東京クロノス
IzanagiGames, Inc.
ビジュアルノベル・サウンドノベル
Android:1,980円 iOS:1,980円
VRから移植!誰もいない渋谷へ閉じ込められた少年たちを高い臨場感で描いたミステリーアドベンチャーダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
人の消えた渋谷に閉じ込められた少年・少女たちが脱出を模索するミステリー・アドベンチャー
「東京クロノス」は、人の消えた渋谷の街に閉じ込められた8人の少年・少女たちが脱出を模索するミステリー・アドベンチャーゲーム。
1988年、ロシアのバラストで13歳の少年が母親とともに失踪。その1年後、少年だけ発見されるものの、なんと発見された少年は60歳前後の年齢となっていた。DNA鑑定は一致しており、失踪した少年と発見された60代男性は同一人物。彼によると、1年の間彼と母親は、人の消えたバラストで過ごしていたのだという。
人がいなくなり、この世とは時間の流れ方が異なる空間―クロノス空間。本作の渋谷もまた、人が消え、周囲が鏡のようなもので覆われた閉鎖空間となっている。
しかし、それだけではない。人がおらず、電気も供給されていない渋谷の巨大モニターには、「私は死んだ。犯人は誰?」という表示。プレイヤーは7人の幼馴染とともに渋谷へと閉じ込められた少年・櫻井響介としてこの状況に向き合うこととなる。
もともとはVR機向けのゲームとして作られた作品が、今回スマホゲームへ移植。3Dを活かした臨場感によって、作品世界へと入り込んだかのような感覚が味わえるぞ!
タップでテキスト進行!スワイプで周囲を見回すことも
ゲームシステムは、いわゆるビジュアルゲーム的なつくりとなっている。
表示されるテキストをタップで読み進めよう。分岐も存在しているぞ。
また、テキストウィンドウ以外の背景部分をスワイプすることで、周囲を見回すことが可能。セリフを話しているキャラクターではなく別のキャラクターを見たり、周囲の風景を見たり…といったことが行えるぞ。
買切型!価格はVR版の約半額
本作は買切型として配信されており、価格はiOS版、Android版とも1980円。2024年10月10日現在、MetaStoreにおけるVR版の価格が3990円なので、スマホ版の価格はVR版の約半額といえる。
本作はスマホ版でも高い臨場感を味わえるものの、さすがにVRの臨場感には敵わない。一方で、スマホ版であればいつでもどこでも気軽にプレイできるというメリットがある。
購入検討の際はこうした点を踏まえて、どちらがいいか選ぼう。なお、MetaQuestなどのVR機器を持っていない場合、当然ながらVR版をプレイするにはソフト代以外にVR機器本体の代金も必要となるぞ。
「東京クロノス」の魅力は引き込まれるストーリーと臨場感
本作をプレイして、謎めいた冒頭にまず引き込まれた。屋上のような空間で、人が飛び降りる。非常にショッキング。
何が起きたんだ?と思っていると、周囲の風景が見慣れた渋谷に変わる。しかし人がいない。やがて登場キャラクターたちが集まってくるが、そこで現れる「私は死んだ。犯人は誰?」の言葉。
「この先どうなる?」と引き込まれずにはいられない展開だ。しかも、こうした展開が、抜群の臨場感で描かれる。
世界がそこにある!非VRでも味わえる抜群の臨場感
テキストを読み進め、選択肢を選ぶという本作のシステムは、一般的なビジュアルノベルと変わらない。
しかし大きく異なるのは、キャラクターや風景が3Dで描かれていること。
ビジュアルノベルでは、会話中のキャラクター2~3人のみ描かれるということが少なくない。これに対し本作では、会話に参加していようといまいと、そこにいるキャラクターはしっかり描かれている。
また、キャラクターの会話中であっても周囲を自由に見回すことが可能。
スマートフォンの画面はVRのように3D立体視できるわけでも、頭の動きに連動するわけでもないが、上記のようなビジュアル表現によって、一般的なビジュアルノベルと比べてはるかに高い臨場感が実現されていると感じた。
VRならどうなる…?意識せずにはいられない…
一方で、「VRだったらもっとインパクトあるんだろうな…」と思ってしまうことは少なくない。
冒頭の飛び降りシーンや、人のいない渋谷交差点など、VRヘッドセットを使って仮想世界の中に入って体験していたら、もっと強烈なインパクトを受けていただろう。
単純に筆者の性格が未練がましいというだけかもしれないが、「やっぱりVR版で遊んだ方がよかったかな…?」とついつい感じてしまう点は残念に感じた。
VRを実現するには右目用と左目用、2つの映像を描写しなければならないので、画面に描くポリゴンの数が2倍必要だ。このためスマートフォンでVRを実現するのは難しいのかもしれないが、できればスマホ向けVRゴーグル向けにVR表示対応をしてほしい…!
