2012年にリリースした株式会社アクワイア発のパネルアクションRPG『ロード・トゥ・ドラゴン』。
パネルをタッチするという簡単操作で、道をつなぎモンスターとバトルするという片手で遊べるRPGだ。当時カードを扱ったゲームが主流だった中、動的な動きを見せるスマホゲームは非常に斬新であった。
そんな『ロード・トゥ・ドラゴン』は2017年4月24日(月)をもってサービス終了を告げる。
初期からロードラのディレクタを務めてきた宮内 継介氏と、広報宣伝を室に務める大野 哲史氏にこれまでのお話を伺ってみた。
▲ディレクターの宮内氏、アクワイアロビーにて。
本インタビューは全3回に分けてお届けする。第1回目はロードラが生まれたきっかけと、大人気だったBGMについてお聞きしてみた。
本インタビューの様子はこちらから:
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目次
ロードラが生まれたきっかけはあるボードゲームから
――どのような経緯で『ロード・トゥ・ドラゴン』が生まれたのでしょうか?
宮内氏:
始まりは、ロードラの元プロデューサーである横山さんから声をかけてもらったことですね。
ボードゲームの『カルカソンヌ』を参考にして、片手で遊べる「道作りRPG」のスマートフォンアプリをつくってみないか、という誘いを受け、当時はディレクター未経験だったのですが挑戦する事にしました。
――まだスマートフォンのゲームがメジャーじゃない頃だったのでしょうか?
宮内氏:
いわゆるネイティブアプリというものに可能性の兆しが見えてきたというタイミングだったと思います。
他社さんからも様々なアプリがリリースされ始めていました。
――実際に企画が決まり、開発がはじまったのはおよそいつ頃でしょうか?
宮内氏:
開発が始まったのは2012年5月になります。
――ではすぐ企画から開発に移行されたのですね。
宮内氏:
はい。弊社としても初めての挑戦ということで、頂いた制作期間は6ヶ月ほどでした。
――当時の開発は何人ぐらいで行っていたのでしょうか?
宮内氏:
プロト版だけでいえば3人ですね。
開発終了までで、大体10人程度まで増えていたかと思います。
――ではリリースまでの開発期間は本当に6ヶ月ギリギリという感じだったのでしょうか?
宮内氏:
そうですね。本当に結構ギリギリだったのでやむなく実装を見送った仕様もあり……ユーザーの皆様様にはご不便をお掛けたした部分もあったかと思います。
その為リリース後は、まっ先にそういった箇所の改善を行っていきました。
――グラフィック、サウンド、演出で特にこだわった箇所はありますか?
宮内氏:
当時は美麗が描かれた、カード主体のゲームが多かったのでその分野で勝負してもイラストのクオリティ面などでは勝てないという思いがありまして……。
アクワイアは得意なジャンルでもある「動くもの」でしっかり勝負していきたいと思い、キャラクターの動きには徹底的にこだわりました。
またパネルをタッチしたり、消したりという操作性の気持ちよさをかなり重視しましたね。
当時運営は何人ぐらいで行っていたのですか?
宮内氏:
運営になってくると人数が増えてくるのですが、様々なセクションの人員を含め15名ぐらいで運営していたと思います。
Android版リリース時にユーザーに「謝罪」
――リリースして、軌道に乗ってきたなと感じ始めたのは大体どのくらいでしょうか?
宮内氏:
はじめにiOS版を2012年の11月にリリースし、2013年の2月にAndroid版をリリースしました。
Android版リリースのタイミングで、調整などに関し至らなかった点を謝罪させていただき、仕切り直しをしました。
結果的に、ユーザーの皆様から温かい反応、ご声援を頂きまして、そこからゲーム自体の調子も良くなっていきましたね。
――謝罪はどのようなことに向けて行ったのでしょうか?
宮内氏:
バランス調整を行ったところ、下方修正になってしまった点です。
また、その調整を事前に告知出来ていなかった事ですね。
やはりはじめての運営タイトルという事もありだったので、至らないことも多かったです。
人気のあまりCDが売れすぎてほとんど手に入らないと噂のBGM
――音楽は田崎寿子さん作曲ということで、CDがほとんど手に入らないという噂も聴きました。
※データとしての音楽は現在itunesなどで購入可能。
宮内氏:
『ロード・トゥ・ドラゴン』の音楽は非常に好評を得ています。
田崎さん自身がゲーム音楽の経験が長く、ゲームの世界観や演出に適した曲をつくってくださるのですごく助かりました。
――BGMはいくつか作曲していただいた中で選んだのでしょうか?それともこの曲!という形で頂いたのでしょうか?
宮内氏:
ある程度自分の中にあるイメージをお伝えし、、まずはサンプルとして一曲作成してもらいました。
そこから出来た曲を元にイメージの摺り合わせを行った形です。一度摺り合わせが出来た後は、とくに大きな齟齬もなく作曲していただけましたね。
まさにプロの仕事です(笑)
――しっかりイメージが伝わったんですね。ゲームの肝である「道作り」というアイディアはどのように生まれたのでしょうか?
宮内氏:
当初横山さんがイメージしていたのは、一つのクエストの中で宿屋にいったり、武器屋によったりというボードゲーム+RPGという感じでした。
ただ、自分の中では小さなスマホの画面の中にそういった要素を一度に盛り込むのは厳しいかな……と。
タッチして、道がどんどん作られていく点をメインにしつつ、道中のバトルの楽しさを際立たせていこう…ということで今の形に落ち着きました。
――道作りや、パネル連結も爽快感がありますね。コンボも比較的簡単な印象ですがライトユーザーに向けて調整したのでしょうか?
宮内氏:
ライトユーザーの方向けというよりは、片手で遊びやすいように突き詰めた結果ですね。
自分自身アクションゲームが好きなので、それに近い感覚で遊べるようにというのは自分の中でのコンセプトで持っていました。
パネルが消えるときの音やエフェクト、次にタッチできるまでの間隔などそういった細かなところはこだわって調整しましたね。
テンポよくパネルにタッチするだけでも、さくさく進んでいくというのはそれだけでも楽しめるな、という感覚がありました。
本インタビューの様子はこちらから:
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