1つのゲームで動画再生66億回!モンストに王者栄耀ほか世界のeSportsの可能性と展望

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執筆者:佐藤亘

モンスターストライクを運営するXFLAGが、主催するモンストグランプリなどで盛り上がりを見せているeSportsに関する勉強会をミクシィ本社で開催しました。

勉強会ではe-Sportsの現状調査・分析から、地方自治体からの問い合わせなども対応しているというGzブレインの但木一真氏から、世界のe-Sportsについて貴重な話を伺いました。

但木一真氏
Gzブレインの但木一真氏

データから読み解くe-Sportsの現在・未来

esports
e-Sportsは2017年から2018年にかけて大きく成長しており、視聴者数は48.6%、プレイヤー数は163.6%もUPしています。

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また世代で特色が分かれていて、シャドウバースは10代が、オーバーウォッチは20代、ストリートファイターVは30代を中心とした人気があります。

このようにカードバトル、FPS、格闘ゲームで異なるプレイヤー・視聴者コミュニティを形成しているのが興味深い点となっています。

e-Sports
さらに2017年にコアゲーマー向けだったシュータージャンルが、荒野行動の登場で若年層に定着。

若年層にも普及したプラットフォームであるスマホを選択することで、一見需要がなさそうなユーザー層にも広がる可能性があることを証明しました。

ファンになるきっかけはYoutuberや実況者らインフルエンサーが1位!

e-Sports
e-Sportsコンテンツの視聴者はYoutuberや実況者らインフルエンサーの影響でファンになるケースが33%でトップ。

2位以下はサイトの動画、友人や家族、ソーシャルメディア、特定ゲームへの関心などが続いています。

やはりYoutuberらの影響は大きく、今後もゲーム実況の盛り上がりが期待されます。

中国での人気はケタ違い!モバイルゲームのe-Sportsが最も発展しているのはアジア圏

e-Sports

日本ではまだリリースされていませんが、テンセントの王者栄耀はモバイルe-Sportsとして世界屈指の規模を誇っています。

その数字はケタ違いで、2018年春シーズンの大会関連動画の再生数は66億回にものぼるそうです。

世界的にみてもモバイルe-Sportsは中国が市場をリードしているとのこと。

ちなみに世界の地域別の情勢は下記のようになっています。

欧米・・PCゲームが主流。モバイルe-Sportsシーンは形成されていないが、CLASH ROYALが初の大規模プロリーグを行う。

アジア・・王者栄耀が絶大な集客を誇る。テンセントが主導する中国が大きな勢力となっている。

日本・・モンストグランプリやシャドウバースのRAGEが賞金付き大会として成長。モンスト・パズドラとモバイルゲームのプロライセンスも発行されてきている。

モバイルe-Sportsの発展のカギは、クロスプラットフォームとアジア市場の2つのキーワードから読み解くことが出来る。

e-Sports
モバイル、PC、コンソールを横断したクロスプラットフォームの流れが加速。

特にコンソール競争で後れを取ったマイクロソフトも次の一手が流れを決定づけると予測しています。

アジア市場はスマホゲームに融和性が高く、荒野行動がヒットした日本も含めたモバイルe-Sportsのユーザー層が形成されると思われるとのこと。

王者栄耀はSwitch版がリリース予定で、日本展開がどうなるのかも注目です!

e-Sportsのビジネス展開・興行化

e-Sports
e-Sports発展途上の日本では、以下のような4つのビジネス展開が予想されています。

①パブリッシャー主導の興行経済圏の確立

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パブリッシャー主導の興行はモンストを始め、多数のゲームですでに始まっています。

世界ではBlizzardやテンセントが興行モデルを確立し、e-Sports界で大きな勢力となっています。

②地方まで巻き込んだ競技大会の開催

e-Sports
すでに大分、富山、青森、石川といった地域でe-Sports団体が立ち上がっています。

メディアの注目度も高く、スポンサーシップも増加傾向にあるそうです。

③クロスプラットフォームによるユーザー層の拡大

e-Sports
任天堂・マイクロソフトがクロスプラットフォームに対応する旨を発表。

今後モバイル、PC、コンソールを跨いだユーザー獲得競争に発展することが予想されます。

④観る文化をファミリー層に定着させる

e-Sports
日本でも伝統的なスポーツ同様に、チーム・選手を応援するという文化が芽生えてきているとのこと。

日本のゲーム関連動画視聴者数はおよそ2,500万人おり、e-Sportsが一般化することでファミリー層に訴求力が高い興業が成長すると予測されています。

ルーティンは33個!杉山愛さんを先生にモンストのプロがセミナーを受講

またe-Sports勉強会と同じ日に、モンスターストライクのプロプレイヤーを対象としたセミナーがミクシィ本社にて開催されました。

ゲームのプロたちの先生として登壇したのは、スポーツのプロである元プロテニスプレーヤーの杉山愛さん

杉山愛さん

プロプレイヤーの先輩として、とてもわかりやすい実体験をもとに、プロとしての心得や試合における向き合い方を伝授してくれました。

平岩康佑さん

また進行役としてeスポーツキャスターの平岩康佑さんも登場しました。

杉山愛さんはストライカー!

