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東京ゲームショウで2m×2mの小ブースにコンパニオン37人を投入して話題をかっさらった芸者東京エンターテインメント。
9月4日にリリースされた「脳トレクエスト2」が堅調な伸びを見せているが、前作「脳トレクエスト」がリリースされたのは今年の2月のこと。
わずか半年で続編をリリースした背景、そして東京ゲームショウの裏側を芸者東京エンターテインメントCEOの田中泰生氏にうかがった!
目次
◆前作「脳トレクエスト」で出来なかったこと
―アプリゲット編集部の阪森と申します。本日はよろしくお願いいたします!「脳トレクエスト2」はマーケットの順位を見ているととても好調ですが、現在のダウンロード数はどれくらいなんですか?
田中氏:本日(10月10日)の時点で30万DLですね。
―1を出した後すぐ2を出そうとしていたんですか?
田中氏:1を出して、わりと良いのが出来たなぁと思ったんですが、結構急ぎで作ったので、どうしてもゲームのやり込み要素と言いますか、お客さんに深く遊んでもらえる要素が足りなかったという反省がありまして…。
継続して遊んでくれるお客さんが少なかったんです。
多くの方に遊んでもらったんですけど、その分やめる方も多かったので、このままだと良くないなと思って。
―初代の脳トレクエストから早かったですよね。2が出てくるまで。
※脳トレクエストは今年2月にApp Storeで配信開始された。現在はマーケットから削除されている。
田中氏:いやぁ、思っていたより時間かかりました。
3月くらいから作りはじめて半年くらいかかっちゃいましたね。
◆10人弱のチームで、すべて内製
―何名くらいで作られたんですか?
田中氏:全部で10人くらいのチームですね。
―全部、内製でやられてるんですか?
田中氏:はい、全部内製です。
―すごいですね。うちでレビューしていた時も、社内で、細かい所の調整の細かさがちょっと話題になったので。
田中氏:あぁ~、そう言ってもらえるとありがたいです。
まぁ、僕ら基本的に作る時は全部中で作ります。
とりあえず動くものを作る、という方針で仕様書とかは作りません。
作っては壊すことを繰り返すので、内製でしか作れないんです。
◆1よりも前に完成直前でお蔵入りになった別のゲームがあった
田中氏:実は1の時も、元々全然違うゲームを作っていました。
―そうなんですか!?
田中氏:昨年の話ですけど、全く脳トレでも何でもない普通のオーソドックスなモンスターゲームを作っていたんですね。
ポケモンをソーシャルゲームにしたみたいなゲームを。
ほぼ完成したものをプレイしてみたんですが、ゲームをやり始めてハマれば面白いんだろうけど、お客さんがやり始めるだけの魅力があるのかが問題だったんです。
ゲームが好きな人に刺さりそうな要素は沢山入っていて、よく作りこまれていたんですが、それって始めてもらって、続けてもらわないと分からないことですよね。
それはもうダメ。
まず始めてもらわないと意味が無い。お取り潰しですね。
―完成直前で?
田中氏:完成して審査を出そうかっていうタイミングでした。
開発チームはすごい落胆してました。
その反省をいかして、どうしたらとっつきやすくなるかを考えて、「脳トレ」に辿り着いたんです。
11月から作り直して、とにかくまず出してみてお客さんの反応を見てみよう、となったのが2月ですから、最初のバージョンは 3ヶ月ぐらいで作って出してるんですね。
ただ、制作時間が短かった分、ゲームとしての深みというのが全然なかった。
「脳トレクエスト2」はその辺をカバーしています。
時間があれば絶対こう作ったのにっていうのを全部入れて、とっつきやすく、受け口が広く、ゲームが好きな人にもやり込んでもらえるように。
そういうのを目指して作りました。
◆効率のいい「脳トレクエスト2」の進め方
―うちのライターもずっとプレイしてるんですけど、防具が弱くて嘆いています。
田中氏:アクセサリーの使い方を工夫するといいですよ。
アクセサリーで魔法が発動しますから、うまく利用して下さい。
魔法を使うとなんとかなるように作っているつもりです。
うちの社員で全然お金使わずに最後の方まで行ってるやつ、いっぱいいますから。
他のチームなんで攻略情報も何も知らない社員ですよ。
ちゃんと工夫して遊べば、無課金でもしっかり最後まで遊べるのが良いゲームだっていうのが僕らの基本の考え方です。
「脳トレクエスト2」はそういう作りになっています。
一時期、札束で殴りあうようなゲームが多かったですが、やっぱりそういうのは良くないですね。長く遊んでもらえないです。
―そうですね。頭使わなくなりますもんね。
田中氏:攻略要素が無くなってしまうんですよね。
今はその辺のバランスを悩みながら調整しているところですね。
◆今後はコミュニケーションとランキングを強化
田中氏:今強化したいのは、コミュニケーションの部分です。
もう少しフレンドとの絡みがあってもいいんじゃないかと。
みんなで戦っている感を味わえるようなイベントを作ろうと準備しています。
あとよく言われるのは、タイムアタックでフレンドランキングだけではなくて、全体のランキングを出してほしいみたいなことですね。
―ワールドランキングみたいな?
