South of the Circle(サウス・オブ・ザ・サークル)

South of the Circle(サウス・オブ・ザ・サークル)

パブリッシャー State of Play Games

ジャンル アドベンチャーゲーム

南極で遭難した主人公が向き合う過去の記憶!人物の感情をなぞりつつ物語を味わう文学的アドベンチャー

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South of the Circleのレビュー画像

南極で遭難した主人公・ピーターは救助を求めて基地を目指す…。

人物の感情をなぞるように物語を辿るアドベンチャーゲーム

「South of the Circle(サウス・オブ・ザ・サークル)」は、サバイバルをテーマにしたアドベンチャーゲーム。

舞台は1964年の南極。主人公・ピーターは飛行機事故に遭遇。命こそ助かったものの、足を骨折したパイロットと2人、氷点下の大陸で孤立してしまう。

この状況を打開すべくピーターは、基地を目指すことに。その中で彼は、過去の記憶と向かい合っていく。

文学的で奥深い味わいを持ったストーリーが魅力の作品だぞ。

アイコンをタップ!ピーターの感情をなぞろう

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画面右上に出ている赤い丸が会話などのアクションや感情の動きを示すアイコン。

ゲーム進行の基本はアイコンのタップ。会話シーンに合わせてアイコンが出現するので、長押しタップしよう。

タップすることで、ピーターが行動したり、その時ピーターの感じた気持ちが表示されたり…という仕組み。つまり、ゲームプレイを通じて、プレイヤーがピーターの行動や感情をなぞっていくというスタイルになっている。

また、シーンによっては移動が必要なことも。移動はスワイプによって行えるぞ。

ストーリーや演出は複雑!じっくり味わいたい作品

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様々な出来事に加えて感情の流れが絡む複雑なストーリー。じっくりプレイしたい。

本作はストーリーや演出が複雑で、じっくりプレイしないとよさがわかりづらい。

なので、広告ナシ・追加課金ナシで楽しめる月額制のApple Arcade作品としてのリリースはありがたい!

ただ、心に残る作品なだけに、手元に残せないというは残念でもある。ぜひ、手元に残せる買い切り型のバージョンもリリースして欲しい。

「South of the Circle」の魅力は文学的で奥深いストーリー

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極限状態の現代とは異なり、過去では大切な人であるクララとの出会いが描かれる。

ストーリーや演出が複雑と書いたのは、現在と過去が混ざり合うように進んでいくという本作の構成から。

もちろん、ただ複雑なだけじゃない。本作の複雑な構成は、奥深いテーマへと繋がっている。

ただ、本作はテーマを言葉やビジュアルでわかりやすく提示してはくれない。プレイヤー自ら能動的に感じなければならないのだ。

戦争とサバイバル!行き詰まりと愛

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基地に人がいない。パイロットは攻撃を受けたせいではないかと推測するが…。

本作の現在パートの舞台が、南極。ピーターは飛行機事故で遭難、単独で救助を求め探索しているという状況なので、テーマはもちろん、サバイバル

一方、過去はケンブリッジ大学が舞台。主人公は雲の移動経路に関する研究をしているものの、研究は行き詰まりを見せている。そんな中、出会うのが共同研究者となる女性、クララ。つまり、過去のテーマはだろう。

この現在と過去を繋ぐのが、戦争の陰。過去では、大学で共産主義を巡る運動が盛り上がりを見せる。一方、現在では基地に人影がなく、争った痕跡があることを発見。どちらの時代でも、背後のソビエト連邦の存在が見え隠れし始める…。

プレイヤーが能動的に味わう!文学的楽しみ方

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ストーリーを理解するためには、セリフだけでなく、登場人物の感情の動きも重要。

ストーリー上の出来事以上に本作で重要な意味を持っているのが、感情

登場人物の感情をリアルに表現するため、本作では映画『ボヘミアン・ラプソディ』に出演したグウィリム・リー氏をはじめ、名だたる俳優陣がモーションキャプチャーを担当している。

ただ出来事を追うのではなく、アイコンタップとともに能動的にピーターの感情へ寄り添い、想像することで、テーマがより明確に理解できるだろう。この楽しみ方、まさに文学作品を読んでいるかのようだ。

ゲームの流れ

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タイトルロゴもなく、ただ吹雪が吹き荒れるメニュー画面。

「プレイ」をタップするとゲームがスタートするぞ。セーブは自動的に行われる。

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吹雪の中、コントロールを失った飛行機が墜落。飛行機へかぶさるようにタイトルが現れる。

映画的で、とても印象に残るオープニング。

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パイロットは骨折し、飛行機から動くことができない。そこでピーターが救助を求めて外へ出ることに。

吹雪の中、かすかに見える赤い光を目指して進むピーター。光の場所に基地があるはず…。

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氷点下の南極を進むピーターは、いつしか過去の記憶の中へ。過去の世界では、後に共同研究者となるクララとの出会いが描かれる。

唐突に過去へ切り替わる場合もあるので、今がどちらの時代か、しっかり意識しておこう。

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過去の記憶から再び現代…現実の世界へと戻ってきたピーター。

救助を求めて赤い光へ。画面をスワイプして移動しよう。

「South of the Circle」の攻略のコツは感情のブレに注目すること

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ダイヤルを合わせるなどの操作が必要な部分もあるが、パズルというレベルではない。

本作をプレイしていて、進行に迷うことはほとんどないだろう。そういう意味では、攻略が必要な作品ではない

ただ本作を楽しむ上では、プレイヤーが能動的にストーリーを理解する必要がある。

感情のメッセージに注目!感情を見逃すな

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アイコンをタップした時、指で隠れて感情を示す文字が読みにくいのが残念。

既に触れた通り、能動的にストーリーを味わう上で重要となるのが、登場人物の感情

登場人物の感情は、演技を通しても描かれるけど、ピーターの感情についてはアイコンタップ時に文字としても表示される。

セリフを言っている時、ピーターがどんな感情なのか?見逃さないようにしておこう。

能動的に想像しよう!本作はプレイヤーの物語でもある

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文学を読み解くようにプレイすることで、本作のストーリーの味わいが見えてくるぞ。

本作は、ナラティブを狙って作られている。ナラティブとは、ゲーム内の文章で説明してしまうのではなく、プレイヤー自ら感じることを重視した見せ方。

たとえばナラティブゲームの金字塔的作品、「Playdeads INSIDE(プレイデッド インサイド)」は、セリフが一切登場せず、そのシーンが何を意味しているのか、プレイヤーが自ら感じたことがすべて。プレイヤーが感じたことが正解なので、物語は作品のものではなくプレイヤーのものともいえる。

本作には文章と音声によるセリフが用意されているものの、ストーリーの全体像がどうなっているのか、セリフがどんな意味を持つのかはプレイヤーが想像しなければならない。

だからこそ、感情のメッセージとともに能動的にイメージすることが、本作理解のカギ=攻略のカギとなるぞ。