Orwell: Keeping an Eye on You
Fellow Traveller
マルチエンディング脱出ゲーム
iOS:610円
SNSを監視しろ。電話を盗聴し、チャットを盗み見ろ。監視社会を描くディストピア・アドベンチャーダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
ビッグ・ブラザーがやってきた。それは、あなただ。
「Orwell: Keeping an Eye on You」は近未来の監視社会で、テロリストを探し出すアドベンチャー。
テロリストの可能性のある人物を監視するプログラム、「オーウェル」を使い、テロの容疑者を探し出していく。
市民のSNSを細かくチェックし、PCをハッキングし、メールを読み、テロを未然に防げ。なんとも風刺の効いた、そしてスタイリッシュな一作だぜ。
現代的な監視社会アドベンチャーが念願の日本語対応
ネット上の個人情報をも収集できる監視システム・オーウェル。プレイヤーはその監視システムのオペレーターとなって、テロ事件の容疑者を探りだしていく。
数々の受賞歴を持つディストピア・アドベンチャーが念願の日本語化対応。それもかなりの精度だ。
テーマは重く、難易度は控えめ、そして、スマホっぽい端末を操る操作感がたまらない。これは…今こそやるべき一作だ。
「Orwell: Keeping an Eye on You 」の特徴は強烈な社会風刺とプレイヤーが背負う重い責任
タイトルが示す通り、ジョージ・オーウェルの小説「1984」にも通ずる、国家による監視社会を描いた作品だ。
それも、プレイヤーが演じるのは、管理する側。その風刺はいっそうと強烈だ。
ポリゴンで描かれる人物はスタイリッシュだし、スマホやPCを模したゲーム画面をタッチするUIが現代的でかっこいい。
情報をタップやドラッグで集めていく操作性もよい。難易度もそこまで高くない。重ね重ね、日本語対応ありがとう。
プレイヤーの誤解が、他人の運命を大きく左右する
個人情報を盗み見し、他人のSNSなどから見つけたキーワードを犯罪となる証拠としてアップロードするのがプレイヤーの役割だ。
もちろん見過ごすこともできる。というのも、プレイヤーの責任はとても重い。提出した情報によって、容疑者たちの運命は大きく変わってしまう。
監視社会の恐ろしさをゲームで見事に描いた推理アドベンチャー。マルチエンディングだし、何度もプレイしてしまいたくなるな。
ゲームの流れ
テロ事件の容疑者の情報を探れ。警察の記録、本人のSNS、すべてを調査しろ。
迷ったら「目標」や「ヘルプ」の欄からやることを探すといいだろう。
この通知のポップアップなどもスマホとPCの間っぽくてかっこいい。
次々と新たな情報を画面下にドラッグしろ。それによって物語が進んでいく。
おっとホームページにSNSのアカウント発見。気分はネトスト。いやさ警察か!
反社会的な発言をしてるかどうかをチェックしろ。そしてすべてをインプットするんだ。
おっと警察官を殴った履歴を発見。容疑者はクロの可能性アリアリですな〜。
というわけで逮捕したのだが、無常にも新たな事件が発生してしまう…。
恐ろしいのは、本作で描かれる監視社会は、SFではなく、現代でも起こりうる、いや、すでに起こっているかもしれないということだ。
だからこそ、本作は面白い。緊張感も背徳感もある。そして危機感も感じる。こういうゲームに出会えて嬉しかった。
「Orwell: Keeping an Eye on You 」の序盤攻略のコツ
まずはハイライトされた文章を探そう。赤いチェックが入った項目からストーリーを進めていけるはずだ。
アップロードできる情報は青いハイライトが引かれる。新聞やSNS、恋人とのメッセージアプリ…全部をチェックして怪しい情報をインプットしていくんだ。
選択肢は慎重に
黄色いハイライトが引かれたものは、矛盾する文章があることを示す。つまり、そこの選択肢によって運命が変わるので慎重に選ぼう。
ゲームオーバーや劇的な分岐は無い。だが、プレイヤーの選択で物語は変わっていく。責任の重さを感じてくれ。この一級のプライバシー監視スリラーから。