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2010年から2011年といえば、数多くのゲーム会社やゲーム事業が立ち上げられたまさにスマホゲーム時代の幕開けの時代。
そんな激戦の時代に創業し、順調に成長を続ける「ORATTA」が積極採用中らしいので、「求人手伝いますよ♪」という名目で成長の秘密を探りに行ってきました!
阪森:アプリゲット編集長の阪森です。本日はよろしくお願いいたします。
今井:よろしくおねがいします。
(ここからアプリゲットの編集方針の話や両社の社内制度の話でつい盛り上がり、30分が経過)
阪森:そろそろ本題に入ろうと思います(笑) ORATTAはどんな会社なんでしょうか?
今井:そうですね、はい(笑) ORATTAは設立五期目のまだまだ若い会社です。いわゆる独立系のゲームベンチャーというやつですね。
大きな親会社があるわけではなくて、独立して、我々で判断したものを作ってやっています。
ここ中目黒に本社があるんですが、中国の上海にもスタジオを用意してまして、現地で採用した中国人のスタッフと、それを統括してくれる日本人のマネージャーという体制で本社と独立した判断で動いています。
ここまで順調に成長しておりまして、大体、前年比で1.5倍の成長を続けています。
阪森:1.5倍!綺麗な右肩あがりですね!(グラフを見せていただいた。)
会社概要で拝見したんですが、代表取締役が2名なんですね。
今井:そうですね。私が企画やマーケティングを見て、まあ、いわゆる文系社長ですね。で、相方の上杉は、理系の、現役エンジニアの社長です。
僕は京都大学を卒業した後、DeNAに入りまして、Mobageのゲームのマーケティングをしたり、CMとかWebのプロモーション戦略をやりました。
その後、docomoさんとDeNAのジョイントベンチャーが設立され…。
阪森:エブリスタですか?
今井:そうですね。エブリスタの立ち上げと、マーケティングの所を見させてもらった後、2011年に独立しました。
阪森:独立は元々考えてらっしゃったんですか?
今井:そうですね。DeNAには入社時に「3、4年で独立したくて、そのために一番学べそうだから入りたい」と言いました。
相方の上杉は名古屋大学の大学院を卒業しまして、日本オラクルでアプリケーションコンサルタントとして、クライアントへのコンサルティングをやっていました。
阪森:お二人はどこで、出会われたんですか?
今井:渋谷の喫茶店です(笑)
いまでも時々そこを通る時に、友達とか、嫁さんとかに、『ここで上杉と出会ったんだよ。』って。「それもう何回も聴いた」と言われるんですけど(笑)。
阪森:へ~(笑) どうやって出会ったんですか?
今井:DeNAにいた当時に、共通の友人がいまして。僕が「優秀なCTOを探している」「独立心のある、今にも独立しそうな実力のある奴を知らないか」と言ったら、「高校の友達に今にも独立しそうな奴がいるから連れて行く」と。
で、渋谷の喫茶店に連れて来てもらったんです。
で、モバイル市場にはこれから10年に一度の起業の波が来るから、乗らないなんてあり得ない、みたいな話をしたら、5分で「やる」って事になってました。
阪森:5分ですか(笑)?
今井:5分です(笑)
独立するとなると、技術以外のところでやらなきゃいけないことが沢山あるじゃないですか?会計まわりもそうですし、採用もそうですし。
そういうところで、上杉も、自分一人の力だと一流の会社は作れないんじゃないかという懸念を持っていたそうです。そんな時に口説いたので、『ああ、こいつだ。』と思ったそうです。
目次
「日本と中国の二軸で勝負したい」
阪森:日本と中国に拠点を構えていますが、その理由を教えていただけますか?
今井:ORATTAは、スマートフォンの、特にゲーム事業をメインに据えてやっています。
世界的にも伸びている分野ですが、なかでも日本は今や世界一の市場規模なので、ここで勝負したいと考えています。
中国も、まず人口が凄く多いですし、電波環境とか、端末の状況がこれから本当に伸びてくる市場です。
一方で、参入障壁がかなり高くて。外資が入っても、現地のコネクションが作れなかったりするんですが、僕らは何とか、小さい規模なんですけど上海にスタジオを作って動き始めることができたので、勝負する価値はあると思っています。
阪森:どちらもイーブンで力入ってるんですか?
