開発費はたった2日で回収!!「毎日の耳かき」開発チームインタビュー

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執筆者:編集部

10月と11月のGoogle Playストア無料ゲームランキングで、その順位の高さと衰えない人気、そしてアイコンとゲーム名のゆるさによってひときわ目立っていたのが株式会社リイカの「毎日の耳かき」だ。

リリース1週間後に人気が爆発し、その後11月末までトップに居続けている

毎日の耳かきランキング推移

リリース1週間後に人気が爆発し、その後11月末までトップに居続けている(App annieより)

ゲーム自体は非常にゆるく、一見個人開発者の作品かと思ったほどだが、れっきとしたイチ企業がつくったゲーム。

iPhone版も合わせるとリリース2か月足らずで既に100万ダウンロードを達成しているという。

いったいどのようなプロセスで制作されたのか、ビジネスとしても成功しているのか、「毎日の耳かき」のプロジェクトチームにお話しをうかがった。

毎日の耳かき

耳の中を探り、ヒットしたあとは耳毛に触れないように引き上げる

元ジー・モードの2人を中心にしたプロジェクトチーム

本日はお忙しいところありがとうございます!
関わった方みなさんに来ていただけたということなのですが、それぞれどういった役割だったのでしょうか?

熊谷氏:

構成としてはわたしが立てているプロジェクトなんですが、リイカとしては僕だけがチームに参加しています。

リイカ自体がプロデューサー会社みたいになっていまして、中に開発部隊を持っていないんですよ、実は。

リイカが設立されたのも今年なので、新しい会社の記念すべき一歩目が「耳かき」だったんですけどもw

リイカ 熊谷氏

リイカ 熊谷氏

熊谷氏:

合同会社ぬらりひょんの代表の坂本さんには、制作・プランニングをお願いしたんですが、実は前職が一緒だったんです。

ぬらりひょんの坂本氏とアシスタントの堀氏

ぬらりひょんの坂本氏とアシスタントの堀氏

熊谷氏:

二人ともジー・モードにおりまして、一緒になにかとんがったアプリでもやってみようかというところでお願いをして、開発とか、企画とか、グラフィックとかをすべてアサインしていただいたんです。

それで、実際に手を動かしていただいたのがmom-softの木村さんで、細かい仕様も全部木村さんが作ってくれました。

開発を担当したmom-softの木村氏

開発を担当したmom-softの木村氏

最小の予算で何ができるか、という実験

企画開発に着手したきっかけはなんだったんですか?

熊谷氏:

バカゲ―プロジェクトとわれわれは呼んでいるんですけども、新しい会社としてこれからネイティブアプリにも参入していく上で、その市場調査や 経験値を積むためにまずは小さな予算で実験的にというか。

小さいバジェットで何ができるだろうかということを試すという意味合いもあったんですよ。

坂本氏:

そのかわりなんか縛られずに自由にやろう、普段言えないことを言っちゃおうみたいな。

ぬらりひょんの坂本氏

ぬらりひょんの坂本氏

テーマが耳かきに決まった段階では具体的なゲーム性はなにも考えていなかった

なるほど、そういった経緯でこの座組みができて、まずはディスカッションからはいっていったと?

熊谷氏:

ディスカッションというよりは、坂本さんにネタ元を用意していただいて、

坂本氏:

ネタ元と言ってもタイトルが面白いだけであとは考えてなかったりとか。

まじめに書いているのもあったんですけど、そういうのはみんな「重いよね」とか言って触れたがらなかったりしましたね。

それで結局「耳かきで、いいんじゃね?」みたいな感じに。

その段階では具体的なゲーム性なんかは考えてなくて、「耳かきのカリッっていう感覚がきもちいいゲーム」、みたいなことしか書いてなかったんですよw

坂本氏

過去の資料を探しながらインタビューに答えていただいた

作っては直し、の繰り返しで開発

ふわっとしてますねー!

