Night Book(ナイトブック)
Wales Interactive Ltd.
ホラーアドベンチャーゲーム
基本プレイ無料
古代の書物から悪魔が召喚される!?ハイクオリティな実写で描かれるスリラー系ムービーアドベンチャーダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
古代の書物を巡る怪奇現象を描いたインタラクティブスリラー
「Night Book(ナイトブック)」は、古代の書物を巡る怪奇現象を描いたムービー型のアドベンチャーゲーム。配信元はインタラクティブスリラーと銘打っている。
通訳を仕事とする主人公・ロラリン(Loralyn)の元に舞い込んだ一件の依頼。それは、依頼者が購入検討中の品について、本物かどうか確認するための商談を通訳してほしいというものだった。
その品とは、一冊の書物。カンナー語と呼ばれる一部の地方でしか使われていない言語で書かれており、この世に3冊しかないのだという。
カンナー語を学んでいたロラリンは、通訳中、書籍内の1ページを読み上げてしまう。このことが、怪奇現象のきっかけだった…!
ハイクオリティな実写ビジュアルと、丁寧に作られたスリラー演出が魅力的な作品だぞ。
操作はシンプル!タップで選択肢をチョイス
プレイヤーが行うことは、選択肢を選ぶこと。これだけ!
ムービーを観ていると、時折選択肢が表示されるので、タップで選択しよう。
また、画面右上の一時停止ボタンをタップすることでムービーを一時停止し、ロラリンと他の登場人物との人間関係を確認することができるぞ。
ちょっと短い…?無料部分は冒頭まで
本作は途中までは無料でプレイできるが、エンディングまでプレイするには課金が必要。価格は2021年8月現在で610円となっている。
個人的には、本作のクオリティを考えるとこの価格は妥当だと思う。ホラー映画やホラー小説を鑑賞する感覚で購入可能かなという感覚。
ただ、いくらなんでも、無料部分が短すぎる…!何せ、無料部分では古代の書物の登場しない。さしたる怪奇現象も起こらず、通訳の女性が日々悩んでいる様子が描かれるだけ。
これじゃあ本作がどんな作品なのか、無料部分で判断できないよ…!
「Night Book」の魅力は丁寧に作られたスリラー演出
本作のプロデューサーはこれまで、「The Complex」などのインタラクティブムービー作品を手がけてきており、作中の登場人物としてキャスティングされているのも映画俳優。
なので、本作のビジュアルクオリティが高いのも頷ける。ちょっとした感情の機微を巧みに微妙な表情の変化で見せる演出などは、実写ならではだと感じた。
ただ、ビジュアル表現が高いだけではなく、スリラー的な演出も丁寧に作られている。この点が本作の魅力といえるだおる。
映像はPCごし!モキュメンタリー的臨場感
ハラハラドキドキするスリラージャンルでは、臨場感が重要!映像が他人事に感じちゃったら、ハラハラドキドキなんてしないもんね。
この点を本作が巧いのは、PCごしの映像という見せ方。作品中の映像は、ロラリンのPCのWEBカメラの映像で会ったり、ビデオチャットの映像であったり…という形で描かれている。
ムービーを見ているというより、ロラリンのPCをのぞき見しているような感覚になるため、映像の現実感が強い。
映画でいうと「パラノーマルアクティビティ」のような、モキュメンタリー映画(=ドキュメンタリー風に撮った作品のこと)的な臨場感が味わえるのだ。
徐々に追い詰められるロラリン!巧みなスリル演出
スリルとは、危険が訪れる様子を少しずつ段階的に描く手法。いうなれば、ジェットコースターで一段ずつガタン、ガタン…と上がっていくようなもの。
本作の無料部分は短いと書いたけど、実はこの無料部分、スリラー的な楽しさはしっかり持っていて、ロラリンが徐々に追い詰められていく様子にゾクゾクする。
ロラリンは、通訳の仕事のステップアップを望んでいるものの、上手くいっていない。また、精神的な疾患を持つ父親を抱えており、この父親が出す騒音も悩みのタネ。
一方、恋人との結婚を控えていて妊娠もしているが、こちらも冒頭で暗雲が立ち込めてしまう…。つまり、短いと書いた冒頭無料部分だけでも、ロラリンが八方ふさがりな状況に追い詰められていく様子がしっかり描かれている。
この上でさらに、古代の書物の呪いですよ!
