スウェーデンに本拠地を置く企業「King」。キャンディークラッシュ登場以前には、その名前を知っている日本人はほぼいなかったのではないだろうか?
このタイトルのリリース以降、急速に成長を遂げ、2015年にはアクティビジョン・ブリザードに約7,000億円強で買収された。
そんなKingの日本のブランチが「King Japan」。率いるのは代表取締役の枝廣 憲氏。日本人だ。
世界的なトップゲームデベロッパーが日本の代表を任せる枝廣氏とはどのような人物なのだろうか?そして、King Japanはどのようにして、Kingのタイトルを日本で展開しているのだろうか?
都内某所にある隠れ家的なオフィスにお邪魔して、お話を伺ってきた。
全6回に渡って紹介していく本インタビュー。第5回目の本稿では、Kingアプリの日本展開について深く掘り下げてお話を伺った様子をお届けする。
本インタビュー記事全6回は、2/17~22の間、毎日12時に更新!
目次
Kingのゲームも、世界と日本では流行りが異なる
――世界と日本で流行っているkingのアプリの差はあるのでしょうか?
枝廣氏:
日本のユーザーさんは新しいアプリをトライしてくださる印象がありますね。
キャンディークラッシュとキャンディークラッシュソーダでいうと、日本だと新しくでたキャンディークラッシュソーダのほうが盛り上がっていますね。
でも世界的に見るとオリジナルのキャンディークラッシュの方が人気なんです。
――アプリを出す上で日本向けに変更している箇所があるのでしょうか?
枝廣氏:
ローカライズ以外では日本でしか出ていないイベントなどありますね。
例えば先日行ったお年玉セールや、GWの時期なら鯉のぼりが出てきます。
――それらの実施は、開発チームの作業も絡んできますか?
枝廣氏:
そうですね、それは本社と連絡して開発部署の方に伝えて、イベントを作ってもらいます。
この前、日本マクドナルドさんとコラボした時は、スペインのチームに連絡して作ってもらいました。英語が少しスペイン語訛りだったので、やり取りは大変でしたね(笑)
ローカライズは、リリース時の毎回の悩み
――日本でゲームを配信する上で、ネックになることはなんでしょうか?
枝廣氏:
やはり、テキスト周りですね。
例えば、ボタンの中に「OK」という単語があったときに日本語訳は「はい」で完結するのですが、少し長めの文章がボタンの中に収まっていると日本語にしたときに、長くなってしまうことがあります。
その時はスタッフが知恵を絞って、長さを調整していますね。
また、使っている数字のフォントをカバーしていないと文字化けしてしまったり、翻訳されたときに文章としての改行がおかしくなったりしてしまいます。
実は、日本で配信されていないKingのタイトルは山ほどあった
――日本でまだ配信していないKingのタイトルはありますか?
枝廣氏:
山ほどありますよ。(笑)
「シャッフルキャッツ」というカードゲームがグローバルリリースされていますが、日本では出ていなかったりします。
――日本配信していないタイトルの理由はなんでしょうか?
枝廣氏:
日本の風土に合わなくて検討…、となってしまうケースもあります。
またローカライズにかかる時間だったりとか、コンテンツのサーバーの場所をどこに設けるかなど、必要になるプロセスがあると時間がかかります。
これは間違いなく人気がでる!というコンテンツは別ですが、それ以外のものは少し遅れてリリースしたり、そもそもリリースしないという判断を下しますね。
――本数にしてどのくらいあるのでしょうか?
枝廣氏:
実際は100本以上あるかもしれません、本当に数え切れないですね。
圧倒的!毎日1億人以上がプレイするキャンディークラッシュ
――世界的にキャンディークラッシュが一番有名ですがどのくらいプレイされていますか?
枝廣氏:
DAUが(平均デイリーアクティブユーザ数)1億1210万人、MAUが(平均月間アクティブユーザ数)4億900万人になります。(※こちらはグローバルでの数字とのこと)
――すごい数字です…。では最も多くユーザーがプレイしている時間帯はありますか?
枝廣氏:
夜に集中しています。
――日本と海外でプレイ時間の差はあるのでしょうか?
枝廣氏:
日本人の方は移動時間など隙間時間などが多いですね。
海外の方は車移動がメインだったり、通信環境だったり車運転中はできない…ということもあります。
なので家でプレイされる方が多いです。
気になるレベルデザインは世界共通になっていた!
――海外と日本でレベルデザインは分けていたりするのでしょうか?
枝廣氏:
基本は一緒です。国毎にあるイベントは別ですが、ゲーム内の難易度はすべて一緒になっていますよ。
岡田准一さんとキャンディー家族は、どちらが人気なのか?
次回インタビュー予告
第6回は、毎度インパクトの強い、独特なTVCMの制作について、どのような意図があったのか等を直接伺ってみた様子をお届け!