今回杉山愛さんが先生として呼ばれたのは、世界で戦ってきたプロであることはもちろん、本人もモンストユーザーだったからというのもあったようです。

夫の影響でモンストを始め、子育てをしているときもリラックスタイムに楽しんでいたとのこと。

自身の実力について詳しくは語りませんでしたが、ランクや運極数など気になりますね。

試合で結果を出すためには体調管理が大事

杉山愛さん

セミナーでは試合やツアーで大事な体調管理について、現役時代に自身で何を行っていたかを語ってくれました。

「ツア―を戦っていくためには体調管理が大事になってきます。現役の時は心と体をどう整えるか、自分なりの整え方をトライ&エラーしていました」

そうして作られたルーティンはなんと33個もあったそうです。

例として紹介されたのは、呼吸法、イメージトレーニング、トレッドミル、ストレッチ、コートでのアジリティトレーニングなどから、バナナを食べる、シャワーを浴びる、ケアマッサージときっちりとしたメニューを決めて行っていたそうです。

「勝つことは大事ですが、自分の力を出し切れば負けた時も課題が見つかりやるべきこともわかります。」

常にベストの状態であれば、足りない部分も見えやすいとのこと。

戦いが続いていくツアーだからこそ、安定した状態を保つことが大事になるというのがよくわかりました。

負けた時どう気持ちを切り替えていたかは、プロストライカーの方々も参考になったようでした。

見てもらった人に何かプラスになるようなプレーをするのがプロ

プロとしての心構えや意識について、アマチュアとの違いを比較しながら語ってくれました。

「アマチュアの時は好きなものに100%うちこんでいれば成功と言えました。プロになると意識ははっきり変わりました。」

プロになる前は家族や身の回りの人に、感謝やサポートしてくれるのを感じていたそう。

プロではそこにスポンサーだったり、さらに見に来てくれている人に対しても感じるようになったそうです。

「人に何かを与えられるパフォーマンスをすること。それがプロであると思います。」

話の中で度々おっしゃっていたのが、<見てくれた人に何かプラスになるものを与えたい>という想いでした。

勝つことも大事ですが、元気だったり感動だったりを与えることが、プロとして大事にすべきことなんですね。

またプロはメディアなど、外に発信する義務もあるとのこと。

その後モンストのプレイヤーからの質疑でも述べていましたが、ブログで日々の様子を載せるなどパーソナリティーを伝えることも大事であると語っていました。

杉山愛さん

杉山愛さんは終始本当にわかりやすく、ひとつひとつの話を丁寧に語ってくれた姿が印象的でした。

世界で活躍された方というのは、どのような面でもプロなんだなと感じるセミナーでした。

日本でのe-Sports興行先駆者であるXFLAGがプロによるトーナメントツアーを開催

モンスト
プロライセンスを持つ32人のストライカーが、全国でまた熱い戦いを繰り広げます!

中の人曰く、観戦を楽しんでもらうためなにが必要か考え、フードとグッズに力を入れたとのこと。

応援する文化を育てたいと語るXFLAGがどのようなツアーを作り上げるのか楽しみですね!

会場は東京、仙台、大阪、福岡、名古屋の5か所。

さらにシーズンファイナルとして、ツアーの成績上位4チームだけが進出できるツアーファイナルが12月に東京で開催されます。

公式サイトで1ドリンク&1フード引換券付きのプレミアムシートが1800円(税込)販売中です。

モンストユーザーなら無料観覧シートへの応募も出来るのでお忘れなく!

モンスターストライク プロフェッショナルズ2018 トーナメントツアー公式サイト

モンスターストライク プロフェッショナルズ2018 トーナメントツアー

株式会社ミクシィが主催する「モンスターストライク」のプロNo.1チームを決める大会。

賞金総額6,000万円。

プロライセンスを獲得した全8チームによる、賞金制1dayトーナメントの「トーナメントツアー」を日本全国5か所で実施し、トーナメントツアーの総合成績上位4チームのみで行う「ツアーファイナル」でNo.1を決めます。

試合は、AppStore/Google Play より配信されている「モンスターストライク スタジアム」を使用し、4対4のチーム戦で行われます。

日程

第1戦
10月 13日(土)
東京 アキバ・スクエア

第2戦
10月 27日(土)
仙台 エル・パーク仙台 ギャラリーホール

第3戦
11月 24日(土)
大阪 グランフロント大阪 ナレッジキャピタル イベントラボ

第4戦
12月 8日(土)
福岡 エルガーラホール

第5戦
12月 22日(土)
名古屋 名古屋コンベンションホール メインホール

ツアーファイナル
会場日程は後日発表
東京

プレミアムシートと無料観覧シートの2種類のチケットを用意。
プレミアムシート:1ドリンク&1フード引換券付き1800円(税込)
無料観覧シートはプレミアムシート以外の全席。
プレミアムシートは試合を間近で観戦できる特別なシートとなっています。

執筆者: 佐藤亘