日本ではMMORPGとして2005年3月1日に正式サービスを開始した「トリックスター」。
緻密なドットイラストと、「動物に仮装した」可愛いキャラクター性が人気で2014年のサービス終了まで多くのファンを集めてきたパソコンゲームだ。
そんな「トリックスター」が2016年5月に『トリックスター 召喚士になりたい』としてスマホアプリで登場。
パソコン版を盛り上げていたユーザーと、新規のユーザーに愛され、2017年5月24日に1周年を迎える。
そんな1周年を機会に、ゲームの運営に関わってきた秋谷氏と神尾氏にお話を伺ってみた。
▲祝!1周年記念イラスト
▲左が神尾氏で右が秋谷氏
目次
元々はパソコン版のMMORPGが基盤。ファンと熱い開発によってスマホに展開!
――新感覚ボード型ファンタジーRPG「トリックスター 召喚士になりたい」というゲームについて簡単にご紹介いただければなと思うんですけれども。
秋谷氏:
まず、トリックスターを語る上で外せないのが、パソコン版「トリックスター」の存在ですね。
パソコン版の「トリックスター」がもともと2014年までMMOというかたちでサービスしていて、「パソコン版終わっちゃったけど、どうしても復活させたいという」という熱い思いから、パソコンからスマホへと移行しました。
で、裏を返せばパソコンのリソースが使えるとい大人の事情もありつつ、スマホ版でなんとか出そうか、というのがきっかけですね。
▲画面はPC時代のゲーム画面
――そのリソースっていうのは、パソコン版からスマホに流用できるものなんですか?
秋谷氏:
ドットとか、あと音楽ですね。
カードキャラクターとかであれば入れ込めますし、どこまで持ってくるかでもだいぶ変わってきますけど、いくつかの資産は流用できます。
――パソコン版のユーザーはスマホに出るよ、ってなったとき反応はいかがでしたか?
秋谷氏:
もともとトリックスターのファンの方たちは、開発共に熱い方が非常に多くて、それがプレッシャーでもあり、反応はすごいなっというのは感じましたね。
代表がもともとサービスに関わっていたので、トリックスターのパブリッシングをするという流れになったんですけど、開発初期メンバーがパソコンオンラインゲーム畑出身の者が多くて。
私は別のMMOを担当していましたが、スマホゲームっていうよりはMMOみたいなサービスをしていきたいなという考えはありました。
着ぐるみの中で働いてた時期も!?多くのゲーム運営に携わってきたお二人。
――お二人のこれまでのキャリアを教えてください。
秋谷氏:
元々は大型MMOの運営を行っていましたが、スマートフォンが流行り始めて、PCからアプリゲームの世界に入りました。
――今の会社に入社したきっかけは?
秋谷氏:
アプリの方では、カジュアルゲームの担当が多く、もともとMMOとかコアなゲームが好きだったので少し不満があったところに、「トリックスター」というタイトルをこれからやると聞きました。
知り合いもいたし、タイトル自体も知っていたので今の会社に入社した次第です。
――じゃあタイトルにも惹かれたというかたちですね。
秋谷氏:そうですね。
――ありがとうございます。神尾さんはいかがでしょうか?
神尾氏:
私はもともとゲーム業界ではなかったです。
業界経験はもうすぐようやく6年になるかぐらいでして。
もともとゲームが好きでそれに関係することもしたいなと思っていたところで、たまたま使ってもらいました。
ソーシャルメインでして、運営のノウハウとかいろいろ学んだあと、憧れもあって一時期コンシューマに1年ぐらいいきました。
……でもどうも思っていたより合わないなと。
スマホゲームのほうが自分には合っているんじゃないかなと思っていたところに、そのタイミングでお声がかかったという感じです。
秋谷氏:
前は何の職をしてたんだっけ?
神尾氏:
前はイベント屋さんでした。
なので、着ぐるみの中に入っていたり。
――着ぐるみの中!では本当にゲームとは関係のない職種から入られてきてたんですね。
神尾氏:
そうですね、単純にゲーム好きだったのでこちらの道にきました。
秋谷氏:
私がゲーム業界に入ったきっかけが、最初の会社辞めて、MMO廃人をやっていた時「これ、早く社会復帰しなきゃまずい」と思って。
当時触れて感動したゲームの仕事で飯食っていきたいな、っていうのがゲーム業界に入ったきっかけです。
▲神尾氏の頭に人気キャラナンナの装備が!