今井:時期によりけりなんですが、プロダクトの生産ラインとしては、常にイーブンになっています。
ただ、中国で出したものも、日本に持っていきますし、日本で出した物もヒットすれば当然、アジアへ展開するので、全部の生産ラインが、「日本と中国でヒットしよう」という作り方を心がけています。
なので、ソースコードやドキュメントのチェックは、中国のプロダクトに対しても僕らはコミットしていますし、僕らが作ろうとしているものも、定期的に中国のマネージャーが見ています。
「ORATTA」は新潟弁で「俺たち」を意味する「おらった」から
阪森:会社名のORATTAというのが独特な響きだと感じていますが、由来はどこからなんでしょうか?
今井:ORATTAという名前が、そのままビジョンになっていまして。上杉の故郷が新潟なんですけど、新潟弁で「俺たち」の事を「おらった」って言うんです。
※余談だが、プロサッカークラブのアルビレックス新潟のチーム名候補に「オラッタ新潟」があがっていたらしい。
全てのユーザが一人称で呼び合えるようなサービスを作るっていう、気概と言うか、決意みたいなものをつけたいと思って「株式会社ORATTA」に決めたんです。
こう言うと、Facebookとかtwitterとか、そういうのもあるんじゃないの?なぜゲームなの?みたいな話になるんです。もちろん、そういったネットワークサービスも凄く魅力的だと思ってはいるんです。
ただ、ビル・ゲイツと日本の女子高生が仲良くなるのは、SNSだけでは事実上、不可能だと思うんですが、MMORPGならビル・ゲイツと女子高生だろうが繋がる、といったシーンを沢山見てきたので、やっぱり、ゲームっていう、何か「特殊な環境にみんなが入って、共通の目的に向かって…という中で、繋がるはずのなかった人と強く繋がる」っていうのが凄い魅力だなと思うんです。
短期的には、このアジアを代表する、まあ、要は中国で勝ちたい、日本と中国で勝ちたいと思っているんですけど、中長期的にはみんなが自分たちのこと「おらった」と呼べるようなグローバルなコミュニティの形成をやりたいと思っています。
企画でもマーケティングでもなく技術ドリブン
阪森:ミッション・ステートメントを拝見すると最上段に「テクノロジードリブン」が掲げられています。
今井:要は、企画者が何かやりたいってなった時、うちだとちょっと技術力無くてできないから、ちょっと我慢してよ、って言われたくないのが、まあ、企画者の思いとしてはあります。
エンジニアの上杉が経営判断をリードして、新しい技術は、ストレスがあっても入れましょう、みたいな風にやってますね。
阪森:その技術力を磨くためにやってる事っていうのってあるんですか?
今井:僕らはゲームメーカーなので、ゲームを定期的に作らないといけません。ただ、ゲーム一本作る上での開発って、常に新しい事をやってるわけじゃなくて、「前やった事をもう一回やったり」だとかが意外に多いんですね。
ロジックの開発が一番エンジニアのスキルを上げると思うんですが、それ以外の、例えばAPIとかSDKとかの組み込みがどうのこうの、とかが多い。
その辺を人力でやっていくと、結構コストがかかるので、全部フレームワークで解決しようというコンセプトをとっています。
まあ、要するに、面倒くさい事を、全部フレームワーク化しています。
色んなアプリを作っていくなかで、見栄えは違うんですけど、中のロジックが3割同じとか、凄く似ている、みたいな事があった時に、一般的には、「まずソースをコピーして始める」ということが多いと思うんです。
我々の場合は、アプリ間のソースコード連携をフレームワークで実現していて、最初だけでなく、「全アプリがずっとソースコードを連携し続けている」ので、Aで良いものが開発できたら、Bにそのまま反映できるようにしています。
なので、うちのエンジニアは自分のタスクにとって短期的に必要なソースコードを書くのでなく、社内の複数のアプリ間で長期的に共有されるソースコードを書くことになる。そうすると厳しい社内レビューにさらされることになるので、自然と一人一人の技術力が磨かれていますね。
阪森:実際、今井さんから見てエンジニアの技術力ってどうなんですか?
今井:高いと思いますよ。
特に、ロジックの開発を出来る人が多いのはうれしいですね。
素晴らしいものを作っている会社でも、じゃあ、誰が凄いんだろうと言うと、大体、「一人、二人めちゃくちゃ凄い人がいて、その人の設計図の下にいるたくさんの人達」というのが、よくある構図だと思うんですが、うちのエンジニアは、全員がロジックの開発をしないといけないというか、フレームワークのお陰でそれ以外の仕事はあんまり無いので、それで言うと「設計が出来るレベルのエンジニア」にならざるを得ないです。
今、ブラウザゲームは戦いやすい
阪森:開発はどのように進めているんですか?
