「窮屈な人生」アプリ・オブ・ザ・イヤー2012受賞記念特別インタビュー たったひとりの現役東大生が起こした革命

今年もっとも面白かったゲームアプリを決める賞
「アプリ・オブ・ザ・イヤー 2012」

ユーザー投票の結果、今年の大賞は「窮屈な人生」が見事獲得した。

窮屈な人生

窮屈な人生

http://appget.com/appli/view/60312

「窮屈な人生」は、「クックソニア」というデベロッパー名義でリリースされているが、制作したのは現役東大生だ。

リリースされた当初からそのあまりの斬新さで話題になったこのゲームがどのようにして生まれたのか、開発者である永良慶太氏のお話を伺った。

アプリ・オブ・ザ・イヤー2012受賞記念特別インタビュー

クックソニアこと永良慶太氏

以下、Playストアの説明文だが、インタビューを読んでからこの説明文をもう一度読むとこのゲームのことをより深く理解ができるだろう。

ステージ毎に全く異なるグラフィック・操作方法・クリア方法を持つ、型破りで理不尽なゲーム。アクション、謎解き、シューティング、パズルなどの様々なゲーム要素が組み合わされています。

ただゲームをクリアしていくだけではなく、ゲーム全体を支配する退廃的な世界観や、各ステージが持つ哲学的なメッセージを味わうことも楽しみのひとつです。

窮屈な人生から、逆転の発想で抜け出そう。 

Story


僕は心の迷宮に閉じ込められ、部屋から一歩も外に出れなかった。

ある日意を決して街に繰り出したが、大都会トーキョーは弱者には厳しい世界だった。

他人との競争を嫌う僕は、トーキョーでは生き残れないことを悟る。

新しい街へ逃げ出した僕は、この窮屈な人生を破壊すべく、革命を起こすことにした。

 

 

コンセプトに共感してくれる方がいたことがうれしい

最優秀賞受賞、おめでとうございます!
率直なご感想として、いかがですか?

永良氏:

嬉しいです!「窮屈な人生」というコンセプトに共感してくれる方がいたことがうれしかったです。

また、企業の制作したアプリがランキングの大半を占める中で、個人制作のアプリに光を当ててくださったことに感謝しております。

今回の受賞をきっかけにして、個人制作のゲームアプリがもっと注目されてほしいと思っています。

アプリ・オブ・ザ・イヤー2012受賞記念特別インタビュー

現在、東京大学の3年生

 

これは全部おひとりでつくられたんですか?

永良氏:

はい。プログラミングもデザインも自分1人でやっています。

はじめてつくったのが「窮屈な人生」だったんですか!?

永良氏:

そうです。

中高生時代からGIFアニメやウェブサイトを製作

もともとプログラミングに興味はあったんですか?

永良氏:

プログラミングの経験はありませんが、パソコンをいじることは好きでした。中学校のときはGIFアニメーション制作を、高校ではウェブデザインをやっていました。

大学に入ってからはウェブサイトの受託開発をやっていました。

「窮屈な人生」の制作にはどれくらいかかったんですか?

永良氏:

アプリの作り方を勉強するのに1か月と、実際に作るのに2か月です。

「窮屈な人生だ!」と叫びたかった。

そもそもゲームを作ろうとしたきっかけはなんだったんですか?

永良氏:

実は、ゲームである必要はなかったんです。どちらかというと、ゲームを作りたかったわけではなく、とにかく世間に対して「窮屈な人生だ!」と叫びたかったんです。

「僕は部屋でひとりぼっち」

「僕は部屋でひとりぼっち」

メインはステージの内容ではなく、ステージのタイトル

え!メインは、この「窮屈な人生」という言葉だったんですか!?