――聞いていると皆さん、やはりゲームが好きだから、というところが大きいですね。
神尾氏:
そうですね。
チャンスというかきっかけあればいいかなと思っていたら、スマホがちょうど勢い乗って、業界関係者の友達から今なら未経験でも採ってもらえるかもよ、みたいな話で来た感じですね。
流行りのゲームはざっくりプレイして、次に行く
――最近遊ばれているゲームありますか?これだけは忙しくても遊んでしまうというおすすめのゲームですとか。
秋谷氏:
パソコンになっちゃうんですけど、私は「League of Legends」を相当やっていますね。
――すごい人気ですもんね、海外では賞金が懸かっていたりとか。
秋谷氏:
そんなにうまくないんですけど、パッと始められてパッと終われるっていう。
最近、年齢のせいか、重たいゲームが出来なくなってきました(笑)
――わかります、オンラインでサクッと対戦して終わった方がスッキリします。神尾さんはいかがでしょうか?
神尾氏:
最近、買うだけ買って放置していた「ニーアオートマタ」を、ゴールデンウィークにようやく1周目をクリアして。
――じゃあまだまだやりこまないといけませんね。
神尾氏:
まだ全然ですね、2周目もプレイします。
――最近ですとニンテンドースイッチの「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 」と答える方は多いです。
秋谷氏:
ゼルダは、終わったんで貸しちゃっているんです。
――早い!やっぱり皆さんプレイされていますね。
秋谷氏:
ここ最近はイージーモードで速攻クリアして友達に貸すっていうプレイの仕方ですね。
一同笑。
e-Sportsとして遊ばれるゲームを作ってみたい。また考えずに遊べるゲームも作ってみたい。
――今後作りたいなと思っているゲームとかありますか?
秋谷氏:経緯的に「League of Legends」が上がったので、e-Sportsができそうなアプリのゲーム作れたら楽しそうかな、と思っています。
神尾氏:
秋谷さんと同じですけど、ゲームするのがなかなか時間とれなかったり、体力と気力を出せないところがあるので、あんまりゲームって考えずにやれるゲームを作りたいです。
普段の生活の中に入ってしまえるような、具体的なものはないですけど、ゲームとして組み込めれば面白いかなとは思っていますね。
スマホに移行した際は、元々のファンはもちろんのこと、新規の層も視野に
――「トリックスター」の開発の当初のお話しをお聞きしたいと思いますが、パソコンからスマホに移行される際は難航したのでしょうか?
秋谷氏:
画面のサイズだったり、そもそもスペックの問題があったり、開発の方は苦労されていたみたいです。
――そうですよね、スマホの画面に落とし込むという作業で、配置も変わったりいろいろ問題もあると思います。ターゲットは元々のファン層でしょうか?
秋谷氏:
一番はもともとパソコン版を遊んでいたファン層でした。
でもスマホ版を作るにあたって新しい主人公たちを起用しています。
なので、もちろん新規のユーザーを取り入れようというところは意識しました。
とはいえ、もともとのパソコンユーザーは非常に熱いユーザーが多かったので、私たち運営も全体を意識して、オフラインイベントとか、早い段階からノベルティといったグッズ展開っていうのは力を入れてきました。
――ゲームのクオリティだけでなく、告知にもしっかり力を入れられたんですね。
秋谷氏:
そうですね、下準備は頑張りました。
あと、ネットラジオとか、スマホのゲームで最初からそういう展開をされているところっていうのはなかったですよね。
イラストコンテストも行いました。
――ユーザー主体のイラストコンテストも開催したんですね。
秋谷氏:
イラストコンテストで1位になったキャラクターをゲーム内に実装というかたちで始めました。
他にもパソコンのMMOでも結構あると思いますが、運営のGMキャラクターとゲーム内で会話ができるみたいなのをスマホでもやりたいと思って始めました。
ですがスマホの場合だと制限が多く、キャラクターが見えて会話しているという感じではなくて、難しかったですね。
――パソコンの面白さをスマホに持ち込んだんですね。その時のユーザーの反応はどうだったんですか?
秋谷氏:
だいたいパソコンだとゲーム画面にGMキャラクターというキャラクターが見えるんですけど、スマホ版の場合は見えなくて、発言のログを見ていくだけしかなくて。
PCのMMOみたいにチャットの機能が充実しているというわけでもなくて、混沌としていましたね。
――(笑)発言をある程度さかのぼって読むことはできても、ターゲットのキャラが見えないと辛いですね。
秋谷氏:
MMOだと何十人が集まってもわかりやすいような作りになっていますけど、スマホでは文字の入力も難しいのでちょっと無茶しちゃったかなと。
パソコン版を遊ばれている方は、懐かしいと喜んでくださる方が多かったですけど、なかなかきつかったですね。
――そこはパソコンとスマホの差を感じた所ですね。
秋谷氏:
身なりも結構違うんで、見てるだけで、おっ、このキャラ!ってなるんですけど、スマホ版だとそういうのを見せるところもない。
チャットで発言しても、誰?みたいな。知らない人はそうなってしまうのがもどかしかったです。
――試みとしては非常に楽しそうですが、確かにカジュアルなユーザーだと理解が難しかったかもしれません。