今井:今、お話したような状況の中で、スピーディに新しいサービスを生み出している感じです。ネイティブアプリは2~3人の少人数で始めて、面白くなりそうな気配が得られるまでは、そのチームでスクラップ&ビルドをしています。実際にそれが、プロジェクト化したタイミングからは、プロジェクト・マネジメントを行っています。
阪森:ミニマムスタートの段階、期間とかってのはどれぐらいまで許されてるんですか?
今井:二ヶ月ぐらいですね。
阪森:年間どれくらいリリースされてます?
今井:大体、年間4タイトルぐらい出してますね。最近は、ブラウザの中でも、かなりリッチなHTML5をごりごり使ったWebゲーム。それからフルネイティブのアプリというところにシフトしている、という感じですね。
阪森:ドラゴンソリティアではじめてネイティブアプリを作った感触はいかがでしたか?
今井:いやー、もう…色々わかりました。逆に言うと、今まで分かってなかった事がいっぱいあったなあっていうのが、沢山わかりましたね(笑)
一番わかった事としてはスクラップ&ビルドの進め方がめちゃくちゃ重要だなということ。ブラウザって、いつでも変えれるので、曖昧な状態のまま開発が進む事が多いんです(笑)
ブラウザと比べて開発期間も長くなるので、その中で、チームがダレないように、テンションを維持しながら進めることには気を使いましたね。
阪森:初期はずっとブラウザでやってこられていて、今後、ほぼネイティブにシフトするんですか?
今井:両軸でやりたいと思っています。
幾つか理由があるんですが、会社的には、ネイティブアプリ市場に競合他社が行ったので、ユーザーさんはまだブラウザにいるんだけど、デベロッパーが居ない状態なので戦いやすい、という点があります。
それから、ネイティブとブラウザだと、ブラウザの方が、早いサイクルでリリースできるんですよね。僕らはやっぱり、定期的にプロダクトをリリースする事で、社内のテンションを高めたいので、そういう点でも、ブラウザのアプリを作っていきたいんです。
あと、これは願望も含まれていますが(笑)、ユーザさんのニーズに、ブラウザがある程度追いつくタイミングが来る…来るといいなーと思っていて(笑)。
全てのユーザさんが、3DのゴツいMMO RPGを望んでいるわけではないので。そうすると「スペックとか気にせず、テキトーに始めてみて、気軽に人と絡む」という、Webサービスっぽい良さが、ゲームに求められる瞬間が来るのかなと思っています。
その時に「やばい、完全にネイティブシフトしちゃったから俺らブラウザの最新事情よくわからんわ」みたいなのは、ちょっと嫌なので(笑)
サービスのラインナップとしては、ネイティブの方が増えてくるとは思うんですが、ブラウザの技術や知見は、常にアップデートしていきます。
中国市場で日本式の萌え文化に兆し?
阪森:中国のほうはどうですか?
今井:『水滸女神』っていう上海のスタジオで作ったフルネイティブのアプリがあるんですが、これは、現地の開発会社と共同で開発したものです。
まだ中国に萌えの文化は無いので、時期尚早な印象があったんですが、実はちょっとずつ日本アニメの文化や、「ニコニコ動画」みたいなサービスが普及してきていて。
それから『拡散性ミリオンアーサー』や『ウチの姫さまがいちばんカワイイ』も、中国でデザイン軸の人気が出ているんです。
ああいうタッチは、中国のデザイナーには描けないので、「ジャパニーズデザインは、クールだ!」みたいな感じに、今、ちょっとずつなっています。
阪森:そうなんですね!今の時期にポジションとれたら強いですね。
今井:そうですね。先駆けみたいな形で。
長くなり、ダレがちなネイティブ開発。月次メンバー間レビューが効果あり。
阪森:開発期間が長くなった時に、上手くメンバーのモチベーションを保つのは苦労されると、いう事を伺いましたが何度か出てますけど。どんな手が有効でした?
