Zガンダムと言えば「可変モビルスーツ」と言っていい程で、特にティターンズ系MSに多い。
だが、前半の主人公MSである「ガンダムMkⅡ」は変形しない。
これには、ある「大人の事情」が隠されていたコトを知っているだろうか?
また、「ガンダムMkⅡ」は、実は登場予定はなかったらしい―――。
今回は、「機動戦士Zガンダム」の「大人の事情」と「Mk-Ⅱ」の登場秘話に迫ってみよう!
そんな大人、修正してやる! byカミーユ・ビダン
可変MSの大人♡の事情
Zガンダムの世界では、何故変形するモビルスーツが増えていったのか?
端的に言ってしまえば―――
「売れるから」だ。
当時のロボットアニメでは、変形するモノの商品が売れまくっていた。
しかも、7年という作品中での時間の流れを表現するのに丁度よかったという点もあったようだ。
図式としては、旧式のモビルスーツと可変モビルスーツが戦う際、絵的にスピード感がある可変機に旧式が追い付けないというのをやりたかったらしい。
この試みは見事に成功したのだろう。
玩具、プラモデル共に売れ行きは好調で、今後のガンプラ市場の大きな起爆剤となった。
番組の視聴率も高く、この路線は直接の後番組「機動戦士ガンダムZZ」にも引き継がれていくのだった。
そのZZは、色々とやり過ぎた作品になるわけだが……、それはまた別の話。
MkⅡの大人♡の事情
では、どうして新鋭機として登場した「MkⅡ」は「可変モビルスーツ」ではないのか?
それは―――
登場する予定ではなかったMSだからという点と
Zガンダムの可変機構が難しかった点が絡む。
監督である富野氏の考えでは、「リックディアス」や「ガルバルディβ」をメインとして、その後にZガンダムを登場させる予定でいたらしい。
だが、会社の上層部が……
「この2機じゃぁ、マニアック過ぎね?」
と意見を出して却下されてしまう。
いいじゃないか!「リックディアス」
かっこいいじゃん!「ガルバルディβ」
―――とはいえ、そこは大人の事情。
確かに新しいガンダムを売りたいスポンサーサイドからしたら、ドムやゲルググのリファインがメインでは「何か違う?」と思われる危険性はあっただろう。
更にスポンサーサイドで可変機構の難解さから難航していたZガンダムの玩具化が遅れていた事もあり、すぐには登場させられない事態に。
そこで玩具化がより簡単で、つじつまを合わせる目的もあって「MkⅡ」が誕生する流れとなった。
しかも、より売れるデザインをシャアにも、と言うコトで「百式」をクワトロ専用機として流用する流れに。
そういったコトもあり、メインMSは構想とは全く違いガンダムを押した機体が複数登場するコトとなり、後のガンダム作品のヒナガタが完成していく。
実際、玩具化はかなり難航していたようで、2クール目あたりに生産が可能になるレベルだった。
アニメ枠としての前番組である「重戦機エルガイム」でも2号機である「エルガイムMkⅡ」が後半登場の可変ヘビーメタルで、玩具的にも良く売れた経緯がある。
方針的には、それと同様になるように狙うコトとなったらしい。
こういった大人の事情に左右されつつ生まれたモビルスーツたちだが、結果的には現在も人気のある名MSになっている。
それを知った上で、もう一度「機動戦士Zガンダム」を観てみるのも面白いかも知れない。
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