悪い出来事がこれでもかこれでもかと主人公を襲う状況は、たとえ恐怖表現がなくとも「呪い」を感じずにはいられない…。
ゲームの流れ
タイトルで「ニューゲーム」をタップすると、ゲーム冒頭部分からプレイできるぞ。
2回目以降のプレイで続きからプレイする際は、「続きから」を選択しよう。
主人公、ロラリンがPCにログインし、カメラの映像が再生される。我々プレイヤーが登場人物を目にするのは、基本的にこのPCごし。あるいは、スマートフォンなど何らかのカメラ越しとなっている。
PCの映像には冒頭からノイズが混入。大きな恐怖演出が発生するわけではないものの、なにか、この世ならぬ力を感じずにはいられない…。
一時停止ボタンを押すと、ロラリンと各キャラクターとの人間関係を確認できる。
人間関係は、ストーリーが進むことで変化。キャラクターも追加されていくぞ。
ここからは課金後のシーン。古代の書物を読み上げた直後、とうとう怪奇現象が発生。自分の部屋に閉じこもっていた父親が、異常な行動に出る。
とてもいいシーンなのでイチャモンつけたくはないのだけど、せめてここまでを無料部分にしてほしかった。現時点の無料シーンを見るだけでは、「古代の書物が引き起こす怪奇現象の物語」というコンセプトがまったくわからないので…。
怪奇現象について、古代の書物の購入を検討していたクライアントに相談するロラリン。しかし、彼自身もそこまでカンナー語に詳しいようではない様子…。ここから一体どうなっていくのか?
意味不明な古代の力という意味ではクトゥルフ神話モノ的なテイスト。それを「パラノーマルアクティビティ」のようなリアリティで仕上げてるので、思わず引き込まれちゃうぜ。
「Night Book」の攻略のコツはバタフライエフェクトのチェック
ゲーム的な側面だけに絞ると、本作の構造はノベルゲームと同様。選択肢があり、選択肢の選び方によって物語が分岐していくという構造を持っている。
そして、多くのノベルゲームと同様、その選択肢によって物語がどんな展開を迎えるのか、初回プレイ時にはわからない。
なので、できることは重要な選択肢を覚えておき、二回目以降のプレイに活かすこと!
物語に関わるか?バタフライエフェクト表示をチェック
本作で選択肢を選んだ際、バタフライエフェクトという表示が出現することがある。
基本的に、物語的に重要な選択…たとえば、「自分を部屋に閉じ込めろ」と言う父親に対して、実際に閉じ込めるか、それとも閉じ込めないか…といった選択を選んだ際に登場。
なので、基本的にはバタフライエフェクト表示の出てくる選択を重要なものとして覚えていこう。
ちなみにバタフライエフェクトとは、複雑な予測を行う際、非常に小さな影響によって、予測結果が大きく変わってしまうことを示した表現。おそらく本作でも、ちょっとした選択が、後々ストーリー的に大きな変化を与えるということを意味しているのだろう。
没入できる状況がオススメ!最低でも音声はアリで
なお、本作は、できる限り没入できる環境でプレイした方がイイ。
本作の日本語対応っぷりは過剰なレベルで、セリフのみならず、主人公の動作や効果音表現といったところまでナレーション表示してくれる。なので、音声オフで楽しむこともできるのだけど、一気に臨場感が落ちてつまらなくなる。
また、できる限り大き目のスマートフォン。可能であればタブレットなどでプレイするのがオススメ。
なにせ、画面に映っているのはPCのデスクトップだし、俳優さんの細かな演技が魅力の作品なので、大画面の方がより本作を楽しめるぞ。