日本国内でリリースされたスマホ向けガンシューティングゲームの中で、異例な人気を誇っている「HIDE AND FIRE(ハイドアンドファイア)」。
モバイル端末のアプリで、ガンシューティングというコアなジャンルの中ここまでダウンロードされたゲームは他にないだろう。
海外で開発されたゲームを株式会社ネクソンがローカライズ、カルチャライズを担当し日本に向けてリリースした本タイトル。
今回鈴木氏と須貝氏に開発から日本でリリースされるまでの流れをインタビューさせていただいた。
元々海外版にはストーリーがなかったので、日本向けにストーリーを導入しプレイヤーが楽しめるようにした、というのが第2回目までのお話。
そして第3回目は、日本市場に向けたカルチャライズと細かな調整について伺ってみた。
目次
日本ウケするのかわからない銃がたくさんあった
――日本のユーザーに向けて、どのようなカルチャライズが行われましたか?
須貝氏:
一番大きいのは見た目のデザインですね。
ホーム画面のデザインなどのUIに関しては、日本向けに近未来な設定にして修正をおこなっています。
また、大きな変化としてはキャラクター性の追加です。シナリオが全く存在していなかったので、そこは一から作りました。
海外でも配信されているゲームですが、キャラクターの設定やストーリーについては日本だけの仕様ですね。
それ以外ですと、銃のデザインもかなり変化があります。
ゲーム内にはオリジナルの銃がありますが、これは日本だとウケないんじゃないかなぁ…と思ってしまうようなデザインもあります。金ピカの銃とか。
――黄金銃?!
須貝氏:
黄金銃ならまだ良いのですが、龍や鷹や虎の大きな飾りが乗っかっている銃とか。
もちろん日本で全く需要がないという訳ではないと思いますが、一般的な銃とかけ離れたデザインのものもありまして…。
PCのFPSタイトルなどではこういったデザインはわりと良くあるのですが、モバイルで遊んでいただけるプレイヤーさんはよりと一般層に近い方が多いと感じていますので、ある程度手を入れました。
もっと派手なものがいい!という意見が多ければ、そういったものも今後追加していく予定です。
鈴木氏:
キャラクター性や世界観も日本で新しく追加しました。
そのため新しい銃を作る時に例えば「スマイル」というキャラクターが発案した「えむぴーごー!」のように、銃にストーリー性を持たせることが幅としてできるようになりました。
――武器など一番いじる必要がない箇所かと思っていました。
鈴木氏:
全体の様子をみて変更しないとゲーム中に真っ黒の銃だけになってしまいますからね(笑)
須貝氏:
実銃が好きというお客さんももちろんいるので、そこになるべく沿ってあげたいなという気持ちもあります。
しかし、いざ対戦になるとお互いに黒い銃を突き出しあっているだけになってしまうので。
色や形が違うだけで「あいつやべぇ武器持っているぞ!」と思えるようなデザインや色味も合ってもいいと思います。
一応近未来という設定なのでそれっぽいデザインは意識しています。
市場を見たうえでリリースしたのでここまでの大ヒットは想定外だった
――ゲーム性と日本のユーザーを考えると、かなりの好結果を残していると思いますがリリースしてみての反応は?
鈴木氏:
正直かなり狭い市場での戦いになると思っていましたが、7日間50万、1ヶ月で100万DLまでこぎつけて、思っていた以上にニーズが高かったと感じました。
実際にダウンロードが進んだだけでなくて、アプリストアのレビューなどを見るとかなり好評頂いていました。
遊んで頂いて満足して頂けているプレイヤーさんも多いなという感じです。
――ちなみに今どのくらいダウンロードされているのでしょうか?
須貝氏:
1月末で150万DLです。まだまだ伸びそうな気もします。言い方は変かもしれませんが、想定外でした。
――実際はどのくらいダウンロードされたらいいなと思っていましたか?
須貝氏:
2016年内に50万ぐらいいけたら嬉しいねと話していましたね。
鈴木氏:
市場感的にどんなにいっても80万DLぐらいかなと。
しかし、実際に出してみたら幅広い方に遊んでいただけていますね。
ライトユーザーから避けられないようにFPS、TPSという言葉は使わない戦略。
――どのようなところが受けていると分析していますか?
須貝氏:
元々ジャンルとしてはFPS、TPSというジャンルになりますが、その言葉はゲーム内でもプロモーションでも一切使っていません。
コアなイメージがどうしてもついてしまうので、うちから発信するときは必ず「ガンシューティング」という言葉にしています。
一部のコアなプレイヤーさんだけに遊んでもらうのではなく、普段ゲームにあまり興味のない方も巻き込んで「みんなでわいわい遊ぼう」という雰囲気を作りたかったんですね。
簡単かつシンプルなゲーム性とあいまって、実際にこのジャンルの裾野をちゃんと広げることが出来たかなと思います。
実際に遊んで頂くとわかりますが、難易度はそれほど高くありませんし。
鈴木氏:
エイムも画面をスワイプしながら直感的に動かせ、苦手な人でも1時間ぐらい遊ぶと慣れてしまうのでハードルが高いゲームではないですね。
須貝氏:
TPS苦手だと思って敬遠していたけど、やってみたら簡単で楽しい!というレビューも頂けてとても嬉しいです。
――苦手意識というかやったことない人も楽しめる内容に調整されているのですね。
鈴木氏:
やっぱり皆さん興味はあったと思います。
このジャンルに興味はあったけど難しそうだし、オンラインで戦うのは無理…というプレイヤーさんの気持ちをうまくつかめたと感じています。
共闘モードや複数人参加できる対戦モードなどストーリーなど「みんなで遊ぶと楽しいゲーム」というコンセプトが徹底できていたのが良かったのかなと。
――共闘モードがあれば上手な人が、初心者と一緒に遊ぼうという意識は起きそうですね。
須貝氏:
そうですね。友達同士でワイワイ話しながら楽しんでもらいたいです。
第4回目は、声優さんが思わずドン引きしたストーリーのお話について直撃!