韓国発の新感覚RPGであり、ユーザーから圧倒的人気を誇っていた「エラキス」。
「エラキス」といえば、さまざまな固有スキルやサイコロの種類、二種のチャージスキルなどの組み合わせによる高い戦略性と、すごろくという理解しやすく、また絶妙なバランスで設定された運要素が組み合わさった「ダイスRPG」であるが、その進化版とも言える「Lord of Dice」が日本での配信目前となっている。
「Lord of Dice」では、前作を上回る豊富なコンテンツ量、グラフィックスを実現しており、入り込みやすいストーリーや直感的に理解できるゲーム進行はライトユーザーでも楽しめることは間違いない。
それでいて、前作の長所である高い戦略性は変わらず、コアユーザーも楽しめる内容となっており、まさに前作からの進化と呼べるだろう。
今回は、NGEL GAMESの社長であり「Lord of Dice」のディレクターでもあるパク・ジフン氏にインタビューすることが叶った。
▲インタビューを受けるパク氏
「Lord of Dice」の特徴や前作からの改善点、普段聞くことが出来ない開発者の前歴、開発における裏話などまで余すところなくお話を伺っていこう。
※パク氏は韓国語の為、通訳を介してのインタビューとなっています。
目次
- 1 ライトユーザーでも楽しめるような改善がされている。
- 2 ビジュアルやゲーム性、友達と一緒に楽しめることに今作ならではの楽しみがある。
- 3 エラキスユーザーのフィードバックが大きな進歩に繋がった。
- 4 タイトル変更は馴染みやすさと作品が生まれ変わったことを表す。
- 5 最初についた名前はエラキスではなく「みんなのトップ」
- 6 カカオからインフラ的な支援を受け、ゲームは独自で開発。
- 7 NGEL GAMES名前は「常に新しい進化を生み出す」が由来
- 8 NGEL GAMES社員はゲーム好きな心を忘れないプロフェッショナル。
- 9 入国審査で怪しまれるほど日本への出張が多くある。
- 10 日本のコンテンツが大好きなパク氏。Lord of Diceリリースは夏ごろ。
ライトユーザーでも楽しめるような改善がされている。
――前にエラキスをやってくださっていたユーザーさんに、今回新しく出るLord of Diceで注意して見てほしいところはどこですか?
パク氏
エラキスのときはPVP重視になっていたのが大きいので、先ほども申しましたようにPRGとしての有機性が足りなかったので、ライトなユーザーさんはあまり楽しめなかったと思うんですね。
あと、ライトなユーザーさんが楽しもうとすると、エラキスの固有の楽しさがあるじゃないですか。その独特な楽しさに気づく前に離れてしまったんですね。
――その固有の楽しさにたどり着く前にやめてしまったんですね。
パク氏
そうですね。エラキスだけの楽しさっていうのを見つける前に去っていってしまう場合も多くて、それはでもゲーム内でガイドが足りなかったり、それを見つけ出すための導線がうまくいってなくて、っていう理由があるんですけど、今回はそういうのを全部補っているので、ちゃんとそこにたどり着けると思います。
エラキスというか、Lord of Diceだけの楽しさを見つけると、きっと残ってくれると信じていますし、あと、前はRPGのボリュームがなかったので、十分楽しめなかったというのもあるんですけど、
今回はそこら辺も全部補っていて、ボリュームとしても十分バックアップもありますので、前に比べたら結構変わっていると思います。そのようなところを注目してほしいです。
ビジュアルやゲーム性、友達と一緒に楽しめることに今作ならではの楽しみがある。
――Lord of Dice固有の楽しみという言葉が出てきましたが、固有の楽しみというのはどのようなところですか?
パク氏
3つあるんですけど、1番目はグラフィック的に、ビジュアルがいいと思いますね、Lord of Diceの場合は。
ここに結構力を入れているので、2Dを基盤にしたビジュアル系が好きな人は結構好きだと思います。
二つ目は、ゲーム性的なところで、ボードとRPGと戦略というのが結合しているタイトルはなかなかないと思いますので、そこでの新しい楽しさを見つけることもできると思います。
3番目は、何度も強調したように、共に楽しめるというところ。友達と一緒に、またはほかのユーザーと一緒に楽しみたいという人は、いいな!って思ってもらえるんじゃないかと。
エラキスユーザーのフィードバックが大きな進歩に繋がった。
――なるほど、分かりました。少し先ほどと重なる部分もあるかと思いますが、これまでの旧エラキスユーザーに向けて何か言いたいことはありますか?
パク氏
エラキスのユーザーさんには本当に心から感謝の気持ちばかりなんです。実はLord of Diceはあまりなかったゲーム性なので、自分たちはとても楽しいと思いながら作っているんですけど、実際ユーザーさんが楽しんでいるかというのが分からなかったんです。
自分たちに何が足りないのか、世間ではどういうふうに考えるのかっていうのを実感させてくださった大事なユーザーさんなので、感謝していますし、今のLord of Diceに出来上がったのもみんなエラキスのユーザーさんのお陰だと思っているんです。
結局そのときのフィードバックだとか、経験をもとに作り足しているようなものなので。なので、エラキスのときにいろんな事情があり、力不足で提供できなかった楽しさを今回ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
タイトル変更は馴染みやすさと作品が生まれ変わったことを表す。
――ありがとうございます。エラキスって1と2がありましたよね。どちらも日本で出してて、途中でサービス終了していたと思うんですが、今回Lord of Diceとタイトルを変更されたのに、1回気持ちを改めるというような意味はありましたか?
