ハイスコアガールの裏!押切蓮介の闇を探る!

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執筆者:編集部

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出典元:http://www.jp.square-enix.com/magazine/gansma/biggangan/highscoregirl/

不朽の名作「ストリートファイターII」から始まった対戦型格闘ゲームブームを舞台に、主人公・矢口ハルオと2人のヒロインとの物語が展開するラブコメディコミック「ハイスコアガール」!

「ストII」ブームの時に思春期を過ごした人間なら、「キュン…」と胸を締め付ける甘酸っぱい感覚が込み上げずにはいられない! もちろん筆者もその一人。筆者が矢口ハルオと違う点といえばヒロインなど1人もいなかったという点だろう! あれ、なんか違う意味で胸が締め付けられるや…。

…それはさておき、格ゲーファンはもちろん、ゲーム好きなら100パー楽しめること間違いなしな「ハイスコアガール」! ただ、作中使用しているゲームの画像が著作権侵害にあたるとして告訴され、長らく連載が中断していた

しかしながら、ようやく7月に連載再開!リニューアル版のコミックスも発売されるということで喜ばしい限り…!

コミカルで楽しい「ハイスコアガール」だが、作者である押切蓮介氏の作品には全く真逆のダークな作品も多い。しかも「ハイスコアガール」の作者らしくダークな作品においても、根底には一本のゲームの影がちらついている…! そんな、押切蓮介氏のダークな作品をご紹介したい!

雰囲気一転!笑いから恐怖のドン底につき落とされる「ゆうやみ特攻隊」

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出典元:「ゆうやみ特攻隊」1巻

まずご紹介したいのがコレ「ゆうやみ特攻隊」! 報酬を受け取って心霊事件を解決する、姫山高校の心霊探偵部の活動を描いたホラーコミックだ。

ホラーとはいえ、読み始めてみるとコミカルで怖さなど微塵も感じないハズ。やっぱり「ハイスコアガール」の作者、楽しい作品を描くんだなぁ…と思うことだろう。

ところがそのコミカルな雰囲気は、1巻最後のエピソードで一転! おぞましさを伴うガチの恐怖ストーリーへと変貌する。

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出典元:「ゆうやみ特攻隊」1巻

それまでがコミカルに笑っていられる雰囲気だったからこそギャップによってより怖い! また、序盤の明るいキャラ達に好感を持ってしまうこともあり、「このキャラに死んでほしくない…」という恐怖が煽られる!

完結まで全13巻と、それなりの長さを持ったマンガだけど、2巻以降はテンポのよさとおもしろさで一気にラストまで読んでしまう作品だ。

家に込められた呪いが一家を襲う!「サユリ」

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出典元:「サユリ」1巻

「ゆうやみ特攻隊」の原型のような作品と言えるのが「サユリ」。

バトルアクション要素がそれなりに入っていて、ホラーと言っても爽快感を味わえる「ゆうやみ特攻隊」。それに対して「サユリ」はじっくりと恐怖を描いていくジャパニーズホラー的作品だ。

念願のマイホームを手に入れて引っ越してきた幸せいっぱいの一家。

しかし、数日も経たない内に父親が死亡。それをきっかけに様々な怪奇現象が一家を襲い、一人、また一人と命を落としていく…。「ハイスコアガール」で描かれる世界観とはまったく真逆の世界観に、心底震えることができる

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出典元:「サユリ」1巻

「呪怨」や「リング」といったジャパニーズホラーが好きな人に是非オススメしたい。2巻で完結しているため、気軽に読めるぞ。

いじめられたから復讐することにどんな意味があるのか!?「ミスミソウ」

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出典元:「ミスミソウ」2巻

心霊的な恐怖を描いた「ゆうやみ特攻隊」「サユリ」とは異なり、人間の心の闇に迫った作品が「ミスミソウ」だ。

テーマはいじめ。同級生達からいじめを受け最終的には家族を焼き殺された少女が、復讐を実行していくという内容。

いじめの内容も復讐の内容もどちらもエグく、「ハイスコアガール」のような楽しさ、「ゆうやみ特攻隊」のような爽快感、どちらもない。救いはない。

しかし、ただエグいだけの作品かというとそうではない。あらぬ方向へ展開していく人間関係や意外な真相、迫力ある絵作りなど、グイグイ読ませる!

でも、もし自分がいじめを体験したらどうするだろう? 本当に正しい選択はなんだろう? 読んだ後、そう考えずにいられない…。そんな問題提起も含まれており、決して面白半分にいじめを描いた作品ではない

「ハイスコアガール」とは180°違った側面から「友達」について考えさせてくれる作品だ。

押切作品の背後に見えるゲーム「夕闇通り探検隊」

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出典元:http://dengekionline.com/elem/000/000/920/920706/

これまで紹介してきた作品を通して押切蓮介作品の背後に世界観がちらつく作品が、かつてプレイステーション向けに発売された「夕闇通り探検隊」

都市伝承や心霊体験を探索していくアドベンチャーゲームで、スパイクから発売されている。

「見ると100日後に死ぬ」とされる人面カラスを目撃してしまった3人の中学生を操作し、全44個の噂を解決していく。

作品内で描かれる学生のころの心情や、独特の郷愁など、確かに押切蓮介氏のテイストに通じるものがある

それもそのはず、実際に押切蓮介氏はこの作品をプレイし強い影響を受けているとのこと。それは「ピコピコ少年」という別の作品の中で自身によって明かされている

押切蓮介ファンは是非プレイしてみるといいだろう…と書きたいところだが、販売本数が少なかったらしく、Amazonではプレミア価格…! 原稿執筆時点で新品約8万8千円、中古で約1万5千円というお値段…。気軽にプレイできないのが残念…。是非スマホで移植版をリリースして欲しい…!

それでもコミカルなノリを楽しみたいなら「ぶすライブ」をどうぞ!

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押切蓮介氏のダークな作品群、いかがだったろうか?

確かに「ハイスコアガール」のコミカルさはないものの、いずれも読んでみるとやはり押切蓮介氏の持つ世界観を感じることができる。思わず作品にのめり込んでしまうハズだ!

「でもやっぱり押切蓮介氏の作品はコミカルで楽しい方がイイ!」…そう思うなら、スマホアプリとしてリリースされている「ぶすライブ ~ド田舎アイドルストーリー~」をオススメしておく。

タイトル通りちょっと見た目はイケてない女の子たちが、スクールアイドルを目指すという某アイドルアニメっぽいノリの育成ゲームだ。

押切蓮介氏はキャラクターデザインのみ担当しているようだが、プレイしている内に主人公達をかわいく思えてくるあたり、押切蓮介氏のテイストをバッチリ感じられるぞ!

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執筆者: 編集部