50万DLを突破し、じわじわと人気に火がつきはじめている「ロード・トゥ・ドラゴン」(以下ロードラ)。人気ランキングでも上位をキープし続けていて、これからさらに盛り上がりそうな予感を感じさせる作品だ。
特に、RPGにとって非常に重要な要素である「キャラがアニメーションで動く」「重厚で想像力を刺激する世界観が構築されている」という要素と、スマートフォンゲームならではの手軽さという、両立しづらい2つの側面が非常に高いバランスで両立できている。
アプリゲットでは今回、ロードラのプロデューサーとディレクターにお話しをうかがうことができた。
目次
コンシューマーゲームを作ってきたメンバーが初めて作ったスマートフォンゲーム
―――本日はよろしくお願いいたします!さっそくですが、お二人の自己紹介からおねがいできますか?
横山氏:
ロードラのプロデューサーをしております、横山と申します。
アクワイアに来てからは、家庭用ゲームですと「剣と魔法と学園モノ。」シリーズをやっておりまして、2012年はロードラを担当させていただきました。
「剣と魔法と学園モノ。」シリーズポータルサイト
http://totomono.jp/portal/
宮内氏:
アクワイアでディレクターをやっております宮内と申します。
アクワイアに入って7年くらいなんですけれども、これまではコンシューマーゲームでプランナーとかメインプランナーをやって、今回初ディレクションということでロードラをやらせていただきました。
―――これが初ディレクションタイトルだったんですね! おふたりはもともとコンシューマータイトルをやられていて、スマホゲームははじめてだったんですか?
両氏:
そうですね、はい。
オンスケジュールでリリース
―――iPhone版のリリースが11月1日でしたが、企画の開始はいつごろだんたんですか?
横山氏:
2012年の4月ですかね。
宮内氏:
そうですね。話自体は3月くらいからちらほら出てきていて、企画の立案自体になると5月とかですかね。
―――スマホのゲームはよく開発が押したりするんですが、そういったことはなかったんですか?
宮内氏:
すんなりといったかというと、そうではないと思いますが、当初から予定していた2012年11月1日という日付には間に合った形でリリースはできましたね。
―――では本当に予定どおりのスケジュールでリリースできたんですね!
横山氏:
丁度先週打ち上げがあって、当時の手帳を見てみたら2012年の5月の段階で「サービスイン11月1日」って書いてあって「ずれなくてよかったね」という話をしていたんですよ。
宮内氏:
スタッフひとりひとりが本当に協力してくれたんでかなった部分だと思います。
プロトタイプは1か月で完成。スタッフは10名
―――スタッフは何名くらいいらっしゃったんですか?
横山氏:
平均すると10名前後ですね。
宮内氏:
最初のプロトタイプを作っているときは3人くらいでやっていて、ある程度形になってリソースが必要になった段階でどっと人が増えて10人くらいになりましたね。
プロト版が1か月で完成したのもスケジュールどおりにリリースできた要因かもしれないですね。
―――運営も同様ですか?
宮内氏:
サポートとか含めると10人くらいですね。
横山氏:
ゲームの「運営」というものが僕らもはじめてですし、会社としても初めてなので、コンシューマーゲームみたいに「作って出して終わり」じゃないのでコンシューマーゲームとは違ったチーム感というものが生まれてきました。
こだわったのは「パネルの消費とその戦略性」と「さわり心地」
―――ゲームのコアになる部分としてもっともこだわったのはどんな点だったんですか?
宮内氏:
コアになった部分でいうと、「パネルの消費とその戦略性」という点と「さわり心地」ですかね。
いくらゲームが面白くてもパネルをタッチして3秒後に消費されるとかだと全然だめなわけなので、消費してすぐに次のパネルが入ってきたりだとか、消費した時の音はこんな音にしてだとか、ゲームとはまた別に伸ばしていかなければいけないと考えていました。
「さわり心地」は当初軽視していた
―――これも最初の段階からかなり明確になっていたんですか?
