東京ゲームショウでひときわ目立った存在だった「EGGLIA~赤いぼうしの伝説~(エグリア)」が、2017年4月13日にDMM.com POWERCHORD STUDIOより配信開始された。
なにせ、旧スクウェアで聖剣伝説を手掛けたクリエイターである亀岡慎一氏や津田幸治氏らが中心となっている開発会社「ブラウニーズ」の新作(しかも井上信行氏、下村陽子氏、弘田佳孝氏も開発に参加)というのだから、膨大な青春時代の時間をゲームに捧げたベテランゲーマー諸氏は気になって仕方がないハズ。
エグリアは一体どのような作品に仕上がっているのか?どのような想いで作り上げられたのか?
ゲームが出る直前の4月初旬、ブラウニーズ代表の亀岡氏にお話を伺ったので、ゲームを実際に手に取るか検討中の向きは、ぜひとも参考にしていただきたい。
提供元:DMM.com POWERCHORD STUDIO
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主人公チャボの特大パネルを傍らに置いて。
目次
週刊ファミ通が吉祥寺の街から消えた件について
――早速ですが、エグリア特集の掲載されている「週刊ファミ通 2017年4月13日号」が手に入りません!(笑)
亀岡氏:
ブラウニーズの記事が載った号は、うちのスタッフが買い占めちゃうんです。吉祥寺では発売日になくなっちゃいますよ。(笑)
――え~、、せっかく読もうと思ったのに……。
亀岡氏:
あははは!
吉祥寺のファミ通、発売日になくなっちゃいましたからね。
――あのジュンク堂さんになかったので、相当ないんじゃないかな、、と。
亀岡氏:
吉祥寺にはインディーズゼロという開発会社もあるんですけど、そことうちの記事が一緒に載った時は、吉祥寺の街のファミ通は奪い合いになりますからね(笑)
――絶対手に入れて読みます……。さあ、アイスブレイクはこの辺にして。(笑)
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この個性豊かなキャラクターの数々は、亀岡氏の手によるもの。背景はもちろん津田氏だ。
本当にやりたいことをやるため、休日に集まって作りはじめたゲームが「エグリア」
――では、本題に入らせていただきますね! 本作エグリアはブラウニーズの有志が集まって作ったゲームだと聞きました。
亀岡氏:
そうなんですよ。
って、あれ。それはどこで話したんだっけな…!?(笑)
――東京ゲームショウのステージでおっしゃっていましたよ!(笑) 元々、有志のプロジェクトが、DMM.com POWERCHORD STUDIOの岡宮プロデューサーと出会って、こういった形で世に出ることになったのですよね。
亀岡氏:
ええ。
以前の会社ブラウニーブラウンは親会社に出資してもらっている子会社だったので、なかなかオリジナルタイトルを作り辛かったという事があって、次に会社を作るなら今度は誰からも束縛をされない、好きな事を出来る会社を作ろうと思い、ブラウニーズは自己資金で作りました。
ぼくが前の会社を出て行くという形をとったので、一緒に着いて来たスタッフも最初は少なく、スタート時はそのスタッフで出来る仕事を受けていたのですが、そろそろ基盤も固まってきたのでオリジナルタイトルを作って行こうかなと思ったんです。
でも、平日にはしっかりと時間を取ることは難しかったので、「制作は休日になっちゃうけど、やりたい人いる?」みたいな感じで声をかけたのが、プロジェクトの始まりでしたね。
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時折冗談を交えながら、気さくに、そして真剣にお話を聞かせて下さった亀岡氏。
居心地のいい街を作りたくて、エグリアが生まれた。ヒントを得たのは、過去に作ったゲームのあの街
――エグリアについて、亀岡さんたちクリエイター視点では、何をどう楽しんでもらいたいと思ったゲームなんでしょうか?
