『株式会社モブキャスト』は「モバサカ」や「【18】キミトツナガルパズル」などをはじめとするスマホゲームの開発・運営を行う企業だ。
モバサカでは、2,000名以上の実名と実写を用いた独自のスタイルで幅広いユーザーの心を掴んだ。また、「【18】キミトツナガルパズル」は、200万DLを突破。本作を用いたテレビアニメーションも絶賛放送中である。
そんな同社が、2017年5月にリリースした「モバプロ2 レジェンド」は、500万以上インストールを記録した「モバプロ」の新シリーズだ。プロデューサーを務める窪田哲也氏とディレクターを務める北田幸弘氏の2名に、本作が生まれたきっかけや開発秘話などを伺ってきた。
▲窪田 哲也氏(写真 左)と北田 幸弘氏(写真 右)
本稿は、全4回連載の第3回目です。
実は狙っていたターゲット層より若い人たちがやっている、選手のことを知るきっかけとなれば嬉しい。
――実際にプレイしてくれている人達はどんな方なんでしょうか。
北田氏:
実際にプレイしてくれている人は20代から40代です。
――想定していたより10歳程若いのですね。
北田氏:
20代の人は、そもそも野球ゲームを好きな人が遊んでくれているのかなと。
逆にそういった人達にも、昔こんな凄い選手がいたんだよと伝わっていたら嬉しいです。
メインターゲットは確かに思い入れのある選手なのですが、そういった人達もこのゲームを通して凄い選手がいた事を知ってもらえたらと思っています。
――実際にどうですか?そういった反応はありますか?
窪田氏:
まだ出てきてないのですが、少なくとも社内の自分と同じ年代の人はこの選手凄かったんだねと話で上がっています。
どんな選手なのかを知るために検索したり、昔の選手を知るきっかけになっていると思います。
――ゲームが野球人口を広めるのって新しいですね。
北田氏:
そうなると嬉しいです。
昔こんないぶし銀の選手いたよ!いい選手いたよ!みたいな。そういうTwitterとかもあるんです。だからそういうのを見て嬉しいなと思う。本当に嬉しいと思います。
本当の試合のような臨場感、読めない展開に一喜一憂。
――「放置して楽しい」北田さんはそれを狙ってモバプロ2の企画をあげたのですか?
北田氏:
その通りです。実際我々ぐらいの年齢になると中々ゲームを能動的に遊ぶ時間って作れない。でもゲームをずっとやっていて好きだというユーザーが今回の本当の対象だったんです。
自分の考え方としてユーザーさんがそのゲームにかけた時間、その分だけ楽しみが戻ってこないと成り立たないと思ってるんです。なので、このゲームに対しては少しの時間さえかけてもらえれば、少し楽しみを提供しますよという考え方で作られています。
このゲームは1日6試合行われますが、1日の生活のうちで6回結果を見て一喜一憂してもらいたいと思っているので、気軽に遊んで楽しみを味わってもらえたらいいなと言う感覚で作っています。
なので、このゲームの為に何時間も遊んでもらいたいとは思っていない。ちょっとした昼休みとか帰りの電車とか、そういう時に結果を見て「やったー!」とか「悔しい…!」とか、そういう感覚で遊んでもらえるのが自分的には理想だなと思っています。
――ゲームでそういうものを体現するためにゲームシステムを作り上げたと思います。こだわったポイントはどこにありますか?
北田氏:
リアリティに凄くこだわっています。元々のモバプロもそうだったんですけど、とにかく今回は選手データを作るにあたって、選手の生涯の成績をパラメーターに全部落とし込みました。
――それは、、ちょっと考えただけでも大変ですね。
北田氏:
本当にそれは時間がかかりました。でもそうしないとユーザーさんがこの人はこうじゃないのかと言う不満につながるので。
見て欲しいのは試合のシーンが本当にリアルに作ってる所になります。1球1球シュミレーションして試合を作っているので、本当に野球の試合にあるような試合展開になっています。
――ちゃんとコマで見れますもんね。1個1個打って投げて。
北田氏:
そうです。本当の野球にあるような緊迫した投球戦もあれば、すごく乱打戦があって終盤に逆転が起こるような事もあります。
自分で作っていても、こんな展開あるのかよみたいな、そういう気持ちになるくらい。シュミレーションなので自分ではどうなるかわからないというか、そこはこだわって作りました。
――ビール飲みながらかはわからないけど、ぽちぽち観戦してほしい等ありますか?
北田氏:
はい。本当に1試合ぱって開いて、ちょんちょんちょんって見ていけばすぐに見れるので、電車乗っている間だけでも2試合見終わる事もできます。
先に結果だけ見ることも出来ますし途中からも見れます。例えば8対7とかになった時に、どんな展開でなったんだという所から見てもらってもいいし、特定シーンだけをそこまでパパッと進めて見てもらってもいいと思うし。いろんな形で楽しめるかなと思っています。
ゲーム内での会話で戦略会議を練るべし
窪田氏:
もう1つは球会というゲーム内で会話できる部分があることです。放置が苦手な人でも球会で会話したり練習試合をしたりして、横のつながりを強くしたという所にこだわっているかなと思います。
そこはモバプロの前作と比べても強くなった部分かなと。それで友達が中にいるから継続率にもつながりますし、ユーザーも楽しみながら試合を待ってもらえると思います。
――会話を楽しんでもらえる?
窪田氏:
そうです。ゲーム内の例えばこのオーダーで、このポジションで誰だっけという野球知識を教えてもらったりとか、そういう所にも繋がるかなと思っています。ゲーム内の攻略情報もそこで聞いてもらってもいいのではないかと思います。
北田氏:
ユーザー同士のコミュニティのところは本当にすごく意識しています。同じようなユーザーの人たちが集まっているので懐かしい話とか。
それがきっかけでその中でいろいろ自分の思いを言うことで、楽しい空間ができるだろうなというのは凄く考えています。
窪田氏:
球会に入っていないと相当ゲーム進行にも影響が入ってきますしね、有利に進められる機能とかも結構入っていて、運用側としても球会に寄せている部分があります。
入ることでゲームも楽しめるしユーザーとのつながりも楽しいし、是非入ってもらいたいです。
――それも絡めて使って欲しい機能なのですね。トレードもでしょうか。
北田氏:
プライベートなトレードと本当に全ユーザーがオープンで使える移籍市場というのがあります。それは、以前のモバプロにはなかった新しい目玉として作った機能です。
自分のチームを強くするために必要な選手を集めていくのですが、自分のオーダーに合わない選手は市場に出して、それを誰かに買ってもらってそのお金で自分が欲しい選手を採る。
サッカーだから移籍市場って有名だと思いますけど、それみたいなものが今回ゲームの中に入っている。そこだけを見るのも楽しいと思います。
(つづく)