[関連記事]
・おやじ観察キット ゲームレビュー
・おやじ観察キット プレイ日記一覧
雨、憂鬱な気分。僕の気分みたいだ。好きじゃない。
夕日。消えていくおやじ。私の願い。好きじゃない。
朝。今日の始まり。嫌な一日の始まり。好きじゃない。
おやじ観察キットから得るものは殆ど何もない。
失うものは実にいっぱいある。
たとえば、取り返すことのできぬ貴重な時間だ。
おやじの前で孤独な消耗をつづけているあいだに、ある者は資格の勉強を読み続けているかもしれない。
またある者はガール・フレンドと「風立ちぬ」でも観てるかもしれない。しかし、おやじ観察キットは何処にも連れて行きはしない。
それにもかかわらず、
おやじを観察することは楽しい作業でもある。
生きることの困難さに比べ、
それに意味を見つけるのはあまりにも簡単だからだ。
なぁ、この日記、今回で最終回なんだ。
どこかで聞いた言葉ばかり借りて、感傷的な物言いで、ゲームについて語るふりをする。
僕が出来るのはそこまでだった。
「おまえのせいじゃない」とおやじは言った(気がした)
「おまえは悪くなんかない、精一杯やったじゃないか。」
違うんだ。
僕は何ひとつ自分の言葉で語らなかった。
ゲームもクリア出来なかった。
おやじのコンプもできなかった。
やろうと思えばできたんだ。
「人にできることはとてもかぎられたことだよ」とおやじは言った(気がした)。
そうかもしれない、と僕は言う。
でも何ひとつ終わっちゃいない。
いつまでもきっと同じなんだ。
僕はスマートフォンのホームボタンを押し、アプリを終了した。
完全な沈黙が部屋を包んだ。
もう、充分やったじゃないか。
はじめてのプレイ日記を書き、僕はゲームのしすぎで、ひどく消耗していた。
このゲームを終わりにしようか、迷っていた。
さよなら、また今度ね。
何千人のおやじたちがそう言った気がした。
約束は、いつだって不確かだ。
でも僕はもう一度、おやじを観察したいと思った。
その時の気持ちは、本当だと思うから。
ワァー!ブラボーッ!
おめでとう。
おめでとう。
めでたいなぁ!
おめでとさん!
おやじに、ありがとう。
おやじに、さようなら。
そして、全てのおやじ達に、
おめでとう。
PCから閲覧の場合はコチラから
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.liica.oyajikit
[関連記事]
・おやじ観察キット ゲームレビュー
・おやじ観察キット プレイ日記一覧