意見の食い違いにより言い争いになる時期も。それを乗り越えたキャラクターの些細な仕草には圧巻のひとこと【Pretty Plant インタビュー#3】

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執筆者:編集部

『TOMO BAKO(トモバコ)』は、「株式会社マッドボックス」から生まれた、各々が”欲しい”と思うモノを実現させていくために結成した創作チーム。

処女作となる、新作スマートフォン向け育成シミュレーション『Pretty Plant』2017年4月30日にリリースした(android版:5月)

本作は、可愛らしいヒト型植物生命体の「ココネ」たちを愛でて、たくさんの思い出を育んでいくシミュレーションゲームだ。

戦闘や冒険といった要素はなく、することは「ココネの育成」のみ。水をあげたり、撫でてあげたり育成に励もう。

第2回の投稿では、『Pretty Plant』こだわった点を重点的に語ったが、今回は作業工程や開発する上で手間だった点に迫っていく。

▲山石 功基氏

既存のシステムを使用しない、という新たなチャレンジに苦難の連続。他社のアニメ制作会社との協力が大きかった。

ーーセルアニメの手間的な部分、工数的な部分はいかがですか?ライブ2Dなどと比べて。

山石氏:
すごく大変だったと思います。

今回はモンスター・ラボさんとお話しまして、「既存システムは使わないでほしい」というのが私からのお願いだったんです。

つまりゲームシステムを1から全部作るという話で、それに乗っかってきてくださったのがモンスター・ラボさんだったんです。

ほかのゲームのシステムを使っていないので、本当に新しいゲームだと個人的には思っています。新しいカタチの一つになったら嬉しいな、と思いつつやってみたという感じですね。

ーーイメージ的には絵を何枚も描かなきゃいけない、アニメを作らなければならない、という事ですよね?

山石氏:
そうですね。ゲーム内のクレジットにある様に、いろんなアニメ会社さんに協力して貰って出来上がりました。そもそも縦画面のアニメって?っていうところからスタートしていたんですけど。大変な作業をお願いしちゃってるなと思っていました。

そしてペラペラのセルではないんですね。最近アニメの業界でもデジタルでやる時代らしく。

ーーでは、以前と比べてまだマシだったということでしょうか?

山石氏:
そうですね。工数的には全然アニメのほうは楽だったと思います。

ーーただ、ライブ2Dよりは全然大変…。

山石氏:
そうですね、大変だと思います。ただアニメのことを知っていると、そっちのほうが楽かもしれないとも感じました。

1枚1枚のカロリーって、工数的な部分で言えばあまり変わらないと思います。

ライブ2Dのパーツをつくる作業とアニメの作業って完全に分業なので、とある人がラフをやったら、もうそのラインでやっていくというルールが決まっているんですよね。人海戦術にちょっと近いんですけど。それが出来さえすれば、最悪全然やったことない自分でも色を塗ったりやれてしまうっていうのが。

ーーでは、山石さん的にはアニメーションで大変だったポイントは、描くところではなくて実装のところだったという感じですか?

山石氏:
そうですね、ライブ2Dは専用のUnityもそうですけど、やる人が必要なんですよね。でもアニメなら枚数を用意して、連番で再生するというシステムだけで済むので。しかも自分の想像していた世界観を表現するのにライブ2Dはチガうとなったら、アニメでしょ、という。

そのアニメの手法をどうゲームに落とし込むかというのをモンスター・ラボさんと話をして、今のカタチに落ち着いたという感じです。

ーーかなりモンスター・ラボさんが頑張ってくれた部分は大きいと。

山石氏:
大きいと思いますね。かなりでかいです。

キャラクターの些細な動きやズレの確認・修正には困難を強いられた。

ーー開発中のつらかった思い出など、いかがですか?