亀岡氏:
ぼくたちと言うか、ぼくなんですけど、やりたかった事は理想の街作りなんですよ。
ゲーム内の面白い連中と、実際に生活を共にしている感覚を味わえるゲーム。
ず~っとその街にいたいと思える世界観というか、雰囲気を作りたかったんです。
で、これが他人に話しても、なかなか伝わらない。「えっ、それってどういうの?」って。(笑)
――ああ~。でも、ほぼFIXバージョンの体験版を遊ばせていただいたので、仰りたいことはすごい分かります。
亀岡氏:
あはは、ありがとうございます。(笑)
分かりやすく伝えるのが難しいんだけど、ヒントを得たのが、レジェマナを作った時のドミナの街なんですよね。
広場に行くと時々いつもと違うキャラがいたりして、話しかけるとイベントが始まる。
イベントをこなすと街人が増えたり、突然見た事もないキャラがいたりして、外に冒険に出かけても、必ずあの街に戻りたくなる。
そんな街を作っていくイメージでした。
本当に街作りをメインにしたかったので、バトルはあるけど決してメインにはしたくなかった。
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外で出会ったキャラクターは、大抵、いつもの街の住人になってくれる。ゲームを立ち上げれば、いつでもそこにいてくれる。
主人公が木を伐るRPG。武器・防具の概念がないエグリア
――ほほう。エグリアにバトルが存在するのか?っていうのもありますよね。
亀岡氏:
そこはリアルに、主人公は木を伐り行くだけってことにして、そこにたまたまイノシシや熊が出てきてバトルになるみたいなことはあったりするんだけど、目的はあくまで木を伐りに行くっていう。(笑)
基本的な流れはそうしたかったんですよね。
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木を伐っては素材を集めるのだ。
――確かに、チャボ(主人公)はゲーム内で木を伐りまくってますからね。(笑)ゲームを遊んで気づいたのですが、武器・防具の概念がないんですよね。
亀岡氏:
そうなんですよ。
やっぱり、武器・防具があると、そっちを極めるほうに走っちゃうじゃないですか。
このゲームで色んなものをオマージュしているんですが、昔、ロールプレイングゲームを沢山遊んできたユーザの皆さんが、そういう血みどろな世界に距離を置いて、こっちの平和な世界でのんびり暮らそうよっていうメッセージを込めたっていうようなイメージなんですよね。
――まさに、チャボのメインストーリーで明かされているお話に重なりますよね。
亀岡氏:
そうそうそう。
ユーザの皆さんのこれまでのゲームの体験と、チャボのストーリーをかけているのはありますし、今のスマホゲームシーンでユーザが遊んでいる状況であったり、仕事や勉強なんかで送っている戦いのような日常であったり。
そういったものから距離をおいてエグリアに来てみると心が安まるみたいな。そういう場所になって欲しいんですよね。
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チャボが卵を割るごとに新しい土地を探索できる。新しい仲間が見つかったり、新しい素材が見つかったり、自分の街もどんどん発展していくのだ。
油断しているとケガをする!バトル担当スタッフの思惑とみせかけて、黒幕は亀岡氏だった件。
――世界観としてはまさに仰っているようなところが体現できているように思うのですが、バトルが結構難しいなっていうのが個人的には感じたことで、雰囲気的にのんびりかつボケっと遊んでいると、昔のコンシューマーゲームのようにしっかり壁にぶつかるなと。(笑)
亀岡氏:
バトルを担当したのが女性のスタッフなんだけど、スーファミ時代のゲームが大好きなんですよね。それも、ちょっと難しいようなやつが。(笑)
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いわゆるバトルを含む、探索シーン。サイコロの目で移動距離や攻撃の強さが決まる。目が弱くても、うまく立ち回れば大丈夫。
――なんか、敵がいきなりすごく強かったりするんですよ!(笑)
亀岡氏:
あのね、だからね。(笑)
レベル1のステージはまったく苦労なく薦めちゃうくらいで良いと言ってたんだけど、作る方としてはやはりドキドキ感を味合わせたくなっちゃうんですよね。
グリアのシステムでは戦うキャラクターは一人なので、いくらモンスターが弱くても囲まれるとぼこぼこにされちゃうというシステムなんです。
なのでまさにサイコロの出た目で一喜一憂するバランスをイメージしていたんですけど、担当者としてはやはり凝っちゃいますよね。ギリギリのドキドキ感を味合わせたい、と。
――ユーザとしては、素材を集めに行くっていう行為はある種、作業みたいなもの、いわばレベル上げみたいなのだと思うのですが、このゲームの場合はなかなかどうして、タコみたいな敵がいきなり強かったりして、気が抜けないんですよね。(笑)
亀岡氏:
あの敵はぼくが指定したんだけど、すごく強くして!って。(笑)
――ええ!そうなんですか!?(笑)
亀岡氏:
もうすんごい強くして、って。(笑)
後ろ姿は全く一緒なんだけど、一撃くれて正面を向くと強さもまったく違うモンスターだったという。
ただ殺伐としたゲームにしたくないんで、こっちから手を出しちゃわなければ、、
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つい飛ばして読みがちなチュートリアルだが、非常に大切なことが書いてある「すべて倒さなくても~」
――そうなんですよね!触らなければ大丈夫っていう。
亀岡氏:
そうそう、RPGに慣れてるユーザーさんが、どうせ他と同じくらいのレベルのモンスターだろうとなめて一撃入れちゃうと、もの凄く強い敵で返り討ちに合うという。(笑)
それはまあ、今のなんでもかんでも生き物が来たら殺せばいいやっていうRPGユーザーに対する怒りを表現してるっていう。(笑)
――その怒りを彼に込めているんですね。(笑) 最近エグリアに慣れてきたら、無駄な殺生しなくなりましたから。(笑)
亀岡氏:
そういうのを狙っていましたから。(笑)
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彼(彼女?)に手を出す時は、体調がいい時にしておこう。お兄さんとのお約束だ。
「落し切り1,200円」は漢気を具現化したもの
――落し切りで1,200円という価格設定なんですが、これはどのように決まったものなんでしょうか?