今井:うちで有効だったのは、月次で行っているメンバー間レビューですね。
ブラウザの場合は、大体一ヶ月ごとにバージョンアップされる間隔があって。アルファ版が一ヶ月で出来て、ベータ版が一ヶ月で出来て、デバックと詰めでリリース、という感じなので。結果として、月一回のチームメンテナンスというか、「じゃあここからはこういう振る舞い方をしようね」という再定義が、自然にされていたんです。
ただ、ネイティブの場合、手触りやってると数ヶ月。その後開発していると、数ヶ月…みたいな形で、ふと気づくと二、三ヶ月経っていたりする。
その間、「実はこの人とこの人が上手くいってない」とかがあったり、ミッションの再定義をすべきなのに放置されていたりといったことで、結果として、短縮できたものができなかったり、綺麗に掃除していれば、上手く流れたところが詰まっていたり、という事が結構あって。
我々は長期プロジェクトの経験が豊富ではないので、プロジェクトリーダーだけでそれを管理するのは、すごく負担が大きいなぁと。
なので、もうメンバー全員で月次総括しましょうと。
チームリーダーだけでなくて、関わってるメンバー全員が、他の全員に対してレビューをするんです。Aさんこうでした、Bさんこうでした、Cさんはここが正直困ったけど、こういう動きが助かりました、とやっていて。そうすると、自ずとチームの課題を、チームリーダーだけでなく、メンバー全員が把握できました。
阪森:それで結構みなさんエンジンかかり直せるんですか?
今井:かかり直しましたね。
阪森:プロダクトではなく人のレビューをするというのは意外でしたね。ちなみに、このオフィスで、今何名くらいいらっしゃるんですか?
今井:40人強くらいですね。平均して、月に二人ぐらい増えています。辞める人が非常に少ないので、純増しています。
誰にも辞めて欲しくないので、嬉しいことなんですが(笑)
阪森:どんな工夫されてるんですか?
今井: やっぱり、DeNAとオラクルが好きなので、あの時自分たちが、上司にやって貰っていた事をしっかりやる、という事をやっています。二社とも、社員をめちゃくちゃ大事にする会社なので。
代表的なところでは、四半期に一回、目標管理シートを書いてもらって、レビューしています。そこには、「売上を出します」という事ではなく、「こういう新しい仕事に挑戦したい」とか「こういうスキルを身に付けたい」みたいな事、会社の事を一旦忘れて、本当に自分がやりたいと思っている事を書いてもらいます。
で、それがORATTAにとっても実現して欲しい事だったら、会社として本気で応援する。例えばジョブローテーションする、例えばプロジェクトを立ち上げる、というやり方を採っています。
あとは、仕事を通じて育ってもらう。成長しているという実感を得続けてもらうということを大事にしています。とにかくやったことのない仕事、できるかどうか分からない仕事をしてもらう。そのために、チームローテーション、ジョブローテーションを積極的に、時には無理やり実施する、という事もしています。
途中で「やりたい事ができちゃったから会社辞めます」みたいな人はあまりいませんね。
是非会社に遊びに来てほしい
阪森:まだまだお聞きしたいことがあるのですが、時間もなくなってしまいましたので最後にゲーム業界で転職を考えてる方に向けて一言メッセージをいただけますか?
今井:はい。ORATTAは、技術を背景とした会社であり続けたいというコンセプトがあり、それを実証する事として、現役エンジニアの社長を経営判断の軸に置いているというところがあります。技術にコミットしたい、技術的に尖ったことをしたいエンジニア、そういう人たちと一緒に働きたいディレクターやデザイナーの方は、是非ORATTAを職場に選んで欲しい、と思います。
あとは、僕らはまだまだ若い会社で、本当にメンバーと一緒に成長してきた会社ですので、採用は、一緒に船に乗る仲間を探しているような感覚があります。どうせ就職、転職するのであれば、短期的なステップアップだけでなく、自分のキャリアを一緒に考えていけるような会社で働きたいと思っている人は、是非、遊びに来て欲しいなと。
阪森:まずは遊びに(笑)
今井:そうですね。やっぱり、でかい会社ではないですが、代わりに、凄く気軽に、中のメンバーだったりとか、職場環境とかを、見てもらえる手軽さがあります。あまり悩まずに、気になったらアポイントを、ぐらいの感覚で来てもらえると凄く嬉しいですし、凄く歓迎します。
「技術力、技術力」と言ってはいますが、元々スキルがある経験者の方ばかりを雇っているという訳ではなくて。働き方とか、学びたい意識が強い方と働きたいという「マインド採用」なので、遊びに来て頂いた方が良いですね、はい。
阪森:遊びにいきたい!という方はこちらまで!
recruit@oratta.net
本日はありがとうございました!
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