カフカの変身

カフカの変身

パブリッシャー MazM (Story Games)

ジャンル ビジュアルノベル・サウンドノベル

価格 基本プレイ無料

文学の秋。カフカの超有名短編小説「変身」原作の感傷的なショートストーリーアドベンチャー

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カフカの変身

父親によって生涯苦しめられたフランツ・カフカの苦悩が描かれている。

フランツ・カフカとグレゴール・ザムザ、二人の苦悩する青年

「カフカの変身」は古典文学を題材にしたノベルアドベンチャー

カフカが「変身」を執筆した1912年の秋を背景にしており、作家として生きたいという願望と、若者、会社員、長男としての役割を強いられる人間としてのカフカの姿を描いている。

古典文学だが、何者かになろうとする若者の姿は100年後の今も変わらない。とっつきやすいので遊んでみよう!

ショートフォームビジュアルノベルゲーム

カフカの変身

妹だけは理解者だったのだろうか。

簡単なタッチ操作でストーリーと選択肢から行動をとり物語を読み進めていく。

難解な操作はないし、速く短いテンポで進行するので文学という言葉に敷居の高さを感じる必要もない。

「カフカの変身」の特徴は古典文学の「再解釈」

カフカの変身

BGMがクラシックなのも荘厳さがあってよい。

名作を題材にするのではなく、作者本人を主人公に配置し、苦悩や父との軋轢を描くストーリーがなかなか斬新だ。

今でいう「文学青年」、もっと言えば「陰キャ」なカフカの姿には何かしら共感してしまうところがある。そういう意味でも現代にも通ずる普遍的な人間の姿を描いていた。

文学を「再解釈」するという試み。

カフカの変身

カフカの心の闇は赤文字で描かれる。

なぜ「変身」を書くに至ったか、そして、同氏が書き上げた「変身」にはどういった意味が込められているかを再解釈しようという試みには意義があると思う。

そしてそれをゲームという、誰でも親しみやすいフォーマットに落とし込んだのも素晴らしい。漫画的な感情表現がチープに感じたけど、いたしかたないか。

ゲームの流れ

カフカの変身

小説家を目指す若者、カフカは虫になる悪夢を見てしまう。

そしてそれは高圧的な父親との不仲がもたらすストレスによるものだった。

カフカの変身

文学作品とはいえ、マンガ的な演出が施されているので読みやすい。

また、一章ごとにサクっと読めるボリュームに分割されている。

カフカの変身

古典文学作品をゲームを通じて紹介するという「MazM(メジュム)」シリーズ。

初期作品「ジキル&ハイド」は600万ダウンロードもされている。

カフカの変身

ノベルゲームとしてはグラフィックはややチープに感じるかもしれない。

だが、さすがにテーマや内容はしっかりしている。さすがだ。

カフカの変身

生きづらい自分は、あまたの文学作品に己の不甲斐なさを救済されような感覚があった。

なので、こういう文学をきちんと娯楽にしてる作品には、感謝のようなものを感じるのだ。

「カフカの変身」の序盤攻略のコツ

カフカの変身

読み進めるだけなので難解な操作はなし。

とくに難しいことはなく、テキストを読み進め行動を選んでいけばオッケー。

課金要素である「MazMメンバーシップ」は月額制。さまざまな追加コンテンツが楽しめるようだ。気になった人は検討してみよう。

カフカの作品を呼んでみよう

カフカの変身

面白いと思ったら課金を検討してみても。

本作は「変身」「判決」以外に「城」「審判」といった長編や短編集、日記や手紙なども参考にしているという。

ゲームを通じて出会ったカフカの作品を実際に読んでみるのもオススメだ。Wikipediaを読むだけでもだいぶ背景を考察できるぞ。そういや、俺、文芸学科だったわ。