今回はesportsの大会情報や取材、選手インタビューなどの現場情報を伝えるメディア「e-sports-press」の善浪さん、一之瀬さんにインタビュー!
esportsをもっと浸透させたいという思いや、esportsの現状や課題に海外との違いなど、現場で感じた貴重な話をしていただきました。
e-sports-press
編集長 善浪さん
ライター 一之瀬さん
esportsの大会情報や取材、選手インタビューなど、現場の情報を伝えるメディア。
わかりやすくまとめた記事や他のメディアにない記事でesportsを盛り上げるために活動している。
目次
esports業界のニュースや大会の取材、インタビューを掲載
本日は取材を受けて頂きありがとうございます。
2019年のesportsの現状をお聞きしたいと思いお声がけいたしました。
現場で感じてることなど色々お聞きしたいと思うのでよろしくお願いします。
お二人はe-sports-pressではどのような仕事をされてるんですか?
編集長の善浪です。
編集業務と記事作成を担当しています。
ライターの一之瀬です。
記事作成とイベント取材を主に、時々編集もやっております。
運営されてる「e-sports-press」はどういうサイトですか?
e-sports-pressは出来たのが去年の12月で実はそのときは編集長は別の方でした。
7月から私が編集長になったんですけど、メインとしては大会の取材やインタビューにesports業界のニュースを主に掲載しています。
他にも森永のTRAINING LABO for esportsというサイトのサポートなど、esportsに関する業務の委託なども行っています。
esportsの魅力はスポーツと同じ
まずはesportsの魅力について聞きたいんですけど、どういう部分が大事だと思いますか?
魅力で言うとスポーツと似ていることだと思います。
見てて面白いのはもちろんですし、応援してる選手やチームが勝てば嬉しいし、負ければ悔しいっていうのが一番魅力的な部分かなと思います。
応援や観戦するのはほんとに楽しいですよね。
海外を見てるとライブ配信の視聴数も桁違いですし、取材してて日本でも盛り上がってるのを感じます。
国内でもようやく10代20代を中心に盛り上がってきていて、観戦勢と呼ばれる人が出てくるようになりました。
観戦勢の方はゲームはしないけど大会は見るんです。
特に女性の方が多いですね。
女性が多いのはすごくいい傾向ですね!
特にどのジャンルに多いですか?
全般的に増えてると思います。
FPSとかスマホゲーム、あとLoLは結構女性が多いです。
※LoL・・・League of Legendの略。Twitchでの同時視聴者174万人を記録するなど、世界的に人気があるMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)のPCゲーム。
韓国のesports文化の影響
海外でゲーム実況が流行ったので、その流れで女性が来ているのかなと。
配信が盛んだと距離が近いので親近感が湧きやすいんだと思います。
配信でコメント読んでもらえたりとか、Twitterで返信来たりとか。
配信などでの交流は大きいですよね。
あと実際に大会など見て思ったのですが、会場でも気軽に声かけれたりとesportsの選手は親近感は大事にしている気がしました。
その辺はスポーツよりも身近だと思います。
esportsの文化でいうと韓国の流れで入ってることが多いです。
PUBGとかLoLはファンミーティングをよくやってますし。
韓国の文化ってファンとの関わりが多いんですか?
向こうのesportsのファンは女性の方が多いんですよ。
韓国のアイドルと同じような感覚で見てて、選手の応援用のうちわを作ってる人も多いです。
それが受け継がれてるのかなって。
アイドルみたいなうちわや横断幕は中国の大会ですが持ってる子見たことあります!
やっぱりまずは好きになって応援してくれるファンを作らないとですね。
ですね。
そういうのを見てると、女性層を取り込むのはすごく大事なんじゃないかと思います。
若者人気で見ると圧倒的にFPS
今後伸びそうなジャンルって何になるんですか?
