かった。

マニラ湾内を24～30ノットで対空戦闘を開始する。

激しい第一次空襲の中、皐月は左舷へ至近弾を受けた際、復水器が破壊されてしまう。

最大速力が20ノットまでに低下してしまった。

この後もギリギリで回避を繰り返すものの、複数の至近弾を受けて多数の負傷者を出してしまう。

艦載艇で陸地へ負傷者の輸送を行いつつ、次の迎撃準備をはじめていた。

被害は大きく、負傷者の対応を全力で行っていた為、艦橋に艦長、砲術長、操舵員の3名のみになってしまっていた。

空爆は午後になっても続き、皐月は第一缶室へ爆弾が命中してしまう。

極端に速力が低下し、身動きもままならない状態に―――。

少ない乗員で必死に回避運動を、そして対空迎撃を行う。

艦前部にも爆弾が命中、傾く船体。

それでも対空戦闘を続ける中、ほぼ動けなくなった皐月に米艦載機が殺到した。

爆炎の中、鬼神のごとく戦いつづける皐月に―――無数の爆弾が命中していく。

15時45分、北緯14度35分 東経120度45分。

皐月は、最後まで戦い続け―――深く、暗い海の底へと・・・沈んでいった。

生存者は大発動艇により救出され、給糧艦「伊良湖」をはじめとする艦艇にも救出された。

戦死者52名、重軽傷者42名。

大海に還った魂に敬礼―――

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