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スマホゲー史上、もっとも切ないタイムスリップ
『フィフス・ディメンション~運命~』は悲劇に見舞われた家族を救うため、主人公のカイルが過去を旅するADVだ。
画面上にあるアイテムをタップして探索し、入手したアイテムを使うことで物語が進行する。
ゲームの難易度は低く30分から1時間ほどでクリアできる短編のストーリーは、ミニシアターでひっそりと上映するサブカル映画の雰囲気を醸し出している。
短いプレイ時間の中に詰まった「家族への愛」をその手で触れてみてほしい。
舞台は1918年。第一次大戦終結直後の戦地で
主人公のカイルがタイムスリップしてしまったのは戦争の傷跡が色濃く残る時代。
見慣れない旧式の戦車が列を成し、疲弊した兵隊たちが帰郷を心待ちにしている。
基本的にカイルは彼らを傍観する立場であり、実際に触れたり話しかけたりすることはできない。
目の前で繰り広げられる衝撃の展開を目の当たりにした時、本当にスクリーンを眺めているような気分になった。
ヘッドフォンをご用意ください
『フィフス・ディメンション~運命~』を立ち上げると、ヘッドフォンでのプレイをオススメされる。
遊び始めて5分もすれば、その理由がわかるだろう。
小鳥のさえずり、戦火の怒号、勇壮で物々しい音楽。
その一つ一つがスマホゲーであることを忘れさせる渾身の作品なのだ。
フィフス・ディメンション〜運命〜の魅力は一冊の小説を読み終えたような充足感
主人公のカイルがどうして過去に飛ばされたのか、という謎をはじめ『フィフス・ディメンション〜運命〜』は最後までプレイしないと物語の全貌が見えてこない。
なので「つまりどういうこと?」という疑問がクリアするまで頭を離れず、遊び始めたらラストまで駆け抜けてしまうはずだ。
プレイ時間が短いので、夜眠る前にゆっくりと物語に浸りたい時なんかは最適だろう。
僕らの大好きなお約束も詰まっている
ハリウッド映画の定番といえばヒーローが活躍して大団円になること、そして邦画の定番といえば滅びの美学とも言うべき悲劇的な最期だ。
戦地が舞台の『フィフス・ディメンション〜運命〜』では誰もが予想するであろう兵士が凶弾に倒れるシーンがしっかり設けられている。
その他にも故郷に帰ったら〜な定番の死亡フラグがしっかり演出されていて、いい意味で予想を裏切らない展開に安心して身を委ねられる。
映画のようなスマホゲーというより、そのままフィルムから抜き出したようなカットの数々に映画ファンは共感できるに違いない。
ゲームの流れ
主人公のカイルが久しぶりに帰ると、愛犬のマックスがお出迎えしてくれる。
そして家に入ると赤ん坊を身篭った奥さんが。しかし、どうにも様子がおかしい…。
エコーで胎児を調べても生命としての反応が無いという不思議な現象が起きているようだ。
なんとか奥さんを励まそうとするカイルだが、彼女は失意のどん底。
そんな時、突如としてカイルは別の時代に飛ばされてしまった。
1918年、第一次世界大戦終結直後の世界。終戦の報せを受けて帰路につく部隊に出くわしたカイル。
行く当てもなく彼らに付いていくカイルだが、どうやら兵隊たちの目にはカイルの姿が見えていないらしい。
アイテムを使ってトランシーバーを直したり、火を起こしたり。その行動によってストーリーは紡がれる。
部隊を率いる軍曹は葉巻を愛用しているのだが、これは〇〇のメタファーなのかなぁとかクリア後に考察したり。
行軍していくと、戦闘は終わったはずなのにゲリラによる奇襲が。スローモーションや特撮チックな爆発が映画っぽさに拍車をかける。
いずれ製作者、もしくはファンが実写で撮りそうな勢いだよなぁ…。
果たしてカイルの運命は?
フィフス・ディメンション〜運命〜攻略のコツ
謎解きらしい謎解きはなく、画面内にある矢印をタップして移動しながらシーンに適したアイテムを使用するだけの優しい仕様。
手持ちのアイテムをタップした後、適当に画面を押し回っていれば当てずっぽうで正解にたどり着ける。
それだと物語のテンポが悪くなるので、広告動画を見てヒントという名の答えを見てしまおう。
和訳の出来は満点では無いので、自分なりの解釈も必要
海外製ゲームの性か「この翻訳が本当に合っているのか?」と懐疑心を抱くような文章が散見される。
恐らくこういう事を言いたいんだろうなぁ、という脳内補完も幾ばくか必要だろう。
先行DL版なので、不具合をきたす可能性あり
2018年2月22日時点だと『フィフス・ディメンション〜運命〜』は本リリースではなく先行DLのβ版という扱いになっている。
筆者はラストまでプレイして不具合や欠陥に見舞われなかったが、プレイ環境によって予期せぬバグが起こりうるかもしれない。
その点だけは留意して遊んで欲しい。