宮内氏:
さわり心地の部分は実は軽視していたところがあって、これもいろいろな方にプレイしてもらっているうちに、最初はゲーム性よりもさわり心地の方をみんな重視するんだなと。
逆にさわり心地がよければゲームに慣れていない方でも深くプレイしてくれるということがわかったので、プロト版を作ってからはさわり心地をよくしていくところにフェーズがうつった感じでしたね。
横山氏:
ゲームをずっと作ってきているコンビなので、「ゲームをつくる」っていう部分はすぐできるんですけど、さわり心地っていうのは二人とも初めてだったのでそこで初めて他社さんの苦労がわかったというか、自分たちもはじめて「あ、スマートフォンていうのはコントローラーと全然ちがうんだな」と気づきましたね。
あとはコンセプトでこだわったのはキャラクターがアニメーションするというところですかね。
「やっぱりキャラには走ってほしいし、剣振ってほしいし、銃を撃つときには反動があってほしい」
宮内氏:
これはコンシューマーの経験なのかもしれないですが、カード同士がバトルするって、コンシューマーゲームではあまり無いんですよね。
もちろんスマートフォンのゲームをいろいろやっていたのでプレイはしていたんですが、自分がこれまで企画してきたなかでカードがガシガシやりあうっていうのが想像としてできていなくて。
逆にコンシューマーで企画を考えるとき同じように自然な流れでで「キャラが動いて、」という企画になった感じですね。
―――では普通にこういうゲーム性で、こういうキャラがいたら、普通に考えたらこう動くだろう、とう感覚で?
宮内氏:
そうですね。そういうことです。
横山氏:
やっぱりキャラには走ってほしいし、剣振ってほしいし、銃を撃つときには反動があってほしいんですよね。
あのアニメーションを一切すてても売り上げはあんまり変わらないと思う人もいるとは思うんですが、僕らとしてはロードラをコンシューマーゲームとして作ったらそういう作り方は絶対にしないですし、スマートフォンのゲームになってもそれは変わらないんです。
キャラのストーリーはすべてディレクターの宮内氏がひとりで書いていた!
横山氏:
キャラクターのストーリーもすべて宮内が考えてくれているんですが、あれも僕らからすると当たり前で、ゲームを作ってその世界にキャラクターというものを生み出すのであれば、彼らはカードでもなければただの物体ではないんですよ。
この人はなぜここにいて、なぜこういうことをしているのかって普通のRPGだったら考えるじゃないですか。主人公は不遇な生い立ちがあって、実はラスボスが王で、みたいな。
そういうのもやらない方がキャラの追加も楽ですし、省こうと思えばいくらでも省けるんですけど、こだわっている部分ですね。
逆に、はじめてスマートフォンのゲームを開発して、コンシューマーゲームとやっぱり違うなと思ったのはお客様とキャッチボールしながらコンテンツを作っていけるというのは新しい喜びですよね。
ふんだんに盛り込まれた「料理ネタ」の謎
―――そういえば、やたらと料理がかかわるキャラがおおいと思うんですが、あれはいったい…?
横山氏:
宮内が料理を好きなんですよ(笑)その影響がにじみ出ているんだと思います。
―――にじみでているどころじゃないキャラもいますよね(笑)イザナギとか、レシピのみですし。
広報N氏:
イザナギの後継者みたいなのも結構でてきますしね。
横山氏:
そうそう。しかも「あやめ」は料理ヘタ、とかね(笑)あれかわいいよね。
あれ、食べたらやみつきになってしまう殺人料理作ってるのだれだっけ?
宮内氏:
殺人料理!?
ああ、ひめじですね。闇の料理人ですね。光の料理人に負けて、悪の道に進んだんです。
料理についてはちょっと入れすぎた感はありますけど(笑) でも大事なんですよ。どの時代、どの地域でもあるじゃないですか、料理は必ず。
ふたりのパーティもこっそり聞いたぜ!
