Bury me, my Love
Plug in Digital
恋愛アドベンチャーゲーム
Android:390円
これは現代の「愛と戦争」の物語。難民の逃避行を描いたメッセージアプリ形式のアドベンチャーダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
シリア難民の愛の物語を追体験しよう
「Bury me, my Love」はシリア難民の愛を描いたメッセージアプリ型アドベンチャー。
シリア人女性のノアが戦火にある故郷を捨て、難民としてヨーロッパに向かう旅を、テキストメッセージ型ゲームとして描いている。
2018年NHK日本賞デジタルメディア部門ほか数々の表彰を受けたフランスのインディーゲームが日本語に対応。
現代も地球の裏側で続いている戦争が、斬新な切り口でリアルに描かれている。演出面やBGMもいい。
実話を基にしたメッセージアプリ型アドベンチャー
夫のマジドとなり、妻のノアとメッセージのやり取りをしながら、彼女の旅に寄り添っていく。
テキストでの選択のほか、絵文字、写真、セルフィ―、リンク先情報などを送り、彼女の逃避行を支えよう。
返信の選択が物語の進行、そして彼女の運命に影響を与える。50の異なる行き先、19の異なるエンディングが待ち受けているという。
「Bury me, my Love」の特徴は鮮烈に描かれる「戦争の痛み」
戦争を題材にしたゲームは星の数ほどあるが、戦争の「痛々しさ」をリアルに描くゲームはそうそうない。
ドイツのレジスタンスとなり、絶望的状況に抗う歴史ストラテジー「Through the Darkest of Times」や、ナチスの子供として迫害された子どもを育てる育成ゲーム「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」あたりが、プレイヤーに戦争の痛々しさを斬新な切り口で描いたスマホゲームだろうか。
「ゲームを超えたドキュメンタリー」と銘打たれた本作。ゲームだからこそ、難民の実態を身近なものとして疑似体験できると感じた。
スマホだから身近に感じられる難民の暮らし
現代の難民も我々と同じように、みなスマホを持ち、家族や他の難民とつながりながら情報を伝えあい、困難を乗り越えようとしているという。
本作もまた、誰もが使う「メッセージアプリ」という手段だからこそ、難民の困難を身近に感じさせるものだと言えるだろう。
ゲームの流れ
彼女がノア。医者であり教師である主人公の最愛の妻である。
ノアから送られてくる短いメッセージに返信して、彼女が旅の途中で出会う困難の克服を手伝います。
ノアが戦火にあるシリアを脱出し、ヨーロッパでの安全な生活を目指して危険な旅に出るところから物語は始まる。
フィクションでありながらも、実話からインスピレーションを得て作られたゲームだという。
メッセージアプリ風のゲームも多くあるが、マップや画像の添付など、演出面は決してチープではない。イラストも雰囲気があってよい。
またBGMも良質で、サントラを探してしまったくらいだ。
戦争を題材にしたリアルなスマホゲームとしては、民間人としてリアルに戦争を生き抜くシミュレーション「This War of Mine」などもある。
興味を持ったら遊んでみてもいいだろう。「戦争を知らない子どもたち」の子である我々もまた、家族をもってもおかしくない年齢になってしまった。
タイトルである“Bury me, my love”とはシリア語での別れの言葉だという。そのおおよその意味は「私よりも先に死ぬのを、考えることすらしないで。」。
危険な旅に出る妻のノアに向けて語られる言葉として、このタイトルは重い。
「Bury me, my Love」の序盤攻略のコツ
ちなみに本作は物語だけをテンポよく進める方法と、リアルタイムにスマホの通知が来て返答するスタイルの2種類ある。できたら没入感のために後者をオススメしたい。
なお、本作の歴史的バックグラウンドなどについては公式アカウント( @love_bury )が詳しい。このゲームを遊ぶ方は是非一読することをオススメする。
シリア内戦について知識を持つとゲームを更に楽しめる
というのも、土地勘のない我々は、ある程度の予備知識を調べてから遊ぶとなおさら彼らの逃避行の困難さが肉迫して伝わると思うのだ。
本作はシリア内戦(2011年勃発)から5年後の2016年を時代設定している。つまり、ほぼ現代だ。
シリアは体制派、反体制派とで激しい戦闘が繰り広げられ、周辺国が軍事的介入を行い、過激派組織も誕生し、国が激しく荒廃していく時期だったという。
少し堅苦しいレビューになってしまったが、ゲームとして普通に面白い。異色のラブストーリーを見届けてみたい。見届けて欲しい。
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