Cluedo: Hasbro’s Mystery Game+(クルード:ハズブロ・ミステリーゲーム+)

Cluedo: Hasbro’s Mystery Game+(クルード:ハズブロ・ミステリーゲーム+)

パブリッシャー Marmalade Game Studio

ジャンル オンラインボードゲーム

価格 AppleArcade (月額900円 初月無料)

犯人はこの中にいる!館で起きた殺人事件解決を競う名作ボドゲがスマホ化!駆け引きが楽しい推理ゲーム

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Cluedo: Hasbro’s Mystery Game+のレビュー画像

館で起きた殺人事件。犯人はこの中にいる!真相を解明しよう。

殺人事件の犯人を推理する名作ボードゲームがマルチプレイオンラインゲーム化

「Cluedo: Hasbro’s Mystery Game+(クルード:ハズブロ・ミステリーゲーム+)」は、「クルー」や「クルード」という名称で知られる推理ボードゲームの名作をスマートフォンゲーム化した作品。

館で殺人事件が発生、犯人はこの中にいる…というミステリーでお決まりのシチュエーションが舞台。プレイヤーは容疑者兼探偵として他のプレイヤーとともにこの事件の解決を目指す。

他のプレイヤーより早く真犯人を告発できれば勝利!ただし、間違えてしまうとゲームオーバーなので、やみくもに告発することはできない。

正しく推理するために、正しい手掛かりを手に入れよう。そのためには、いかに他プレイヤーへ情報を渡さず、自分だけ情報を得るかという駆け引きが重要だぞ。

なお、元がボードゲームだけあってオンラインマルチプレイが前提だが、NPC相手のソロプレイも可能。推理を熱い駆け引きが楽しめるこのエキサイティングな名作がいつでもどこでもスマホで楽しめちゃう時代がくるなんて素晴らしいぜ…!

※本作品のiOS版はApple Arcade対応ゲームであり、月額600円のサブスクリプション課金が必要となります。

カードがすべてを示しています…!以上QED証明終了

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配られた手札=事件の手掛かり。これらは事件に関わっていないということ。

本作で事件にかかわる要素は3つ容疑者凶器館の中の部屋

いずれもカード化されており、ゲーム開始時に各種1枚ずつ封筒に入れられる。この封筒に入れられたカードこそ、真犯人、犯行に使われた凶器、犯行現場。そして、封筒に入らなかったカードは、各プレイヤーへと配られるぞ。

ゲーム進行はターン制で、自分のターンが来たらサイコロを振って館内を移動。館内の部屋に入ったら、その部屋の調査が行える。

調査は、その部屋で犯行を行ったと思われる容疑者使ったと思われる凶器を選択して他プレイヤーに質問するというかたち。この時、もし容疑者や凶器を手札内に持っているプレイヤーがいたら、質問者へ開示しなければならない。

つまり、質問を繰り返すことで他プレイヤーの手札情報を入手してい。情報入手を積み重ねて各プレイヤーの持つカードがすべて分かれば、消去法で封筒の中のカードが判明する。そうなれば、名探偵エラリークイーンよろしく、「以上QED…証明終了!」と真犯人を告発する段階!

ターン最後に「最終追求」を選び、真犯人と犯行に使われた凶器、犯行現場を選択しよう。間違えるとゲームオーバーだが、見事正解すれば勝利が確定する…!

AppleARCADE加入でプレイ可能!嬉しい反面デメリットも

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ソロでもマルチでもプレイOK。いつでもどこでも楽しめるのが純粋に嬉しい。

本作は月額制サブスクリプションのApple Arcade作品としてリリースされている。このため、追加課金や広告などは一切なし

本作は長年にわたって名作として繰り返し発売されてきた作品なので、内容のおもしろさは折り紙付き。なので、筆者のようにAppleArcadeに加入している人間や、他にAppleArcadeでお目当てのゲームがあるというプレイヤーにとっては喜ばしいこと。

ただ、AppleArcadeだとプレイヤー人数が伸びないため、他プレイヤーとプレイしづらいというのはデメリットだろう。

「Cluedo: Hasbro’s Mystery Game+」の魅力は推理と情報獲得を巡るアツい駆け引きがいつでもどこでも楽しめること

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封筒に入るカードはプレイごとに毎回変わるので、何度でも新鮮なドキドキが楽しめる。

いつの時代も人は謎に惹かれるもの。脱出ゲームは常に一定の人気があるし、「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」みたいなソロプレイ向けのミステリーアドベンチャーゲームも、昔からコンスタントに発売され続けている。

また、アナログゲームに目を向ければ「人狼」「マーダーミステリーゲーム」なども人気。

ただこうしたミステリー系ゲームの欠点は、真のおもしろさは一度しか体験できないという点だろう。一度プレイしてしまえば事件の真相がわかってしまう。そうなると、最初のドキドキ感は味わえない。

「人狼」や本作は、この「一度しかプレイできない」という欠点をゲーム的な工夫で乗り越えようとした作品だと思う。

そして「人狼」は会話という点におもしろさを見出したが、本作は情報獲得を巡る駆け引きという点におもしろさを見出している!

