【注目デベロッパー】もっぴん(麓旺二郎)〜世界的ヒットしたアクション「Downwell」。任天堂に引き抜かれた恐るべき才能

ライター高野京介がインディーデベロッパーを紹介するシリーズ。

今回は傑作アクション「Downwell」を発表し、一躍インディーデベロッパーの寵児となった若き天才、もっぴん(@moppin_)こと麓旺二郎氏を紹介したい。

Downwell〜爽快感とプレイスキルを要求されるスマホ随一の絶品アクション

Downwell

「Downwell」は果てしなく深い井戸を下っていく2Dジャンプアクション・シューティング。

靴型兵器・ガンブーツを駆使して、様々な武器を使い、銃撃と踏みつけを駆使して毎回地形の変化する奇妙な井戸の底を目指す。

ステージの構成やモンスターの配置は毎回ランダムに自動生成され、リプレイ性が高い。横穴には武器などが置いてたり、ショップで買い物をしたりできる。

ステージクリア時に取得するアップグレードもランダム性が高く、お金を稼いでお店でアイテムを買うローグ系の要素もある。レトロ風なやりごたえ抜群の難易度の硬派なアクションだ。

当時、様々なゲームイベントに出展され、大きな反響を得ていた本作だが、プレイしてみると、スマホでも損なわれないシンプルな操作性、プレイスキルを要求されるやりごたえ抜群の難易度、そして何よりガンブーツの浮遊感に魅了されるだろう。

「四の五の言わずに360円払ってこれをやれ。浮遊感、操作性、中毒性すべてが抜群」当時レビューした自分はそう書いた。これをやらないで何のゲームをするんだ、というくらいハマった。

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Downwellの魅力〜抜群の操作性と徹底したテンポ感のよさ

Downwell

「Spelunky」に影響を受けたという、浮遊感のある操作性は「洞窟物語」など伝説的なヒット作とも比肩する気持ちよさを誇る。コンボをうまく決められたときの快楽はひとしおだ(そしてその報酬もデカい)。

何より縦持ちでプレイする操作性と、底へ底へと落ちていくゲーム性はスマートフォンと相性抜群だ。少ない色でシンプルにまとめられたドット絵やBGMもセンスよく、踏めない敵が赤くなってるなど視覚的にもわかりやすい。

スマホゲームにしては高い難度もゲーマー魂をくすぐる。ランダムに生成されるステージや武器の配置、クリア時のドロップアイテムなど、運だけでは突破できぬ難易度が待ち構える。

4ステージ12エリア、次々と難度があがっていく。洞窟、地下墓地、水中…ステージごとにまったく違う戦術を要求される。特に最終ステージ「辺獄」の孤独感、絶望感はすごい。

ステージを走破したときの快楽も、次のステージのさらなる難度に打ちのめされる。それでも操作性や演出の気持ちよさに何度も何度もリプレイしてしまう。プレイヤー本人の上達こそがローグライク系ゲームの楽しみである事が伝わる。

このステージ構成はジャンプ・シューティングの魅力を最大限に引き出しているとも言える。だからこそ最後待ち構えるボスを倒した時の達成感、エンディング時の感動は非常に大きい。

ちなみにクリア後はさらなる高難度モードが待ち受ける。これで500円足らず。このセンスに触れないゲーマーは、性格悪い言い方を承知で言うともったいないと思う。

もっぴん(麓旺二郎)氏〜その経歴。学生が2ヶ月で作ったゲームが世界から絶賛を浴びるまで

たった一人の学生が、プログラムの知識も経験もない状態から、傑作を開発する。そのニュースに世界が湧いた。

もっぴん氏は東京芸術大学(声楽科)に在籍中、プログラムの知識も経験もない状態から、ゲーム開発用ツールでゲーム作りを開始したという。

GDC 2015のIndependent Games Festival(IGF)で学生部門で日本人初のノミネートを果たした。

Devolver Digitalから販売…そして世界的ヒット

Downwell

2015年、Downwellはインディー系パブリッシャーとして有名なDevolver DigitalからPC、iOSでリリースが決定。

※Devolver Digitalは「『Serious Sam」「はーとふる彼氏」「Hotline Miami」などをリリースしているアメリカのビデオゲームパブリッシャー。近年は映画配給事業にも着手している。

Downwellは「発売から3日で制作費を回収した」と報告された。その後、PS4やPS Vitaにも移植され、日本の若手インディークリエイターとして華々しいデビューを飾った。

また「Downwell」はIGF 2015の学生部門やBitSummit 2015などのアワードにもノミネートされ、2017年のCEDEC AWARDSにおいてゲームデザイン部門の優秀賞を獲得した。

もっぴん氏、そして任天堂に入社〜大きなタイトルへの意欲〜

Downwell

2018年1月、もっぴんこと麓旺二郎氏は、任天堂に入社したことを自身のTwitterアカウントで報告した(現在はその発言は消されている)。

サイト「エンタメステーション」の対談にて、もっぴん氏は「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」に感動し、もっと大きいスタジオで学んでみたいと発言している。

インディーゲームには素晴らしい作品がいろいろあって個人でもすごいゲームは作れるとは思うんです。
でも、『ゼルダ』、『ダークソウル』、『ブラッドボーン』レベルのモノはAAAでしか作れないですよね。そういったゲームを作る体験をしてみたくって…。それにゲーム会社に入って経験を積んで、それから独立してインディーゲームを作っている人たちもけっこういるじゃないですか。大手での経験があってこそ作れるというものもあるはずだし、その経験を持ってインディーに戻るということも可能かなって。

出典…エンタメステーション『Downwell』開発者が語るゲームと未来(下)「ゼルダ」の衝撃と、次世代クリエイターへのメッセージ

「Downwell」のNintendo Switch版が登場したりするかもしれない。あるいはもっと衝撃的な名作が出るのかもしれない。すべてを裏切る奇作でもいい。これからももっぴん氏の動向から目が離せない。

最後に、もっぴん氏の初期衝動を端的に伝えるこの発言で記事の締めとする。

「最近の日本のゲームは、変な動物を育てたり、勇者が何かするものばかりで変化がないなーと思って。
そんな状況を変えたいと思って、オリジナルゲームを作ることにしました。」

出典…ゲームキャスト 日本の学生がたった2ヶ月で作ったゲームが世界の開発者をわかせた。インディーゲーム『DownWell』が今年登場予定。

この発言には、皮肉や風刺じゃなく、シンプルに面白いゲームがこの世にあって欲しいというシンプルかつ強い意欲を感じ取れる。それが結実した傑作が「Downwell」であり、次回作でも必ずやまたゲーマー達をドキドキさせてくれるだろう。

もっぴん Twitter

ライター: 高野京介

ライター兼、ゲーム音楽に多大な影響を受けたギタリスト。 ファミコン〜PS4までゲームの進化と共に半生を過ごす。スマホゲームレビューは5年目の中堅。豪華さよりもプレイスキルを要求されるアクションやゲームバランス、突き抜けた個性を愛好する傾向あり。 好きなゲームは「地球防衛軍シリーズ」「MOON」「さよならを教えて」「洞窟物語」「ロマンシング・サガ2」などなど。最近では「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」に感涙。書ききれないがクソゲーやバカゲー愛好家でもある。 スマホゲームでは「Downwell」「Plague Inc.‐伝染病株式会社」「ヒュプノノーツ」などが好きです。私生活ではカレー、ラーメン、もつ焼き、パクチー等を愛好。酒は弱い。 使用端末 Apple iPhone 7 ひどいことしかつぶやかかないTwitter

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