それはFPSだと思います。
FPSはここ数年すごい人気ですよね。
PUBG、フォートナイト、Call of Dutyなど、esportsの大会が行われているゲームも多いです。
そうですね。
ただFPSは銃で人を撃つっていうのが、倫理的にあまり良く思われないという問題があります。
特に日本人はよく思わないんじゃないですかね。
なるほど。
ゲームをあまりやらない人からしたら物騒に見えるかもしれませんね。
FPSのゲームに多く触れているせいで、そういう違和感を感じなくなってましたけど。
海外だとFPSは大会も多いし人気ジャンルなんですけど、日本だとそれを抑圧しているなにかがあるかなっていう感じがあるんです。
若者人気で見ると圧倒的にFPSが人気なんですよ。
本当に圧倒的に。
FPSが好きなのは若い子に多いですよね。
それこそ中学生も友達と一緒にやってたりしますし。
若い人がバーチャルの世界で、銃を使って人を殺せてしまうということが、大人が危険性を感じて遠ざけてしまっている現状も見受けられますね。
現状必要以上に抑圧されてる感じがある気はしますね。
人気はあるのに若い子たちが活躍する場もないし交流する場もないっていうのは問題かなって。
そこは少しづつ意識が変わるように、地道に続けていくしかないんですかね。
esporstが今後発展するためにも、ジュニア大会は盛んになるといいですよね。
世界全体でいうと上向き
世界的にはesportsの状況ってどういう感じですか?
世界全体でいうと上向きだと思います。
海外では昔から盛り上がってて、最近もずっと上り調子で来てますね。
※韓国では2000年にKeSPA(韓国eスポーツ協会)が発足、2003年にはフランスでESWC(Electronic Sports World Cup)が開催されるなど、かなり前から世界ではesportsは盛んに行われている。
向こうはTVでも放送してたりとかしてますし、日本に比べるとだいぶ身近です。
日本ではまだ馴染みがないですし、ゲームに対して悪い印象が残ってたりします。
日本でも2018年でesportsという言葉がだいぶ浸透してきたので、徐々に興味を持ち始めてくれているとは感じます。
※LoLの大会などはイギリスの公共放送「BBC」などがTV番組での中継を行うこともある。
「eスポーツ」が2018年の流行語にノミネートされたりしてだいぶ一般化しつつありますね。
そういう海外との違いが出来た理由って何だと思いますか?
海外は以前より職業としてる人がいるので、その辺のメリハリがちゃんとついてるんじゃないかなと感じます。
日本だと、マネジメント面や親が子をどう管理するのか、などまだまだいろんな問題が出てきているのが現状です。
プロゲーマーは若い子も多いのでそこは課題ですよね。
海外だとうまくいってるというのは、マネジメントがしっかりしてるということですか?
海外は日本よりも先に土台ができていることもあり、お給料の面だったり、利益の出し方がわかっているチームが多い印象です。
ネットリテラシーは今後の課題
他に課題に感じることはありますか?
ネットリテラシーは今後の課題だと思います。
Twitter等のSNSの投稿にも気をつけないと危ないと思います。
そこはマネジメントの問題として考えないといけないかなと思います。
なるほど。
まだ、そこまで意識を回すことが出来ていないこともあるのかもしれません。選手には若い子も多いですし。
これは失敗して学んでいくこともあるかと思いますし、あと2、3年くらいかかるかもしれませんね。
可哀想だなと思うことも多いですけどね。
まだ若い子も多いですし。
受け取られ方がネジ曲がったりすることもありますし、見る側の意識も大きいですよね。
それはあるかもしれません。
Youtubeのコメントとか見ると選手に暴言を吐いていたりとか。
考察とか批評とか色々あるとは思うんですけど、言い方を気をつけるべきとは思いますね。
そういう面はスポーツでもあるんですけど。
確かにスポーツでも問題になりますね。
野次とか海外サッカーの差別的な発言とか。
esportsは、まだまだ他のプロスポーツみたいに確立されているわけではないし、インターネット上が主な活動場所なので、ダイレクトに誹謗中傷が飛んできたり、選手本人に問題が起きると炎上するスピードも速いです。
現状、批判が大きくて割に合わないと思う事が多いでしょうね。
それでやめちゃう人もいたりするので、このままではよくないかなと思いますね。
その点は格ゲーだと治安がいいですね。
そうなんですね。
たぶん年齢層が高いのもあって皆さん落ち着いている気がしますね。
本当に一番平和です。
圧倒的に平和ですね。
裏方の人手が足りなくて困ってる
esportsの業界での問題ってなにかありますか?
