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退屈な30日間に隠された世界の謎を解き明かせ
「Eternal」は女性宇宙飛行士が主人公の、宇宙船を舞台にしたSF短編アドベンチャー。
宇宙飛行士のハルは、史上最年少となる17歳で有人惑星探査を達成した。
宇宙船に搭載された人工知能のテラと、地球への帰り道の30日間の旅の中で、ハルは予期しない形で世界の秘密を知ることになる。
退屈になりがちな題材ながら、テンポよく進んでいく物語が魅力。宇宙船が不穏な雰囲気に支配される頃には、すっかりこの物語にのめりこんでいた。
予想の斜め上を行くSFストーリー
選択肢を選ぶことでストーリーが分岐する、サウンドノベル形式のアドベンチャーとなっている。追加課金やスタミナ制度、広告は一切なし。
オートセーブや既読スキップなどにも対応。選択肢の度にセーブするようにすると後々楽になる。
「Eternal」の特徴は怒涛の展開とテキストの筆力
宇宙船を舞台にした作品は面白い。言わずもがな「2001年宇宙の旅」、藤子不二雄「イヤなイヤなイヤな奴」萩尾望都「11人いる!」。
ゲームだと「LIVE A LIVE 」のSF編もサイコーだったなあ。
で!本作「Eternal」は、少女のモノローグと人工知能の会話がメイン。少女のあっけらかんとした表情や多彩なイラストも本作の魅力の一部だ。
30日の孤独な旅は、少女も読者も退屈に思わせる冒頭からはじまる。だが、そこから怒涛の展開を見せていくのだった…。
選択肢の緊張感と怒涛の展開
本作は選択肢が多く、それもあっという間に1日目からやりなおしになってしまう。
プレイヤーもそれをわかって、何度かのバッドエンドの末、30日まで生存させようとするはずだ。
しかし30日まで生き延びてから、また別の発見がある。物語はもう一度回転しはじめる。真実にたどり着くために。
テキストには素人臭くない筆力を感じた。3種類のエンディングはどれも正しく間違った終わり方。あっけない演出だからこそ、想像力をくすぐり続ける。
やや誤字があったのが残念ではあったが、数時間で終わるからこそ、短編としての読後感は非常に深く、選択肢を選ぶ緊張感を存分に味わえた。
ゲームの流れ
ストーリーの概要は上記の通り。オプションでメッセージ速度をいじっておくといいだろう。
ウインドウの透明度をいじれるのでイラストも堪能できる。なおシャワーシーンはぼやけたまま。あしからず。
宇宙船アムリッタの人工知能、テラ。彼(?)と少女、ハルの会話がメイン。
今思うと宇宙船のネーミングもまた大いなるネタバレだった。
バックログも読める。オートセーブもあり、セーブスロットは豊富。いいね。
だが、すべてを遡ることはできず、選択肢を選ぶ時はログを参照できない点に要注意。
「クビワ」これがどういう意味なのか。プレイすればわかる。バトロワ。
そしてそれはエンディングへの隠された道の鍵でもあるのだった。
本作の楽しさが選択肢の多さ。時おり選択肢が増え、少女の揺れ動く心境をうまく表現している。
一度30日生存した後、エンディングを見つけた頃、ボリュームの不足は感じなかった。
「Eternal」の序盤攻略のコツ
ネタバレしないように攻略のコツを書く。なかなか難しいものだ。だが、このレビューの節々に、エンディングまでのヒントは散りばめたつもりだ。
まずは30日生き延びてほしい。選択肢ごとにセーブし、ミスしたらロードを繰り返せば難しくはないだろう。そして、そこからが本当の戦いだ。
真実にたどり着け。それが幸福でなくても。
先に謝っておこう。選択肢ごとにセーブし、ロードすれば楽と書いた。だが、それだけだとエンディングにたどり着けない。作者の大いなるトラップだった。
お察しの通り、「クビワ」を外さなくてはいけない。一体このメモを書いたのは誰なのか。それがわかれば、物語はもう一巡し、真実にたどり着けるだろう。