Kingdom Eighties(キングダム・エイティーズ)
Raw Fury
国づくりシミュレーションゲーム
Android:720円 iOS:700円
80年代のエモさ満載!思春期の不安が詰まった敵・グリードと少年達との戦いを描くディフェンスゲームダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
80年代を舞台に少年たちの王国を作り上げる国造りディフェンスゲーム
「Kingdom Eighties(キングダム・エイティーズ)」は、80年代アメリカを舞台に、少年たちの王国を作り上げる国造りディフェンスゲーム。
「Kingdom」という名前が示す通り、本作は王国建設ゲーム「Kingdom」シリーズに連なる作品。これまでのシリーズの舞台は剣と魔法のファンタジー世界で、君主として王国を建設するという内容だった。
しかし本作の舞台は80年代アメリカという現実的な世界観。となるとミリタリーものか…と思ってしまうが、いやいや違う。
本作の主人公は少年たちで、王国という名のキャンプ地を築きつつ、現実を侵食する謎の魔物・グリードと戦うのだ。
つまり、「ストレンジャーズ・シングス」のような80年代アメリカ×ファンタジーが本作の世界観。80年代アメリカの再現には力が入っており、BGM&ムービーパートはヴェイパーウェイヴ風、そして少年たちが協力して戦う展開は「グーニーズ」や「スタンド・バイ・ミー」風…と、とにかくエモい!
コインでチビちゃんを雇おう!そして王国を建設
基本的なゲームシステムはこれまでと大きく変わらない。昼の間にコインを使ってユニットを増やし、武器や建設道具を生産するとともに、施設の建設を指示を行えばOK。
王国(=キャンプ)は柵を境界として外と中が分かれている。王国外の木を切り倒すことで、より外側へ柵が建設可能となり、領地が増えていく。
ただしグリードが襲ってくるため、夜は必ず王国の中へと避難しよう。
ちなみにこれまでのシリーズでは、ユニット=国民で、コインを使って難民を国民にしていくというかたちだった。しかし本作は80年代の少年たちが主人公なので、幼いお子ちゃまたちを、コインで自分たちの仲間に変えていくというかたちになっている。
さあ没入しよう!ここは80年代アメリカ
本作は有料の買い切り型ゲームとなっており、動画広告の表示や追加課金といったものは用意されていない。
この判断、個人的にナイスだと思う。
ここまで気合い入れて80年代アメリカを再現しているのに、動画広告で現代のスマホゲーの動画を見せられたら一気に雰囲気ぶち壊しだもんね!
「Kingdom Eighties」の魅力は80年代の雰囲気…それは少年時代の思い出…!
本作をプレイして筆者は、「こんな見せ方もあったのか!」とめちゃくちゃ驚いた。
ディフェンスゲームの世界観の定番と言えば、剣と魔法のファンタジーかミリタリー、あるいはゾンビといったところだろう。ディフェンスゲームのシステムがバトルを前提としているため、世界観も、戦闘員VS戦闘員という構図が求められる。
この点で、80年代アメリカの少年たち…という世界観は、戦闘員VS戦闘員という構図を成立させにくい。
だが本作は、敵であるグリードを、思春期の少年たちが抱える不安の化身として描くことで少年VS少年の構図を作り上げてみせた。
この発想の妙が優れた演出と融合することで、本作は非常に新鮮で魅力的な世界観を作り上げている!
