弘前大学在学中の2010年に、電撃文庫(アスキー・メディアワークス)から『神と奴隷の誕生構文』で小説家、ライトノベル作家としてデビューした宇野朴人氏。
そんな彼が手掛けた小説が「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」。2012年6月に刊行され、アニメにもなり大人気作となった。その人気は原作累計発行75万部にも及ぶ!
そんな大人気作である「アルデラミン」が今度はゲームとなって登場した!それが「天鏡のアルデラミン ROAD OF ROYAL KNIGHTS」。
これは、原作者の宇野氏はもちろんのこと石坂氏率いる部隊が一丸となって創り上げた作品だ。元々『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』を題材にしたリアルタイムバトルRPGで、原作でお馴染みのキャラクターが登場し、そのストーリーをゲームで体験することができる。
原作でお馴染みのキャラクターを自分で操作できることもあり、原作ファンにはたまらない作品だ。内容は、バトル部分がしっかり作りこまれているので原作を知らない人でも本格的にゲームを楽しむことが出来る。
そんな「天鏡のアルデラミン ROAD OF ROYAL KNIGHTS」の原作者である宇野朴人氏そして一緒に創り上げてきた石坂氏の素顔に迫り、その誕生秘話を聞いてきた。原作を知っている方も知らない方も、この機会に宇野氏、石坂氏そしてこの作品の魅力を知ってほしい。
なおこのインタビューの様子は、全6回に分けてお届けする。各回のインタビューへはこちらから。
目次
「天鏡のアルデラミンROAD OF ROYAL KNIGHTS」が生まれたきっかけ
――ゲームが生まれたきっかけを教えてください。
石坂氏:
弊社内でアニメ化の動きが出たタイミングでうちの部署にゲーム化のお話がきました。そちらに部署として手を挙げた形ですね。
動きがあるっぽいよ。と小説を編集部さんからもらったんですよね。会社でずっと読んでました(笑)
――宇野さんにとってはしてやったり!という感じで。
宇野氏:
物好きもいるものだなという感じでしょうか(笑)。
ゲームクリエイターの憧れ「戦記物」
――ゲームを作っているビジネス側としては、かなり狙っていたという部分はありますか?
石坂氏:
ゲームビジネスというか、一個人としてこれが作りたかったというクリエイターの夢ですね。作っている側としては戦記物ってすごくゲームにしやすいし、単に当時小中学校の頃の憧れもあります。
ドラクエやFFに没頭した世代にとって、冒険・戦記物はゲームクリエイターが作りたいゲームランキング上位に間違いなく入ってくると思います。
――石坂さんにとっては素晴らしい機会が転がり込んできた、と。
石坂氏:
そうですね、ありがとうございますという感じです(笑)。
――一方、宇野さんはどんな気持ちでしょうか。
宇野氏:
本当にびっくりしました。アニメ化からゲーム化までというのは、1つ1つがビッグニュースですが2つまとめて来ましたから。ポカーンと殴られたみたいな(笑)
決まる時は決まるものだなと驚きましたね。
ゲーム化は最近の風潮、時代の流れを感じる。
――決まる時は決まるという話は、作家仲間の中でどういう感じなのでしょうか?
宇野氏:
本当に同じようにメディアミックスしている作家さんたち集めても、1人1人で全然ケースが違っていますね。特にソシャゲ化というのは割と最近の風潮だと思います。それこそ3、4年とか遡った作家さんたちだと、また話が全然違っていたりしますからね。
石坂氏:
3、4年前の作品はコンシューマー中心ですね。ニンテンドーDS、PSP、Vita、3DSといった流れでした。うちの部署もコンシューマーゲームをずっと作っていましたね。
宇野氏:
私もゲーム化といえばコンシューマーの印象だったので、ソシャゲがデビューになったというのは、時代の流れを感じました。
昔は仕事としてのゲーム作り。今は、時代が変わった。
――例えばPS Vitaで出るのとソーシャルゲームで出るのと、イメージの違いはいかがでしょう?
宇野氏:
例えばパッケージでコンシューマーのゲームが出た時を仮定して比べてみると、最近ソシャゲがゲーム業界の半分くらいを占めている。下手をしたら8割ぐらいを占めているんじゃないかというくらいの印象があります。
――売り上げでいうとどのくらいでしょうか?
石坂氏:
市場規模はざっくりモバイルが1兆、コンシューマーが3000億ぐらいみたいですね。
宇野氏:
だから人の目に触れる機会が多いし、何より基本無料ダウンロードというところがありますので、作品の販促という意味ではすごく強いと思います。
スマホ自体の性能がすごく高くて、言ってみればプレステ2ぐらいの性能がある。そのレベルがあったら十分いろんなゲームが楽しめる。現に天鏡のアルデラミンもかなりハイスペックなゲームになっています。・・・時代の進歩に頭がついていけてなくて・・・。うまいコメントが出てきませんが(笑)。
作品世界を表現する上で、ソシャゲ・そしてスマホという媒体に、全然不足はないと思います。
石坂氏:
3つの大きな流れがあると思っています。最初がコンシューマーゲーム、次にブラウザ型のモバイルゲーム、そしてアプリ型のモバイルゲーム。
2つ目の流れの時にやはり新しいビジネスモデルだったので、作家さんとの調整が行われることもありました。
――踏み込んでいうと、お金を稼ぐためのゲーム性というところが少なからずありましたよね。
石坂氏:
当時はまだ環境が整備されてないのもあって、刺激的なものもありましたからね…。それが今はガチャがスタンダードとなって受け入れられているのはすごいなぁと思いますね。
ガチャは日本人の心をくすぐる。
――ガチャといえば、本物のガチャでも盛り上がっているものがありますよね。昔はキン消しとかスライムが出てきましたが、覚えていますか?
宇野氏:
ガチャって日本特有なのでしょうか、海外のソシャゲに似たようなシステムがあったりは?
――海外では売り切りゲームが多かったり、VIPシステムというのがあったりします。このVIPとは、薄くお金を何層にも払って自分のステータスが上がっていき、毎日貰えるものがちょっとずつ増える特権階級を得るための様な課金システムですね。
宇野氏:
やはり国や地域によって違いはあるんですね。
【インタビューその②】まとめ
ここでは、「アルデラミン」が生まれるきっかけとなった話や、お金にまつわる話を伺うことが出来た。
【インタビューその③】では、シナリオでこだわったところなどを伺っていきたい。
各回のインタビューへはこちらから。
天鏡のアルデラミンROAD OF ROYAL KNIGHTS
帝国と共和国の終わりなき戦争の果てにキミは何を見る!?アニメを追体験しながら遊べる軍略RPG
TVアニメからの新規要素も豊富な戦略RPG!
「天鏡のアルデラミンROAD OF ROYAL KNIGHTS」は、アニメの物語を追体験しながら戦場を駆けるリアルタイム戦略RPGだ。
2016年7月からアニメ放送された宇野朴人 氏による人気ライトノベル「天鏡のアルデラミン」をゲームアプリ化。
プレイヤーは主人公であるカトヴァーナ帝国の少年「イクタ・ソローク」やその仲間たちと共に、士官学校での日々を体験しながら帝国とキオカ共和国をめぐる戦乱に巻き込まれていく。
バトルはリアルタイムストラテジー(RTS)形式になっており、指揮官と2人の副官をセットした5つの部隊を操作する。
部隊を引っぱって移動、射程内に敵が入ると自動で攻撃を行い、指揮官や副官の固有のスキル(属性変更)を発動させて戦況を有利に進めよう。