永良氏:

そういうことです。

ゲームという形を採用しただけで、ゲームであることは重要じゃないんです。

言いたいことはステージのタイトルにだいたい反映されているので、そこをみてくれたら十分です。ゲームはちゃんとクリアしなくてもOK。まあ、理不尽なくらい難しく作っているので、ちゃんとクリアしている人なんてあまりいないと思いますが……。

アプリ・オブ・ザ・イヤー2012受賞記念特別インタビュー

アプリ・オブ・ザ・イヤー2012受賞記念特別インタビュー

ステージタイトル一覧

  1. 迷宮に閉じ込められている
  2. 僕は部屋でひとりぼっち
  3. 都会のネオンに踊らされて
  4. 新しい街へ行きたい
  5. 体力がなければ何もできない
  6. 東電なんてぶっ壊せ
  7. 向こう側に辿り着けない
  8. 警察とマスコミに追われている
  9. さよなら世界、僕はもう疲れた
  10. 敗れた魂は彷徨い続ける
  11. 新しい世界へのゲートウェイ
  12. アタマノナカデバクハツ
  13. あたまのなかをからっぽに
  14. 生け捕りされて水槽の中
  15. ほほえみの患者たち
  16. 繰り返しの日々から抜け出せ
  17. 結局、僕はまたひとりぼっち
  18. あらゆる侮蔑を振り払え
  19. 聖地巡礼その一
  20. 情報依存そして思考停止
  21. 失われゆく情熱夕暮れを漫(そぞろ)歩く
  22. スマホジャックウイルス
  23. 聖地巡礼その二
  24. 秘密は見破られている
  25. 心を抉る他者の存在
  26. ネット社会の狭間に生きる
  27. 聖地巡礼その三
  28. 忘れ去られゆく
  29. 疲れた心は休息の味を知る
  30. たいした意味などないこの人生

第3ステージの「都会のネオンに踊らされて」

第3ステージの「都会のネオンに踊らされて」

ここまでして訴えたくなるなんて、いったい何があったんですか?

永良氏:

元々東京の郊外に住んでいたんですけど、その後大学に入って都心に移ったんです。そしたら競争的な都会の空気にあまりなじめなくて。。。

自己主張の強い周りの人たちに怯えて、いつもちぢこまっていました。

これをつくりはじめたときは学校も休学してずっと部屋に引きこもっていたんです。

でも、そういう鬱屈した気持ちは外に出さないといけないなと思いました。自分の中に全部閉じ込めたままだと、ずっと内側で反射し続けてどんどん悪い方向に深まって行ってしまうような気がしたんです。

膿をぜんぶばぁーって出したら違うものが見えるんじゃないかと。

実際、作りはじめて半年くらい経った頃から、だんだん世の中を受け入れられるようになってきたと思います。

じゃあ実際、このアプリを通じてそういう気持ちをさらけ出したことでちょっとすっきりして?

永良氏:

そうですね。ちょっとすっきりしたような感じですね。

アプリ・オブ・ザ・イヤー2012受賞記念特別インタビュー

いい笑顔で語ってくれた

なるほど、永良さんにとっても重要な意味のあるゲームだったんですね。
今後ステージはどこまでつづくんですか?

永良氏:

現在30ステージまであって、次が最終ステージです。

年内にはリリースします!

そろそろ新しいゲームを作りたいなと思っています。

30という数字にも意味があって、ゲームのBGMがバッハの「ゴルトベルグ変奏曲」という曲なんですけど、それがちょうど30変奏ある曲なんです。

最初のアリアからはじまって、第1変奏、第2変奏、……第30変奏、そして最後にアリアで終わると。

なのでそれに合わせて30ステージ+最終ステージで終了なんです。

大学卒業後はどうされるんですか?

永良氏;

自分は普通の保守的な東大生なので、卒業したら順当にどこかの大企業に就職しますw

アプリ・オブ・ザ・イヤー2012受賞記念特別インタビュー

まずは大学院にいくという

そのときはぜひ「窮屈な人生」の続編を作ってほしいですね!

永良氏;

そうですね。実際に社会人として人生を踏み出してみて、「やっぱり窮屈な人生だ!」となってまた新しいゲームが生まれるかも知れませんね。

楽しみですね。これからもがんばってください!

アプリ・オブ・ザ・イヤー2012
http://appget.com/c/news/12818/aoy2012-2/

阪森信也

この記事を書いた人:阪森信也 | アプリゲット編集部 編集長

@appliget

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