そこは80年代アメリカ!ヴェイパーウェイヴ
本作のBGMはシンセサイザー(シンセ)を使った、ややレトロな楽曲ものになっている。
この楽曲のジャンルはヴェイパーウェイヴという。ヴェイパーウェイヴは、80年代の消費文化をテーマとしており、シンセを使った音楽と、80年代日本風アニメーションをあわせて表現することが多い。
本作のBGMがシンセ楽曲なのも、ストーリー紹介にレトロなアニメーションムービーを採用しているのも、このヴェイパーウェイヴを意識してのものだろう。
つまり本作は、単純に80年代アメリカを世界観とするだけでなく、細部の演出まで含んで真正面から80年代アメリカを描こうとしている。
年代に応じて共感できる!思春期のあの不安感
ヴェイパーウェイヴ的な演出だけでなく、少年たちの絆というテーマも、80年代アメリカっぽい空気を持っている。
というのも80年代を舞台としたアメリカ映画に、年たちの絆を描いた傑作が多いから。映画好きなら「グーニーズ」(1985年)「スタンド・バイ・ミー」(1986年)といった名作をイメージせずにはいられないだろう。
では本作は、80年代に思春期を過ごしていないと楽しめないのか?いや、そうではない。
ネットフリックスの連続ドラマ「ストレンジャーズ・シングス」(2016年~)がその証左となるだろう。「ストレンジャーズ・シングス」は80年代アメリカを舞台に、少年少女と怪異との戦いを描いた、本作と近い世界観を持つ作品だが、大きなヒットを遂げている。
では何が多くの人の心を打つのか?それはきっと、思春期における不安との戦いは、普遍的なものだからではないだろうか。
確かに現実世界にドラゴンやゴブリンといったモンスターはいない。しかし思春期には、進路、友人との関係、いじめ、恋愛、親との関係…とった不安との戦いが存在している。
何を不安に思うかは人それぞれだろう、ただ、子どもから大人へ成長する中で、人生で初めて遭遇する出来事と出会い、不安を抱きつつもそれを乗り越えなければならない…というのは誰しもの人生に共通しているはず。だからこそ、共感できる。
本作ではゲームを通してこの不安を描いている。たとえば、主人公であるリーダーは家族との関係に問題を抱えているがゆえに、グリードによって帰宅手段(=カヌー)を奪われた。その友人たちも同様に、心の問題がグリードというかたちで顕在化している。
現在思春期を過ごす年代の人なら、こうした本作のストーリーを等身大のものと思えるだろう。そして筆者のように、思春期を通り越した人間にとっては、80年代の懐かしさとと、少年のころの気恥ずかしさとが入り混じったものとして感じられる。
つまり、年代に応じて心の異なる部分を動かされるわけだ。
ゲームの流れ
本作のストアページは日本語訳されていないが、ゲームそのものは完全に日本語に対応しているぞ。メニューなどのテキストはもちろん、登場人物のセリフまですべて日本語に対応している。
難易度を選んでゲームをはじめよう。初プレイなら、デフォルトの「まぁふつう」がベストとのこと。
ゲームはレトロなアニメーションムービーからはじまる。自転車に乗って何者かから逃げる主人公。
自転車だとかスリングだとか、この時点で「グーニーズ」感が強くてイカス。「グーニーズ」、定期的に見返したくなるいい映画だよなー!
ムービーが終わると、画面がピクセルアートに変わってチュートリアルスタート。妖精が超フランクにゲームの操作方法を教えてくれるぞ。
「立って」と言われる場所に立って、コインを消費しよう。コインは下スワイプで使えるぞ。
ゲームは、お子ちゃまを増やす、お子ちゃまに木を切ってもらう、施設を建てる…といったかたちで進んでいく。お子ちゃまを増やすには、お子ちゃまの前でコインを落とせばOK。画面タップでコインを落とせるぞ。
なお、コインはお子ちゃまが木を切り倒したり、狩りをしたりすることで獲得できる。
順調に木を切り倒して領地を拡張していくと、グリードが出現するホールへ至るハズ。近づくと昼でもグリードが出現するので、このホールを見たら引き返そう。
なお、主人公がグリードに接触すると、コインを奪われてしまう。注意しよう。
「Kingdom Eighties」の攻略のコツは守りを固めつつ左右に拡張すること
本作スタート後、拠点や柵を順調に強化していくと、あるレベル以上強化できなくなってしまう。ここで、この先どう進めればいいのか迷ってしまう人もいるだろう。
確かに守りは固まったものの、次はどうすれば?
その答えは左右への拡張。左右の木を切り倒し、さらなる柵を立てることで、自国の領地が広がっていくぞ。
左右の木を順番に切り倒す!領地を拡張しよう
領地から左右に木を切り倒していくと、明るい領域が増えていく。そして、さらに奥の木も倒せるようになっていくぞ。
木を倒していくと、やがて新たな柵が建設できるようになる。
ここで柵を建設すると、柵の手前まで領地が拡張。新たな施設が建設可能になるとともに、ストーリーも進むぞ。
拠点の左右がストーリーと絡んでいるので、どちらかではなく両方拡張していこう。
最も重要なのは守り!柵と弓を充実させよう
ストーリーと絡んでいるのが木であれば、木を切り倒すことを最優先にしたい。だが、夜になるとグリードが攻めてくることを忘れてはならない。
グリードへ対抗するためには、侵攻を防ぐための柵と、迎撃するための弓が必要。
そして、木を切るためにも、柵を強化するためにも、弓を作るためにも、いずれにしてもコインが必要になる。すべてを優先することはできない。
そこで、まずは柵の強化を行い、次に弓の数を揃えよう。そして守りが万全になったら、木を切り倒す…という流れがオススメだぞ。