―――ちなみに、おふたりはどんなパーティをくんでらっしゃるんですか?
横山氏:
自分は今ライフが多いバランス型が多いですね。ライフもある程度あって、アクティブスキルで回復を持っているユニットもひとり入れて。
もう少し詳しく言うと、「ヤマト」っていう、火属性キャラがパーティにいるほどライフがあがるキャラと、火属性で弓の「あまぎ」というのを入れて、あまぎ自身は弓パネルを連鎖させると攻撃力が上がるというスキルを持っているので、そこにパーセンテージ回復を持っている同じく弓属性の「宝条まゆ」を入れてそれぞれのスキルがシナジー効果を生むようなバランス型のパーティですね。
特に、ヤマトを手に入れるのにすごく苦労したので、今まで育ててきたユニットと、新しく手に入れたヤマトを活かす形で、アレコレ考えて、こうなりました。
宮内氏:
開発スタッフの間でもいろんなのを組んでるんですが、私は全職種を入れる感じですね。槍、剣、弓がいて、フレンドで魔法使いを連れて行くときが多いです。
広報N氏:
わたしの中では日の当たらなそうなパーティを組むのが流行ってますよ。
横山氏:
あ~、なるほどね(笑)
広報N氏:
村の仲良し4人組とか。「ラビとアーロンとアナスタシアで三角関係を再現してみよう」とか、勝手にドラマ性を盛り込んだりして。
で、「やっぱり弱いな」みたいな(笑)
横山氏:
強い、弱い、だけでなく、プレイヤーの数だけ楽しみ方があっていいと思いますし
何かにこだわってプレイしていただけるのは、とても嬉しいですよね。
新キャラも続々追加予定!
―――ゲーム性もどんどん深く、広く、新しくなっていくと期待していても大丈夫ですか?
宮内氏:
ええ、大丈夫です!今楽しんでもらっている人も飽きないように続けてもらえるような要素を考えていきたいですね。
新しいキャラクターもどんどん増やしていきますので。
―――楽しみですね!
横山氏:
僕も、宮内の考えるストーリーを読むのが楽しくてしょうがないですよ。
少ない文字数とか制限の中でやっていくと、にじみ出る個性とか表現があると思います。
それがたぶん、ひとりでやっているからこそ出ているし、宮内の作り手としてのこだわりやゲームに対する情熱というのが伝わると嬉しいです。
もちろん、大きな予算で作るゲームや、大人数のチームだからこそ完成するゲームもあって、それは素晴らしいと思います。
今の自分たちは、コンソールゲームをつくっていたころに比べれば、とても小さなチームですが、毎日、スタッフ全員の顔が見れて、話が出来る距離にいて、ロードラをより面白くするために、お互いのこだわりをぶつけあって、たまには喧嘩もあったりしながら、ワイワイやってます。
そんなチームだからこそ、もっともっとロードラを楽しんでもらえるように、出来ることがあると信じています。
―――最後にユーザーの皆様に何かつたえておきたいことはありますか?
横山氏:
これから始めてくださる方ももちろんそうなんですが、最初のリリース段階から遊んでいただいているお客様や、お叱りくださったり応援してくださったりしている方たちには本当に感謝しています。
ユーザーの皆様からのご意見、ご要望、ご批判があれば、チームのみんなで共有して検討しますし、応援のメッセージやロードラのイラストを見つけては、本当に嬉しくて、みんなで喜んでます。
足りないところ、ダメなところはどんどん直して、楽しいところや、喜んでいただけるとことは、どんどん増やしていきます。
これからあそんでくださる方にもぜひ、楽しんでいただきたいと思います。
どんな形でも嬉しいので、ロードラチームと、ぜひ、キャッチボールをしてください。
宜しくお願い致します。
ロード・トゥ・ドラゴン
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