「怖いもの見たさ」という言葉があるように、怖いけどつい遊びたくなってしまうのがホラーゲーム。そんなユーザーの好奇心をくすぐるゲームを数多く排出する会社がある。
日本のアプリ市場のホラーゲームという小さな枠の中で30万ダウンロードを誇る「無影灯」をリリースしたザイザックス株式会社だ。
ザイザックス株式会社は東京と北海道に会社を置き、恐怖と新しいゲーム性の二重の意味でユーザーを驚かせるアプリを制作し世に送り出している。
「無影灯」ではホラー+脱出ゲームを融合させ、360度見渡すことができる視界は「振り返ると何かいるかも…」という恐怖を見事に演出し、「パニックシップ」では3Dサバイバルホラーにシフトし、倒せないモンスターからひたすら逃げるという新たな恐怖の一面をユーザーに突きつけてきた。
どのような現場からこのようなアプリが生まれるのか?
今回は北海道、札幌に籍をおくプロデューサーの古村 亮二氏にお話を伺ってみた。
全6回でお届けする本インタビュー。第5回目は、3Dサバイバルホラー「パニックシップ」制作のきっかけや、今後の課題について詳しくご紹介する。
本インタビュー記事全6回は、2/18~23の間、毎日9時に更新!
目次
2Dの脱出ゲームから3Dサバイバルホラーへの転機。
――「パニックシップ」は前作「無影灯」に比べると毛色が変わった作品ですが、どのような経緯で3Dサバイバルホラーになったのでしょうか?
「無影灯」がヒットしたので、類似アプリを出す案も考えたのですが別ベクトルとして「ジャパニーズホラー」は作ったので、海外向けの「どこから敵が来るかわからない」と言ったゲーム性のホラーを出そうという流れで決まりました。
――開発期間はどのくらいでしょうか?
古村氏:
パニックシップはだいたい5ヶ月くらいだったと思います。このタイトルは3人で作成しました。
――「パニックシップ」は参考にされたゲームはありますか?
古村氏:
海外のPCゲームになるのですが、「Emily Wants To Play」という謎の少女から逃げるというゲームを参考にしました。(※2017年2月9日にPS4より配信開始)
――とにかくモンスターから逃げるという要素を意識したのでしょうか?
古村氏:
倒せるという要素があると恐怖が薄くなってしまうので、ひたすら逃げるだけというようにしました。
――プレイしたところ「無影灯」のときと違い、難易度が高くなった気がします。
腕に自信があり、怖いものが見たい人にオススメ。
古村氏:
難易度は少し高いと思います。
「無影灯」はライトユーザー向けでしたが、「パニックシップ」はジャンル的にも万人受けするようなものではないので、コアユーザー向けて作成しました。
多少テクニックが必要なゲームを作ると、どのくらいヒットするのだろうかという思惑もあります。
――ゲーム中に出てくるモンスター「グーリアン」の由来とは?
古村氏:
色々と候補があったのですが「グール」という怪物を意味する言葉と、ベジタリアンのようなリアンという人を表すような言葉を組み合わせて作りました。完全な造語ですね。
多くのスマホユーザーが遊べるよう意図的に画質は下げている。
――「無影灯」に比べるとかなり違ったベクトルのゲーム性になっていますが、ゲームを作っていて苦労した点はありますか?
古村氏:
3Dゲームは作ったことがそもそもなかったので苦労しつつ勉強になりました。
他には、スマホのスペックによって動かないということでグラフィックを意図的に下げましたね。
どのぐらいのクオリティだとユーザーさんがプレイしてくれるかという…あまりハイクオリティにしてしまうと、端末によって動かないこともあるのでスペックの低い端末のカバーをどこまでしようかという点です。
マルチエンディングなので最後までしっかり楽しんでほしい。
――「パニックシップ」について届いて嬉しかったユーザー反応は?
古村氏:
「無影灯」に似ていますが「恐かった」「友達と遊んで盛り上がった」という意見は嬉しかったです。
――逆に辛かったユーザー反応は?
古村氏:
一言でクソゲー扱いされたことですね(笑)
「レビュー☆1 クソゲー」という…これはもう合わなかったということで仕方ない気もしますが。
――ここを楽しんで欲しい!というポイントはありますか?
古村氏:
単純に逃げ惑うのか、黙ってやり過ごすのかという選択を楽しんでいただけると嬉しいです。
またアイテムの有無によってエンディングが変わりますのでぜひ見て楽しんでいただけると!
今後の課題は操作感。もっともっと遊びやすくしたい。
――今だからここは直したい、修正したいというゲームの箇所はありますか?
古村氏:
直せるなら操作性をもう少しプレイし易いようにチューニングしたいです。
FPSの主観ゲームなので酔ってしまう、まだ操作がしづらいということもあると思いますのでどこまで直感的に遊べるようにするのかというのが課題です。
――スマホで主観のゲームとなると、どうしてもタップを認識しなかったり大変だと思います
古村氏:
コンシューマーだとコントローラーというものがあるので操作もしやすいですが、物理ボタンのないスマホだと操作がネックになってしまいますね。
――外付けでスマホにつなげるコントローラーで遊ぶユーザーは視野に入れていますか?
古村氏:
多分スマホのためにコントローラーを使うユーザーは少ないと思います。
そのため、コントローラー対応にして操作を快適にしてもユーザーは少なくなってしまうのでスマホだけで楽しめるように努力したいと思います。
襲い来る化け物から逃げ続け、生きてこの船を脱出できるのか!「パニックシップ」
気付くと後ろにいる!360°の視界が恐怖をもたらすホラー脱出ゲーム「無影灯」
友達と二人、肝試しのため赴いた廃病院。先に入って行った友達が返ってこない…。しかたなく追って入ったプレイヤーは、病院から脱出できなくなってしまう…。
まさしく王道ホラーストーリー! ゲームシステムも、画面タッチで色んなところを調べてアイテムやヒントを入手、謎を解いていく…という脱出ゲームの王道スタイルだ。
タイトルにわざわざ「恐怖!」と名乗っているくらいなので、もちろん恐怖演出もバッチリ挿入される。
ホラーゲームファン、脱出ゲームファンにはオススメの一作だ。
待ったなしでこれでもかと繰り出されるホラー演出が怖い!「廃病院からの脱出:無影灯」に続編登場!
前作同様、自分の周囲360°をぐるりと見まわせるシステムが特徴。
ぐるぐると見回している時、視界のはしに存在してはいけないものが映った時の戦慄がたまらない!
ベースのゲームシステムは、風景をタップして謎の手がかりやアイテムなどをゲットしていくという脱出ゲームとしてオーソドックスな作りで、誰でも親しみやすい。
明確に「ホラー」に重きを置いており、謎の難易度は控えめ。謎解きを楽しむより、どんどん先に進んでホラー演出を楽しむというゲームだ。
ホラー好きはプレイしないともったいない良作ホラーゲーム。
前作をプレイしていない人は、まず前作からプレイすることをオススメしたい!