劇場版の大ヒットで「ガルパンはいいぞ」が合言葉になったアニメ『ガールズ&パンツァー』。
2012年10月から放送されたTVアニメで熱狂的なファンが多く、個性豊かなガールズと「戦車道」を極めようとした人も多いはず。
人気が爆発した「ガールズ&パンツァー 劇場版」と同時期にリリースしたスマホ用ゲームアプリ「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」も多くのファンに愛されている。
今回「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」のプロデューサーある須田 浩行氏にゲーム開発初期からのお話を伺ってみた。
目次
勢いの乗ってきたネイティブアプリでの展開がスタート
――現在開発メンバーは何名で運営されているのでしょうか?
須田氏:
大体20人ぐらいです。
――須田さんはプロデューサーとして動かれているんですね。これまでのキャリアを教えてください。
須田氏:以前はブラウザゲームとMMO、あとはガラケー時代ゲームを作っていました。
――ガラケー時代からというと長いですね、今までずっとゲーム業界で働かれてきている感じでしょうか?
須田氏:今年で8年目になります、最初だけちょっと違いますがほとんどゲームを作ってきました。
――今回の「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」はどのような経緯で運営に携わることになったんでしょうか?
須田氏:
ガルパンという作品がアプリゲームに合っているのではないか、というお話から制作がスタートしました。
ちょうど市場がWEBソーシャルゲームからネイティブアプリに移行するという時期でした。
ジャンルはシミュレーションRPGでアプリ作りましょうという流れだったと思います。
――ネイティブアプリのゲームでもガルパンを盛り上げていこうと。須田さん自身は当時「ガルパン」は観られていたのですか?
須田氏:
観ていましたが、ゲームを作るために改めて見直しました。
――ではゲームのお話がきて、更にキャラクターの細部から物語の内容まで意識して観直したのですね。
須田氏:
そうですね、何周か観たかと思います。
――何周も(笑)やはりゲームを作る上で、知識やキャラクターの情報などチェックしたいと。
須田氏:
もともとIPもののゲームを昔作っていたという経験もあり、見ておくべきポイントはこの辺だろうって目星をつけながらチェックしました。
まずはアニメ全員のセリフの書き出しからスタート
――目星の付け方というのはどのようにするのでしょうか。例えばキャラクターの正確や、細かい用語をメモしたりとか。
須田氏:
今作では劇場版のキャラクターの台本のベースだけ作成致しましたが、最初にまず行った事は、劇場版のキャラクターの全セリフを書き出すところから始めました。
――すごい!それって作業としては結構膨大な量ですよね?確かにセリフを作る上では必要そうです。
須田氏:
そうですね、セリフを作るのに必要な作業です。今作では劇場版のキャラだけセリフを作りました。
――プレイする時はセリフなど意識しながら遊んでみます!
ガルパンに興味がない人をゲームに残すのはなかなか難しい
――「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」の製作期間はどのくらいでしょうか?
須田氏:
大体1年半ぐらいです。
――ターゲット層はやはり原作のファンに向けて作れていたのでしょうか?
須田氏:
原作ファンに向けて楽しんでいただけるよう作成してまいりました。
――「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」はイラストですとか、ボイスもたくさん含まれていて、新規のファンでも結構残りそうな気がします。
須田氏:
中にはゲームだけというユーザーもいる可能性はありますが、そこはわからないですね(笑)
――ゲームだけでも楽しんでいただける内容を目指していると。
「戦車」というモチーフ的にゲーム内容は作りやすかった
――ゲーム性となるフラッグ戦ですとか、殲滅戦など参考にしたゲームはありますか?
須田氏:
シミュレーションRPGというジャンルで作る事は決まっておりました。
また戦車とシミュレーションRPGは相性が良いと感じておりました。
殲滅戦とフラッグ戦に関しましては「戦車道」のルールにのっとる形でゲーム内で再現させていただいております。
――実際にゲームを作られる前にイメージをつかむために、シミュレーションRPGなどプレイされましたか?
須田氏:
元々シミュレーションゲームはプレイしていましたが今回のゲームでは原作の再現性の方を重視していますね。
――シミュレーションゲームの軸は知っていたけど、あまり反映させていないと。
須田氏:
そうですね。コンシューマーやPCなどのシミュレーションゲームはプレイ時間が長かったり、操作やパラメータが複雑なものが多いので、ネイティブアプリ向けにシンプルになるように調整しています。
ユーザーインターフェースなど原作を意識
――ゲーム中でグラフィック、キャラクターの様子、ゲーム性など何にこだわりをもって作られましたか?
須田氏:
UIのデザインのルール付け等は最初に決めさせていただきました。
現状でもわかりにくい、使いにくいという要望はお客様から頂いておりまして、可能な限り今後も改修&調整する方針でおりますイラスト周りも、リリース前はディレクションを行っておりました。
最近は現場の方におまかせして、運営に力を入れています。
リリース当初だけ深くゲーム内にも関わって、今はほとんど大枠の部分など、大型アップデートのスケジュールと、ユーザーの動向を見ながら次の施策をこうしよう、っていう方向性だけ提示しています。
ドリームチームが作れる!勝つための組み合わせを見極めるのも楽しい
――好きなキャラクターを、自分の好みの戦車に乗せることができるっていう「チーム編成」が魅力的だなと思うんですけど、どの段階から考えていたのでしょうか。
須田氏:
もともとのゲームのテーマがドリームチームを作ろうというところだったので、そこに合わせてゲームのサイクルを構築して、ルールも決めていければと思っていました。
キャラクターにマッチしたスキルと、どの車両に乗せて活躍させるかとか、組み合わせの楽しさっていうのをとにかくこのゲームではすればいいかな、って思ってました。