実は裏方の人手が足りなくて困ってるところが多いんです。
マネジメント側とかですか?
そうです。
選手のほうが圧倒的に多いので、選手を支える側の人たちが足りていないのが現状ですね。
現状困ってないとこはないかもしれないですね。
どこのチームの話聞いても「人足りない人足りない」って言ってるんで。
幸いここ最近、esports業界に興味を持ってくれてる人が増えてきたので、そこは今後改善されていくといいなと思ってます。
確かに急成長してると人材不足は厳しそうです。
esports業界に興味がある人は増えるでしょうし、これから裏方の方も増えるといいですね。
日本のesportsはまだまだ成長段階
2019年は勝負の年というか、やっと浸透してきたので業界的に盛り上げようとしてましたよね。
もっと一気にスポンサーやユーザーが拡大するかなと思ってましたが。
たぶんゲームというジャンルは、各タイトルごとにコミュニティが強く、スポンサー側が理解しづらい部分も多いと思います。
会社として参入するには、なにがメリットでなにがデメリットなのか、なかなかわからないということがあるかもしれないですね。
なるほど。
確かにゲーム業界って、外から見たらわかりづらいかもしれないですね。
だから他業界の人達がesportsを知ろうとしても、なかなか大事な部分がわからないんじゃないかなと思いますね。
実際に見ないと伝わらない部分が多いですし難しいですね。
アメリカ空軍がスポンサー
海外だとチームや大会のスポンサーってどこが参入してるんですか?
メルセデス・ベンツなど大手が多いですね。
目立っているところだと、車業界が動き始めていることですかね。
HondaやNISSANも参入してきましたし、車業界が目立ってますね。
※メルセデス・ベンツ以外にもフェラーリ、TOYOTAなどもesportsに参入している。
あとアメリカ空軍がついてるようなところがあったり。
※esportsチームCloud9の『Counter-Strike: Global Offensive』チームが、アメリカ空軍とスポンサー契約を締結している。
本当ですか!
空軍がスポンサーというのはすごいですねw
日本の車業界やレジャー、食品業界に期待
日本でここがスポンサーになってくれたらいいのにって思うところはどこですか?
日本の車業界は海外のチームのスポンサーになってるので、それが日本にもきてくれればいいなと思います。
※Hondaは世界第1位の獲得賞金額を誇る名門プロゲームチーム「Team Liquid」と、北米日産会社も世界的な強豪「OpTic Gaming」「FaZe Clan」とパートナー契約を締結。
海外のチームにはスポンサーとして参入してるんですね。
そうなんです。
海外ではどんどん参入しているので、国内でもそうなってほしいです。
最近は日本でもANAのような航空業界がチームのスポンサーになっていたりするので、この流れが大きくなってほしいですね。
※ANAはDetonatioN GamingのLoLチーム「DetonatioN FocusMe」に協賛をしている。
ANAが参入したのは大きいですね!
他にここがきたら嬉しいというところはありますか?
あとテーマパークを運営している企業などがついたら面白いですよね。
一回パリのディズニーランドでesportsの大会が開催されてて、そういうのが日本でもあると面白いと思います。
※2019年5月に「Dota 2」のeスポーツ大会がディズニーランド・パリで開催された。
それは凄く面白いですね!
イメージ向上にもなりそうです。
そういうところがついてくれると幅広い層の人が来てくれると思うんですよね。
興味がなかった人もこうした取り組みを知ってもらえれば、関心を持ってくれる人が増えると思います。
関心を持ってくれるだけでありがたいですよね。
あと業界でいうと食品会社が多いですね。
ガストとか。
※ガストはDMM GAMES主催の「PUBG JAPAN SERIES」への協賛を発表した。その他に日清食品、森永製菓、おやつカンパニーなどの企業が様々な形でesportsを支援している。
食品系はesportsに前向きですね。
追いついてないことが多すぎる
海外と比べると日本の現状はまだまだなんでしょうか?