亀岡氏:
東京ゲームショウのあとから、年末くらいかけて決めましたね。
海外で出していくことも考慮しつつ、どのあたりの価格帯にするべきかというのは、岡宮プロデューサーなどDMMの皆さんともの凄く検討しました。
最後は価格決定だけの会議を関係者みんな集まって行って決めたんだけど。
かなり面白い会議でしたよ。(笑)
――どんな雰囲気だったのですか?
亀岡氏:
まずは採算とか考えないで、みんなでこの価格ならどう思う?みたいなのを言いあったんですよね。
「800円!」
「うーん……。」
「980円?」
「うーん……。」
「1980円?」
「うーん……。」
みたいな。(笑)
――なんですか。その競りみたいな空気は。(笑)
亀岡氏:
300円っていう金額が意見として出たりもあったんですよ。
――ええっ!?安すぎませんか?
亀岡氏:
さすがに300円だと、ダウンロードで300円いただいた後に、少し課金要素がないと全然採算が取れないみたいなイメージですけどね。
――そうですよね……。でも、最終的に1,200円にいきついたわけですね。
亀岡氏:
岡宮さん的にはギリギリ採算取れるぐらいまでは下げたいけど、このゲームの場合はプレイしていてお金のことを意識させたくないから極端に安くしてアイテム課金を併用するというのは避けよう、みたいな考えだったみたいですね。
最終的にはちょうどそのあたりでマリオランが1,200円で発表されたというのもも決定打だったかなぁ。
――マリオランの1,200円と比較すると、コンテンツの量は多いように思います。
亀岡氏:
コンテンツ量では負けてないと思うんですが、エグリアは新規のIPですので、マリオに比べたら事前に想定されるダウンロード数もケタが違いますから勇気がいりました。
漢気の1,200円です(笑)
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安いですよね!?って言われたら「安いです」と答えざるを得ない。いや、実際にボリュームや作り込みの質からしても、コンシューマのソフトを買うことを考えても、絶対に安い。
――漢気!(笑)コンテンツの量や質を考えると相当安いような。2,800円とかでもいいんじゃないかっていう作り込みではないですか?
亀岡氏:
そうなんですよ!
――わりと、決めようとしてからは、ズバッと決まったんでしょうか?
亀岡氏:
色々話してはみたものの、前例が無くてデータなんかみてもよく分かんないんで、最後はフィーリングで!(笑)
そんな感じで、会議では、ズバッと決まりましたね。
そのあと岡宮さんは、1,200円でちゃんと収益ラインもあらためて計算して、予算的な裏はきっちり取っていただいたみたいですけどね。
まあ、金額決めてからは、仲間内で「漢気」が流行りましたね。(笑)
――いいですね、漢気。エグリアを商業的に成功させたら、拡張パックもバンバン出していきますか!?
亀岡氏:
最終的な金額の決定はもう「漢気」という言葉に頼るしかなかったんですよね、売れてくれたらいいなあ。
ゲーム大賞とか取りたいな。(笑)
――沢山いる住民ごとのクエストが楽しいので、どんどん足されたら嬉しいですね。昨日小学生の子どもに見せながら一緒に遊んでいたのですが、アロエちゃん(初期からいる住民)のクエストで、ゲラゲラ笑ってましたね。あのギャグが。(笑)
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筆者(と子ども)のオススメは、この愛嬌たっぷりな愛されキャラ「アロエちゃん」だ。
亀岡氏:
あ~、いいですね。子どもに遊んで欲しいんだよなぁ。
1,200円落し切りで、今のバージョンをまるっと遊べる。課金要素は一切なしの漢気プライス。
――ユーザさんが、以前公開されているげゲーム画面の体力ゲージから、遊んでいくごとにお金がちょこちょこかかるんじゃないか、みたいな推測をTwitterなんかでしている様子も見受けられました。
亀岡氏:
今回に関しては、1,200円で落し切り。それだけで、今盛り込まれているものはすべて遊べるようにできています!(笑)
――出た、漢気!!この記事が出るタイミングは、きっとエグリアは発売を迎えた後だと思うのですが、エグリア買おうかなぁと迷っている皆さんに、なにか伝えたいことはありませんか?
亀岡氏:
うーん、触ってみてっていうのが一番なんだけど。
宣伝P:
ぜひ、触ってみたっていう人の声、ゲームの評判に、注意してみて欲しいなと思います。
亀岡氏:
これまで無料で遊べていたのが当たり前だったのかもしれないけど、1,200円払うことでどんな世界を見ることができるのか、こういう世界も味わえるんですよっていうところをぜひ感じてみて欲しいなぁ。
Free to playとはまた違った世界を感じてもらえるはずなので!
――確かに、最近遊んだどのゲームとも違うプレイ感です。
亀岡氏:
漢気の1,200円なので、ぜひ触ってみてください!
――漢気!! インタビュー、ありがとうございました。
※本インタビューは、約2時間ほど伺ったお話をダイジェスト版としてまとめたものです。インタビュー全編については後日公開いたします。お楽しみに!