魅力の肝は情報戦!そういやウチのかみさんがね…

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正解を追い求めるだけでは勝てない。いかに自分だけが情報を獲得するかが重要。

ぶっちゃけ、本作のルールを見ただけでは何がおもしろいかわからないだろう。というのも、サイコロを振って移動と質問を繰り返せば、最終的に情報が集まって誰でも封筒内のカードを特定できてしまう。これではまるで作業ゲー、あるいはサイコロの出目まかせの運ゲーではないか!

だが違う。本作の醍醐味は、情報のやり取りを巡る駆け引きにある。

どこにそんな駆け引きがあるのか。それは「プレイヤーの質問時、もし容疑者や凶器を手札内に持っている他プレイヤーは、質問者へ開示しなければならない」というルールに宿っている。

実はこの時、質問者へ開示するプレイヤーは参加者内の1人でよく、開示するカードも1枚で構わない。なので、一度公開済みのカードを開示すれば、他のカードがあっても公開しなくてOK。余計な情報を他プレイヤーに与えずに済む

また、自分の質問に対しては、カードを開示する必要がない。このためブラフが活きてくる。

たとえば、自分の手札に容疑者スカーレットのカードを持っているとき、あえて質問時に「犯人はスカーレットだと思う」と言ったらどうだろう

この質問は、一見意味がない。なぜなら、基本的に質問は他プレイヤーの手札を確認するために行うものなのに、他プレイヤーの手札情報は一切手に入らないから。

ただ、この質問を行った場合、「スカーレットのカードは私が持っているよ」と手札を見せるプレイヤーは出てこない。ということは、他プレイヤーに「スカーレットが真犯人の可能性は高い」と思い込ませることができるということ!

もちろん、この戦術を知っているプレイヤーは、あえて質問時に自分の持っている手札を含めているかもしれないと疑うことだろう。そこで、もし相手が疑う可能性が高いと思うのであれば、ブラフを使わず正攻法で質問する。そう、つまりは駆け引き!

刑事コロンボが容疑者に質問をする際「ウチノかみさんがね…」という身内ネタで相手の警戒心を解いたり、はたまた「相棒」の杉下右京が話題終了と見せかけ「最後にもうひとつだけ…」と意表を突いたりするような、質問を巡る高度な駆け引きが本作のおもしろさなのだ。

そして誰もいなくなった…?犯人が自分ということも

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容疑者の中には自分のキャラも。そして自分が犯人の可能性も十分ある。

ちなみに、本作をひとつのミステリー作品としてみた場合、人によっては若干納得のいかない部分があるかもしれない。それは、自分の担当キャラが犯人に含まれる場合があるにも関わらず、プレイヤー自身はそのことに気づけないということ。

これは「人狼ゲーム」の狼役や「マーダーミステリーゲーム」の犯人役とは違う。狼役や犯人役はいずれも担当プレイヤー自身、自分が狼や犯人であることを認識している。

しかし本作の場合、ゲーム開始時にカードを伏せたまま無作為に封筒へ入れる都合上、プレイヤー自身が知らぬまま、自分の選択キャラクターが犯人になってしまうというケースが発生しうる。

なので、プレイする際には「自分が真犯人かもしれない」というこを考慮しなければならない。まあ、記憶喪失設定のミステリーなら、「もしかすると自分が犯人かも…」というケースはあり得るだろうが、本作を古風ゆかしき本格ミステリーととらえるなら、ちょっと違和感が生じるかも。

とはいえ、古典ミステリーの中にもアガサ・クリスティーの記した「そして誰もいなくなった」のように全登場人物が被害者化してしまう作品もあるくらいだし、なんとか脳内で補完することをオススメしたい

ゲームの流れ

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1人でのNPCとの対戦、オンラインマルチ、友達との対戦からモードを選ぼう。

駆け引きが重要なゲームなのでやはり対人対戦の方がおもしろいが、暇なときに1人でプレイするのも楽しい。アナログのボードゲームだと、出したり片付けたりが面倒くさいからなかなかソロではプレイしないけど、本作だと気軽にプレイできるのがありがたい!