パク氏
韓国とか台湾で配信する上で、エラキスじゃなくてLord of Diceにしたのは、単にエラキスという言葉自体にあまり馴染みがないし、何のことかな?って思うところがあるので、タイトル名は変えました。
それで、日本でサービスするときもLord of Diceというタイトルのまま、変えないつもりです。
エラキスが生まれ変わったと言いますか、発展したと言いますか、コアな部分は同じなんです。でも見た目とか、浅いところは結構作り直しているので、Lord of Diceとしてもう一度楽しんでいただけたらという気持ちでLord of Diceでそのまま。
最初についた名前はエラキスではなく「みんなのトップ」
――なるほど。エラキスってどういう意味の言葉なんでしょう?
パク氏
シナリオもそうなんですが。実はエラキスって言葉自体は日本で作ったんですよ。当時はWeMadeと協業していて、その時につけた名前なんです。
それで、初めから一緒に関わっていたところも多くて、特にシナリオとかは結構こだわっていたんですけど、書き直したりする過程で、宝石があったんです。その名前をエラキスとつけたのが由来です。
――じゃあ初めは違う名前だったんですか?何というタイトルだったんでしょう?
パク氏
韓国ではまだタイトル名を確定してなかったんですね。それで、仮の名前だったんですけど、「みんなのトップ」っていうタイトルでした。
トップっていうのが、塔、タワーっていう意味もあって、頂上という意味もあるし、韓国語で意味がいろいろあるんですよ。
――「みんなのトップ」っていう韓国語のタイトルだったんですね。それで、日本で初めにエラキスとして出して、それでさっきの日本のユーザーのフィードバックが、っていう話に繋がる訳ですね。
パク氏
そうですね。それが糧になっているという。
カカオからインフラ的な支援を受け、ゲームは独自で開発。
――今回「Lord of Dice」はNGEL GAMESで出しますか?それとも、違う名前で出すんですか?
パク氏
韓国の場合、初めはNGELで直接出していたんですけど、途中からカカオと一緒にやっているんですね。
なので、今回の日本も多分その形になると思います。
――ということはカカオゲームズで出されるんですか?
パク氏
Kakao Gamesではなく、Kakao本社と共同サービスのような形で、インフラ関係はカカオのサポートを受けています。
それで、開発や運営は全てNGELで独自でやっているんです。
NGEL GAMES名前は「常に新しい進化を生み出す」が由来
――あくまで開発はNGEL が行っているんですね。NGEL GAMESの由来ってなんでしょう?
パク氏
二つの由来があるんですけど、一つ目は、先ほどPVPゲームを主にやっていたと言ったと思いますが、PVPゲームって、相手から見たら悪党になっちゃうじゃないですか。
なので、いつも自分は悪役に回るともいえると思うんです。それで、ギルドウォーのチーム名で、悪魔っていう意味でイーブルとつけてたのと、ゲームをサービスしている上ではユーザーさんには天使みたいになろうという意味も込めて、NGELっていう発音を含めました。
二つ目は、ネクストグローバルエボリューションリーダーっていうのの略語ですね。これはいつも新しい進化を生み出していこうという意味です。
NGEL GAMES社員はゲーム好きな心を忘れないプロフェッショナル。
▲パク氏とLord of Dice開発メンバーの方たち
――NGEL GAMESはどんな会社ですか?何人ぐらいいて、どんな雰囲気なんでしょう?
パク氏
新入社員とか採用している人も含めるともうすぐ約30人ぐらいになりますね。それで、どういう人たちかと言いますと、心底ゲームが好きで、ゲームを愛している人が集まってゲームを作っています。
会社であり、開発者であるんですけど、傍らではゲーマーとしての心を失わない人が集まっているグループと考えていただければと思います。
私自身も開発者であり、2003年からずっと開発を続けてまいりましたし、ほかのチームメンバーの中にも10年以上やっている人もいるし、そういうゲーマーとしての心と開発者としてのプロフェショナルを兼ね備えた集団だと思っていただければと思います。
入国審査で怪しまれるほど日本への出張が多くある。
――ゲームの画像は韓国の人が作ったんですか?
パク氏
はい、みんな韓国の人が作っています。描いた人は本当に上手いですよ。
――凄い可愛い絵ですよね。ちなみに日本来るのは何度目ぐらいになるんですか?
パク氏
WeMadeのときから結構日本に出張で来ることが多かったんですよ。どれぐらい多かったかと言いますと、空港での入国審査のときに、結構怪しまれて質問されるんですよ。
質問攻めになっちゃうぐらいに頻繁に来ていますね。
それで、今はもはや隣の町に来るという、遊びに来るという気分です。
日本のコンテンツが大好きなパク氏。Lord of Diceリリースは夏ごろ。
――日本は好きですか?
パク氏
日本のコンテンツが大好きなんですよ。昔、子ども頃からファイナルファンタジーだとか、英雄伝説だとか、そういうゲームをずっとやっていましたし、それがまた今回日本サービスをする上での糧になっていると思います。
あと、アニメとか、そういうコンテンツとかもいつも素晴らしいと思っています。
――最近興味のある日本のコンテンツ何ですか?
パク氏
いろいろ見ているんですけど、例えば「君の名は」は韓国で公開した当日に劇場に行って見ました。
それで、この間の休みの日に血界戦線とか、全部まとめて見ていましたし。Fate/stay nightも新しく出たやつ見ています。
――なるほど。わかりました。Lord of Dice、いつ日本でリリースされる予定でしょうか?
パク氏
夏ですね。猛烈な暑さが立ち去る前にお披露目できるようにします。
――とても楽しみにしています。インタビューは以上です。ありがとうございました。