山石氏:
やはり確認ですかね。それだけ枚数のある中で、ひたすら色抜けを探したり。あとアニメーションなので、ズレが出たりするとそこから全部直さなくちゃいけなかったり。ここはホントきつかったですね。

セルを見るときって色が入る前から全部見るんですけど、そのときに自分が切ったコンテの通りになっているかとか。それを実際にゲームで映したらどう見えるか、という確認であったり。繰り返しがやっぱり辛かったです。これはゲームを作る人皆さんそうなんだと思うんですけど。

システム的な部分は当然モンスター・ラボさんにやって貰っていたんですが、アニメーション・イラスト・ボイスに関しては私がやっていたんです。アニメって大変なんだなって思いました。

ーなるほど。アニメ制作の大変さと知ったと。

山石氏:
そうですね。

当然自分はアニメを作ってきた人間ではなかったので、大変でした。業界の人と話をしながら、一つ一つ覚えてやって行ったという感じですね。

アニメーターと言い争いになることもしばしば。

ーーかなり仕草にこだわりがあると思うのですが、アニメーションが思うようにいかなかった、みたいなことありましたか?

山石氏:
ありましたね。場合によっては描き直してもらっていました。そこは結構言い争いもして。

ーー言い争いですか?

山石氏:
はい。最初からそう言ってください、と。

ただ常に隣の席にいるわけではないのでね。ちょっと違うものが出てきたりするのも結構ザラでした。ここは出来ますここは出来ません、といったようなやりとりも結構ありましたね。原画さんと。

ーー中にはこだわりの強いアニメーターさんとの戦いみたいな事もあったのでしょうか?

山石氏:
そうですね。向こうは向こうで、「これがかわいい!」と思って作っているはずなので。これ求めてたんでしょ~?という思いで投げてくるんですが…違うよって言うと、じゃあ初めから言ってくださいよって(笑)。

ーービタっと合っていた場合もあったわけですよね?

山石氏:
ありましたね。そこが一番デカかったのがフレアイのアニメーション。縦のアニメーションなんですけど、、そのアニメーターさんが私の意図を汲んで下さって。

とくにホームページのフレアイというところで表示されるやつですね。これすごく良かったと思ったからホームページに置いたというのもありますけど。

 

ーーこれ、一番初めゲーム立ち上げたときに出てくるアニメーションですよね。

山石氏:
そうですね。それもチュートリアルに入れたっていうのは、これを見てほしいっていう想いから。

ーーすごいこだわりですよね。要はわかる人にはわかるという様なことですね?

山石氏:
このゲーム自体が、わかる人にはわかる、っていうネタがたくさんあります。そこを声を大にして言えないから言ってないだけなんです。

ーーしかし、声優さんのカップリングがかなりシビアで、ファンの間ではそこがハマると認めてもらえる、みたいなこともあるとお伺いしましたが。

山石氏:
そうですね。キャラクターを考えるのと同時にキャスティングもやっていました。組み合わせなども含めて。

ーーなるほど、細かいネタがちりばめられていると。

山石氏:
そうですね。今回キャスティングをさせて頂いたときに、皆さんが今までどういった活動をしてきたのかというのを色々と調べさせてもらいましたので。ただ、ファンの中での共通認識であって、今は違う、という所もあるかもしれませんがね。

第3回まとめ

本インタビューの第3回目の投稿は、『Pretty Plant』の作業工程や開発する上で大変だった点を語った。

次回は、『Pretty Plant』の見どころや魅力を詳細に語っていくぞ。

美少女の植物生命体を育てて愛でる育成シミュレーションゲーム!豪華声優ボイス&ぬるぬるアニメーション搭載の『Pretty Plant』

『Pretty Plant』は、とある惑星からやってきた美少女たちを育てるシミュレーションゲームだ。
地球環境と類似している惑星「キュート」で発見されたヒト型の植物生命体「ココネ」。
可愛い女の子の姿をしたココネとの生活が主流となっている近未来世界で、プレイヤーは育成者となり様々なココネと出会うことになる。

まずは苗床で画面下にある5種類のココネクタルを自由に配合し、15以上ゲージを溜めて種球を作ろう。

種球は一定時間が経つとタネコになり、プランターに移すことができる。

プランターでは水やりや肥料、撫でるといった育成&交流を行い、タネコの反応を見ながらハートゲージを満たしていく。

ゲージを100%にした状態で長押しするとタネコからコナエになり、そこから同じ条件を満たすとオハナという成体になる。

この成長過程を見守りながらココネとの生活を楽しもう。

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執筆者: 編集部