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続いてキャラクターを選ぼう。スカーレットやグリーンなど、原作ボードゲームのキャラクターが様々なタッチのイラストで登場する。なんか、フランケンシュタインの怪物みたいなイラストもあるぞ…?

ちなみにキャラクターやイラストによって有利・不利が変わることはない。本作のキャラクターにはスキルやパラメーターのようなものはなく、どのキャラクターを選んでも性能は同じになっている。

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手札が配られゲームスタート!まずは手札をチェックしよう。ここに存在するカードは事件にはかかわっていない。あとは他のプレイヤーがどんな手札を持っているか…?

真犯人や事件に使われた凶器が何かを考える前に重要なのが、いかにして他プレイヤーから手札の情報を聞き出すか。そのために活用できるのが自分の手札だぞ。

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質問すると、「誰もあなたを助けることができませんでした」との表示。何やら自分が不利な状況に置かれたかのように見えるが、これは素晴らしいシチュエーション!

本作では、質問に対して他プレイヤーが手札を公開することを「助ける」と表現している。つまり、「誰もあなたを助けることができませんでした」とは、誰も手札を公開することができなかったということ。すなわち、誰も手札に持っていない=自分の選択したカードは、封筒の中に存在するということになる。ということは…真相に至ったということ!

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真相に到達したら、「最終追求」を選択。質問と同じように容疑者、凶器、犯行現場を選ぶと、封筒の中のカードと照合される。

全部一致していたら勝利確定!もちろん、全部一致しているハズ。じっちゃんの名にかけて…!

セ「Cluedo: Hasbro’s Mystery Game+」の攻略のコツは情報の価値に注目すること

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正しい答えを推理するのは大事。でも勝つためにはそれ以上に駆け引きが重要。

本作をプレイする場合、慣れないうちは真犯人や凶器、犯行現場の推理を重視してしまうことだろう。

もちろん最終的には真犯人・凶器・犯行現場を正しく指摘しなければならないので、推理そのものは重要といえる。ただ、勝つために重要なのは、情報を巡る駆け引き

この駆け引きで重要となるのが、情報の価値という観点だぞ。

刑事の常識?足で稼ぐ情報は価値が高い

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質問時、場所の項目は部屋によって固定。変更するには移動しなければならない。

ミステリーには、「アームチェア・ディテクティブ(安楽椅子探偵)」という言葉がある。現場に赴かず、話だけを聞いて推理する探偵のことで、シャーロック・ホームズは兄であるマイクロフトに対して、「探偵の仕事が安楽椅子で推理することに終始するのであれば、もっとも偉大な探偵だろう」と語っている。

確かに、安楽椅子に座って話を聞いただけで犯人をピタリと当てるのはカッコいい。とはいえ、現実ではそうはいかない。価値ある情報というのは現場を捜査しなければ手に入らないもの。

だからこそミステリーではたびたび、靴底すり減らして捜査を行い、足で情報を稼ごうとする刑事VS探偵のような対立が起こるのだろう。そして、本作においては刑事側に軍配が上がる。

というのも、容疑者、凶器、犯行現場のというカードの中で犯行現場だけが特殊な扱いになっているから。犯行現場については、実際に館内のその部屋へ行かなければ指摘することができない

このため、犯行現場についての情報は、容疑者や凶器と比べて獲得するのに手間(=ターン数)がかかる。言い換えるなら、犯行現場についての情報は他の情報より価値が高い

これを踏まえると、手札内からカードを開示しなければならない場合、犯行現場よりも容疑者や凶器の情報を先に開示したほうがいいということになる。

ワトソン君,君が記録しておけ!記録機能を活用

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赤×は誰もカードを出さなかった項目。チェックは他プレイヤーがカードを出した項目。

名探偵シャーロック・ホームズの助手&親友であるワトソンは、ホームズの捜査情報をメモしていた。やはり捜査情報はしっかり記録するのが重要

でも、自分でする必要はない。ボードゲーム版では専用のメモ用紙にプレイヤーがペンで記入するかたちだったが、スマホ版の本作ではなんと自動メモ機能が存在。容疑者、凶器、館内の部屋といった各カードのうちあきらかに真相じゃないものには自動的に打ち消し線を入れてくれるし、質問時に他プレイヤーが出したカードにはチェックをつけてくれる。

このため、自分が質問する際にはまずこのメモをチェックしよう。また、「こいつが真相の可能性大!」とにらみを付けた項目にはタップで〇印をつけるのがオススメ。

しっかり記録を残すことで、ケアレスミスを防ぐことができるぞ。