熊谷氏:

全部ふわっとしてる中からミニゲームをつくることは、私も坂本さんもジー・モード時代の経験で慣れてはいたので、そこからユーザーインター―フェース考えたりだとか、プレイサイクル考えたりだとかしながら。

立てた目標としては、話題になるようなとんがったネタにしようということと、それが広がるようにtwitterの連携は入れようということの、2点だけですね。

木村氏:

完成形がなにも見えていない状況で進めてましたよね。ちょっと作って見せて「こんな感じ」とか「なんか違う」とか意見が出て、それをもとに作り直してきてと。

坂本氏:

なんかもう予定とかぐちゃぐちゃでしたねw

人月計算でやっていたら売れているものを分析したりして結局それに近づいちゃっていたと思うので、結果的に良かったと思いますね。

熊谷氏:

予算も本当に小さかったですし、まあ、数十万だったんですけども。

木村氏:

最終形ができたころにはみんな「もしかしてこれはおもしろいんじゃないか?」ってなってましたね。

木村氏

木村氏が細かい仕様まで作成している

メンバーそれぞれが想像のななめ上のものを作ってきた

熊谷氏:

「みみげ」をよけながら「みみくそ」を引き上げる部分なんか一番最後でしたね。
もう「何かがたりない、何か足そうぜ」という話になって。

あれも最初は毛しか飛んでなかったんですけど、ある日バージョンアップしたのを見たらなんか変な生き物が動いてて

「これなに?」って聞いたら「いや、みみげです」ってw

近藤先輩

ふわふわ浮いているのは「みみげ」茶色くてまるいのはみみげの「近藤先輩」

堀氏:

イラストレーターの方のセンスも非常によくて、我々からのリクエストはエクセルの一覧にゲットできるものの名前を書いたものだけだったんですけども、届いたものを見たら、なんていうんですかね、「やった!」みたいな、めちゃくちゃおもしろいものになっていて。

坂本氏:

ルンバみたいなものをイメージして「ロボット掃除機」って書いておいたらでてきたのがこれだったりして(下図参照)「うん、わかってるね!」って。

ロボット掃除機

ロボット掃除機。これも耳から出てくる。

熊谷氏:

こちらの想像を絵描きさんが超えてきているというか。

坂本氏:

ゆるいんですけども、創発がうまくいったタイプの企画だと思いますね。

※創発・・・1人1人の力量や性質の総和にとどまらない性質が全体としてあらわれること

熊谷氏:

そうですね。

基本的に「ねじ」とか「レシート」とかを獲得したときの説明文などの細かい仕様も木村さんにおまかせしてたんですが、それも僕の想像のはるか斜め上を行っていて。

耳からは耳くそ以外も数多く発見される

耳からは耳くそ以外も数多く発見される

耳から出てきたレシートの説明文が「さば缶を買った時のやつだ」ってなっていたりとか。

「おもしろいから生きで!」みたいな。

木村氏:

最初は全部仮で入れたつもりだったんですよ。

それが全部そのまま。。。

(一同爆笑)

木村氏

当時の状況を語ってくれた

創発がうまくいったパターン

プロジェクトの雰囲気がよかったんでしょうね!

熊谷氏:

おもしろいものをつくってくれるんだなというかやってくれるんだなというところは信頼がありましたね。

坂本氏:

いろいろあとからうまくいった分析はしたんですけども、意図があったかというと無くて、ホント創発だと思いますね。

バカゲ―プロジェクト

バカゲ―プロジェクトの面々

数十万の開発日は2日で回収

売り上げは広告ですよね?結構いいペースできているんじゃないですか?

熊谷氏:

2日で開発費が回収できるくらいの売り上げはありましたね。

熊谷氏

製作費は数十万だったそうだ。

グッズ化の話も絶賛募集中

それはすごいですね!グッズ化の話とかも来るんじゃないですか?

熊谷氏:

それがまだきてないんですよ。これはぜひ載せてください!グッズ化したい企業さんいらっしゃいましたらお気軽にご連絡くださいと。

ちょっと「なめこ」を倒したいと思ってますんで。彼らの牙城をくずしてやろうかなと。

グッズ化募集中

グッズ化希望のご連絡はこちらまで info@liica.co.jp

坂本氏:

えー、やめようよー。仲良くしようよー。

熊谷氏:

え、言い過ぎ? 言い過ぎか。 すいませんでした!

グッズ化を希望する企業さんがいらっしゃいましたら株式会社リイカ、もしくはアプリゲット編集部までご一報ください!(熊谷さん、こんな感じでよかったですかね、)

本日はありがとうございました!
(取材中にこっそり見せていただいた)アップデートも楽しみにしております。

株式会社リイカ
http://www.liica.co.jp

毎日の耳かき
https://appget.com/appli/view/62397

執筆者: 編集部