海外と比べてしまうとまだまだではないかなと思いますね。
海外より賞金もだいぶ少ないですし。
※海外の大会では総額約33億円の「Fortnite World Cup」などがある。
法律の規制もあるので、クリアしないといけないことがまだまだ多いです。
※日本では「刑法賭博罪」「景表法(不当景品類及び不当表示防止法)」などesportsに関係する法律がある。
追いついてないことが多すぎるので、全体的にまだまだこれからかなと感じてます。
言い換えれば今はまだ成長段階だと思いますし、伸びしろはあるので今後大きくなっていくんじゃないかなと思います。
esportsはこれからくる
ここからはe-sports-pressについて詳しく聞かせてください。
esporstsのメディアを立ち上げたのはどういう経緯だったんですか?
元々新規事業をやろうということで、いくつかのジャンルを打診されていまして。
そこで前任の編集長が元々ゲームに興味があり、今後一番伸びるだろうジャンルとして「esports」を取り扱いたいというところから始まりました。
前任の方が元々ゲームが好きというところから始まったんですね。
そうですね。
あとは、これからくるジャンルで何かを作ろうということだったので「esports」はそこにピッタリ当てはまったんだと思います。
足で稼いで記事書いてます
e-sports-pressが力を入れてるのはどういう部分ですか?
大会やインタビューなどの取材ですね。
それは貴重ですね!
大会を取材するのって大変だと思いますけど。
大変ですけど頑張って足で稼いでます。
月どれくらい取材にいかれるんですか?
取材数は月によりけりですね。
月によって多い時と少ない時の差が結構あります。
タイトルにもよるんですけど、だいたい年末に向けて大会が増えるので。
大体夏と冬は大会が多いですね。
春に開幕して、夏に盛り上がって、秋にオフシーズン少し挟んで、最後の大会が12月にあるというスケジュールが多いですね。
年末は年間チャンピオンを決める大会もありますし多くなりそうですね。
12月は一気に開催されるのでピーク時は人が足りないですね。
大会があるのってほぼ土日なのでめちゃくちゃかぶりますもんねw
そうなんです。
メンバーフル動員しても足りないくらい大変です。
どうしても足りないときは外部の方の力も借りてなんとか頑張ってます。
他のメディアが出さないものは出したい
今だとどういう記事が人気なんですか?
まとめですね。
大会のスケジュールとか参加選手や結果のまとめだったり。
他のメディアで出してないと思うものは、特に出すようにしてます。
あとインタビュー記事も人気があります。
インタビューを読んでもらえるのはいいですね。
あとアップデート情報は英語の直訳で分かりづらいときもあるので、そこを分かりやすい言葉に言い換えて出すことは心がけていますね。
直訳だとわかりづらいので、それはありがたいですね。
もっと親しみのあるメディアにしたい
今後力を入れていきたいことって何かありますか?
これからやりたい事としては、オフラインのイベントを開きたいなと話しています。
もっと親しみのあるメディアにしたいので、ファンの方と交流する場ができればなと思います。
あと動画配信もやりたいなと思ってます。
オフラインイベントも動画配信も知ってもらうためには大事ですよね。
esportsとの相性もいいですし。
この業界に入ってきたのも、選手から認知度の面などで悩んでいるのを多く聞いてきたというのがあったからなんです。
それもあって、もっと一般の人にesportsを浸透させられたらなって思って入ってきました。
なるほど。
選手のためにesportsを広めたいんですね。
そうですね。
頑張っている選手の皆さんが報われてほしいですし、そのために何か力添えできたらなって思いますね。
プレイヤーと同じ目線で見れる
最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。
企画記事とか楽しい記事も書いてるので、気軽に見てほしいなと思います。
ちょっと隙間時間が空いた時に見てみようってなってくれたら嬉しいです。
e-sports-pressはメンバーの平均年齢が20歳前半と若いんです。
なので全員がesportsどストライクの世代で、同じ目線で見れるのが強みだと思っています。
選手とも同世代でインタビューにも力を入れていこうと思っているので、そういう部分を見て感じてもらえたらなと思います。
今日は現場の実感ある話が聞けて非常に興味深かったです!
esportsとe-sports-pressが今後どう発展していくのか楽しみにしてます。
本日はありがとうございました!
e-sports-press
編集長 善浪さん
ライター 一之瀬さん
esportsの大会情報や取材、選手インタビューなど、現場の情報を伝えるメディア。
わかりやすくまとめた記事や他のメディアにない記事でesportsを盛り上げるために活動している。