とはいえ、本作のように先が気になるというストーリー展開の作品では、スマートフォン版の「電車の中でもバスの中でも物語を楽しめる」という点はVR版にない明確なメリット。「続きが気になるけど、もう仕事に行かなくちゃ…」なんてくやしい思いをしなくてすむもんね!
ゲームの流れ
シックなタイトル画面。最初は画面中央に何も描かれていないが、ゲームデータが保尊されると、現在の保存状況に応じた場面が表示されるぞ。
まずは「NEW GAME」を選んでゲームをスタートしよう。
モノクロな世界の中、屋上に立つ人影。何やら不気味な雰囲気。檻の向こうにいるけど、まさか飛び降りるのか…と思っていると…?
このシーン、スマホ版でもなかなかショッキングだけど、VR版だと叫ぶレベルでショッキングなのではないだろうか…。
場面は変わって、工事中らしい建物の中へ。あるいは駐車場だろうか。正体はわからないが、殺風景な建物。
そこにロキという人物が現れ、こちらを挑発してくる。いきなりの展開に戸惑うが、プレイヤーのみならず主人公も戸惑っている模様。
そして、渋谷で目覚める。主人公一人で目覚めるが、徐々に仲間たちが集まってくる。かつて幼馴染として遊んでいた仲間たち…。
再開を喜びつつも、どこにも人がおらず、しかも外周が鏡で囲まれているという状況に不安を覚える。しかし、何が起きているのかはまったくわからない…。
クロノス空間についての説明が行われ、モニターにメッセージが登場したところでオープニングへ。
オープニングテーマを歌うのは藍井エイルさん。かなりカッコいいぞ!
「東京クロノス」を楽しむコツはなるべくいいヘッドを着用すること
本作には分岐が存在するものの、かなりシンプルな選択肢構成となっている。
このため、分岐でバッドエンドに到達したら別の選択を選ぶ…というシンプルな立ち回りを続ければ、ことさら攻略を意識せずともクリアまで進めるだろう。
ただ本作を楽しむ上で、いいヘッドフォンの着用は意識した方がいい。
できる限りいいヘッドフォンを!臨場感のために
本作を楽しむうえで、その世界の中にいるかのような臨場感を楽しむことは、決してオマケではない。そもそもVRとして作られた経緯を考えれば、むしろ臨場感を楽しむことこそメインといえるだろう。
だからこそ、なるべく没入できる環境がいい。とはいえ、外出中にもプレイできることがスマホゲームのいいところ。家の中だけで楽しむのはもったいない。
となると、臨場感を高めるためにいいヘッドフォンが欲しい。本作をプレイする日には、ノイズキャンセリング機能付きなど、なるべく性能の高いヘッドフォンを使おう。世界の中に入っている感覚がグンとアップするぞ。
ちなみに、音声オフにしてしまうとメチャクチャ臨場感が下がるので、できれば回避したい。本作をダウンロードしたら、ぜひヘッドフォンもセットで持ち歩こう。