三国志をモチーフにしたスマホゲームも数多リリースされているが、アプリゲット的にちょっと気になっているタイトルがある。「ごっつ三国 関西戦記」だ。
三国志をテーマにしたアクションRPGなのだが、タイトルからそこはかとなくかつダイレクトに分かる通り、全編が関西仕様になっていて、ふんだんに盛り込まれたストーリーパートが、ゴリゴリの関西弁で進行するのだ。
実際に立ち上げてみると、三国志演義のストーリーを忠実に追いつつも本気で関西弁になっていて、随所に笑いのネタが散りばめられているという、問題作なのだ。(褒め言葉)
元は韓国で開発されたゲームなので、国内に下手人もとい仕掛け人がいるはず!と考えた編集部は、リリース直前の4月某日に、NHNハンゲームのオフィスのドアを叩くのであった……。
そして、下手人もとい仕掛け人と思しき3人組である、日本の運営プロデューサーを務める鶴野氏、そしてマーケ&広報の兵士A氏、兵士B氏にお話を伺うことに成功した。
本インタビューの様子はこちらから:
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目次
関西弁を監修したのは誰なのか?
――ところで、関西弁の監修はどなたが行っているんでっか?やっぱ、その筋(?)の方が?
鶴野氏:
それはもう、自分が関西出身ということもあって、全部自分がやっとります。
ただ、自分でも難しいところがめっさありまして、この年になって関西弁について真面目に調べとりましたわ。(笑)
関西弁化は楽ではない。苦労したポイントは「敬語」の表現
――どんなところで苦労されたんでっか?
鶴野氏:
三国志の世界って、身分の違いがスゴイやおまへんか。そういう時に、関西弁でそのごっつい身分の差を表現できるような敬語の表現がおまへんので、かなりマイルドな敬語になってまうんですわ。
~してはる、~しておくんなはれ、みたいな。(笑)
偉い人に話しかけるシーンがめっさ多いんですが関西弁でよー表現できへんので、天下人くらいに偉いはずのプレイヤーが、まあせいぜい部長くらいのニュアンスになってますわ。
天下人に話しとる言葉になると、標準語に近づいてまうんですわ。せいぜい部長とヒラくらいなもんですわ。(笑)
――独特な苦労ですわ。(笑)鶴野さんは正確には、どこらへんあたりがご出身なんでっか?
鶴野氏:
自分は大阪に近い所出身ですわ。飛行場が近いとこ。
ところで、関西弁って正確にはどこの言葉を指すの?
――いわゆる関西弁って、大阪の言葉という認識でおうとりますか?
鶴野氏:
そうです、ベースは大阪ですわ。
ただ、大阪弁のくくりだけやと、表現しづらくて京都の言葉なんかも混じっとる箇所もありますわ。
――ほな、狭く大阪の言葉やなくて、近畿界隈の言葉がちょこちょこ入っとる感じでっか?
鶴野氏:
そうなんですわ。兵庫の言葉も入れとりますし、京都の言葉なんかも入れとります。
伝わらへんでしょ?(兵士A氏、B氏のほうを見ながら)
兵士A氏:
ええと、わたしは生粋の関東出身なんで、正直違いが分かりまへん。(笑)
京都の言葉と大阪の言葉の違い
――京都出身の友だちがおるんですが、大阪出身の友だちとは言葉遣いっちゅーか、イントネーションがちゃいますね。むしろ、イントネーションで気づくっちゅーか。
兵士A氏:
それはありますわ。大阪と京都の違いはなんとなくトークなら気づけるんでっけど。チュートリアルさんと雨上がり決死隊さんの言葉がちゃう、みたいな。(笑)
でも、文字やとまったく分かりまへんわ。
鶴野氏:
関西弁を丁寧にしていくと、京都の言葉に近づいていくという印象ですわ。
~してはりますか、みたいな。
兵士A氏:
うーん、鶴野のイントネーションやと、大阪の言葉に感じてしまいますわ。イントネーションがでかいんですわ。
――あー、もう、全部ボイスオーバーしていくしかあらへんわ。あ、このキャラ京都出身だ!!キャラ名、張飛って書いとる!みたいな。笑
360を超えるキャラクターが登場!黄巾賊も味方にできる
――キャラごとにどの地方出身みたいなんはありまへんか?
鶴野氏:
360を超えるキャラクターがおって、そこまではさすがに出来まへんでしたわ。(笑)
――キャラごとのストーリーもあるんですか?
鶴野氏:
キャラごとの背景はあるんですが、マンガを読んでるような感じが近いんで細かいものはおまへん。
――自分がストーリーを進めていく中で、関わってくる感じでっか。
鶴野氏:
おっしゃる通りですわ。
――マルチプレイの要素はありまへんか?
鶴野氏:
軍団戦というギルド戦や、サーバー内のプレイヤーで協力して攻略する連合戦がありますわ。連合戦は時限式で急襲してくる黄巾賊を倒す、みたいな。
お気に入りの武将だけで戦うことも可能だが、特定武将の組み合わせでデッキにボーナスがつく
――そういえば、序盤で黄巾賊の武将が仲間になりますわ。(笑)お気に入りの武将だけで、チームを組んで戦う、ということはできるでっか?
鶴野氏:
できますわ。
ただ、特定国の武将を集めてデッキ編成すると得られるセット効果があるんで、お好みの国の武将を編成して遊んでもらえたらとおもてます。
ほんで、武将のコレクションいう側面もおまして、曹氏の武将を何体集めるとボーナスがもらえるみたいな仕様もあったりしますわ。
兵士B氏:
元々の韓国版からの一次翻訳バージョンが、コレクションの名前がぶっ飛んどって、「少女時代」みたいなんがあったりして、意味が分からなかったんですわ。(笑)
鶴野氏:
そういうのを直したりいう作業もしましたわ。(笑)
――曹氏なんかは分かりやすいですわ。
鶴野氏:
そうですね。テーマや目標を分かりやすいようにはしとります。
演義のストーリーのかなり細かいところまでフォローしているのに、キャラがデフォルメなのはなぜ?
――なるほど。かなり細かいマイナーな武将も登場するようなコアな部分も見え隠れしとるんですが、キャラクターがかなりデフォルメされて可愛いですわ。それはなんでなんでしょう?
鶴野氏:
元々開発のテーマに「可愛らしく」というのがあったんですわ。
また、三国志というテーマのゲームをいかに、三国志を知らない人やふだん触ることない人に遊んでいただくかいうとこを考えた結果にたどり着いた表現ですわ。
せやけど、ストーリーの随所に、過激な表現が出てきてたんでっしゃろ。そもそも戦争の話なんで。
――ああ、だいぶ直接的な表現ですわ。
鶴野氏:
そのあたりは関西弁の強みで、だいぶ、マイルドにできたかなとおもてます。
――やたら「いてこます」って武将が言うとるんは、そういう理由やったんですか。
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