[関連記事]
- 「彼女は最後にそう言った」のレビュー
- 「彼女は最後にそう言った」攻略記事
SYUPRO-DXのゲームは毎回泣ける。
今回も号泣した。
「彼女は最後にそう言った」をまだプレイしてないなら今すぐこの記事を閉じてダウンロードしたほうがいい。
次くらいの記事からはネタバレを多分に含む。
大学生になり帰省した主人公に1通の手紙が届く。
「お祭の夜 展望台で待ってます」
その差出人は4年前に死んだはずの少女だった。
祭の夜、主人公は疎遠になっていた同級生と再会する。
祭の夜には、お面をつけて、死者がこの世にもどってくる。
そんな言い伝えがある寒村、待宵村。
主人公は展望台で、天狗の面をつけた何者かを遭遇する。
しかし、死んだナナミには会えなかった。
展望台で朝を迎え、意識が遠ざかる主人公。
だが、次目覚めた時も、「祭の夜」だった。
そして、主人公は「祭りの日」をループし続ける。
ループする中で、主人公は、死んだ同級生、ナナミの死の真相を知ろうと動き始める…。
切ないストーリーは、まるで美少女ノベルゲームのようだ。
タイトルロゴは、「泣きゲー」の代表格「AIR」を思い起こすし、寒村と同級生たちが悪戦苦闘する物語に「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」を重ねる人も多いだろう。
横田順氏の軽妙なセリフ回しとシナリオ。
入間川幸成のセンチメンタルに訴えかけるBGM。
快適な操作性は、ゲームとしてのストレスがない。
そして、無料である。
SYUPRO-DXの作品に共通する、どこかで見たような物語は、たくさんの作品をモチーフにした、愛溢れるオマージュで出来ている。
本作も、前述した「AIR」「あの花」だけではなく、様々な名作たちの影響がかいま見える。
ループ構造する物語は、アニメ作品で言うと「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」「魔法少女まどか☆マギカ」などが代表的だろうか。
ゲームでは「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」「高機動幻想ガンパレード・マーチ」「CROSS†CHANNEL」「シュタインズ・ゲート」「ひぐらしのなく頃に」、ニトロプラスの作品「スマガ!」「君と彼女と彼女の恋。(ととの)」などにも見られる。(個人的趣味だが)。
それでいて「彼女は最後にそう言った」はまぎれもない、RPGのようなゲームである。
ノベルゲームやアニメのような演出でありながら、「MOTHER」のような軽妙なキャラクターたちの活き活きとしたセリフ、本編と関係ない小ネタ。
それは、かつて少年だった僕らが、スーパーファミコンや、Windows98のブラウン管の中にあった、現実よりもまばゆい青春の輝きかもしれない。
SYUPRO-DXの作品はこれからもヒットしていくだろう。確信があるし応援したい。
「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」が好きだ。
コミュ障の勇者が、ルイーダっぽい酒場で仲間を集めていくまでの、ミニマルな冒険。
RPGの金字塔「ドラゴンクエスト3」を下敷きにしつつ、テーマは現代的だ。
ついつい書籍化したのまで買ってしまった。
「奴は四天王の中で最も金持ち」が好きだ。
舞台は「ポケモン」「マザー」みたいな雰囲気の現代。
ドット絵や、メロディアスなBGM、洒脱なセリフは「カエルの為に鐘は鳴る」のようでもある。
エニックスとスクウェアがしのぎを削って、名作を乱発してた90年代の匂い。
何もかもがガチャで解決される世界で、重課金ユーザーとの戦いを描いた、笑えて泣ける、お約束と風刺が効いたメタRPGだ。
「彼女は最後にそう言った」も、本記事で全ての秘密を暴き、100%の実績解除と真のエンディングまで攻略することを約束する。
僕は、開始して5分、ピアノの美しいメインテーマで、泣いた。
「エンディングまで、泣くんじゃない。」
1989年に出た「MOTHER」というゲームのキャッチコピーは、そんな言葉だった。
第2回公開予定日:5月26日(火)17:00!
[関連記事]
- 「彼女は最後にそう言った」のレビュー
- 「彼女は最後にそう言った」攻略記事