田中氏:そうですね。
お客様の遊び方を見ていると、タイムアタックしかやってない人も結構いるんですよ。
それはそれですごくいい遊び方だと思うんです。
それなら、フレンドだけではなくて、全国ランキング的なものもつけたら面白いんじゃないかと思っています。
―そしたら、燃えますもんね。
田中氏:はい。あとはまぁ、まだ始まったばかりなので、考えられる面白そうなものは全部何でもやっていきたいと思っています。
◆狭いブースにコンパニオン敷き詰めてみるのが夢だった
―そういえば、こないだの東京ゲームショウ私も行ったんですけど、あれすごかったですね!
田中氏:ありがとうございます。盛り上がりましたね!
―あれはどういうコンセプトで?
田中氏:戦略的なことは全く考えてなくて、あれは前から僕がやってみたかったんです!
―あの、小さいブースで人をいっぱい敷き詰めてることを?
田中氏:そうそう。
ブログとか拝見してると、みんなすごく戦略的にどうのこうのって分析してらして驚きました。
◆東京ゲームショウには創業以来欠かさず出展
―ゲームショウに出展するのははじめてですか?
田中氏:それが実は2007年のゲームショウからずっと出展しているんですよ。
僕ら会社作ったのが2006年なんですけど、翌年から出展しています。
ゲーム会社をはじめても、下請けで終わる会社って多いじゃないですか?
やっぱり自社の製品を出そうという意味で、ずっとブースを出してるんです。
新作が出来たから出すんじゃなくて、あらかじめ発表する場を作っているんです。
だから、エアブースの時もありますよ。
あれは「今年はもう僕らとしては、押すものが何もないです。すみません」ってことなんですよ。
―今年は押すものがあったわけですね
田中氏:でも、「脳トレクエスト2」がゲームショウ前にリリースできるって決まったのが、8月の終わりぐらいだったんですよ。
―かなりギリギリですね
田中氏:そうなんです。
3週間前くらいに出そうって決めて、それから衣装作ったりだとか。
衣装は僕がディレクションしながら、デザイナーの男の子に描いてもらいました。
それから、すごく信頼している衣装作るプロの人がいるんですけど、その人に、無理言って作ってもらったんです。
―しかも枚数も多いですもんね。結局コンパニオンは何名?
田中氏:37人です。一応「NTQ37」っていう名前があるんですよ。
僕ずっと「あまちゃん」にハマっていたので、「GMT7」ばりに「NTQ37」にしました。
実は腕章に「NTQ37」って書いてあるんですよ。
―あぁ、見逃しちゃいました!
田中氏:あっ、あそこに実物の衣装ありますよ!
田中氏:衣装についても、ブログで書いてくれている人とかいて、「楽天でこのスカート売ってる」なんて言ってましたが、売ってないですよ!
このスカートね、作るの大変だったんですから!!
見て下さいよ!この絶妙の質感を!
―こだわりがあるんですね・・・
田中氏:僕らわりとノリで始めちゃったりするんですけど、やるなら最後まで突きつめてやらないとっていう使命感みたいなものがあって、衣装作る時もすっごくこだわりましたよ!
生地とか質感とか透け感とか。
その結果、衣装代がめちゃくちゃ高かったですが。
―衣装は一着いくらくらい?
田中氏:これね、一着、2万4、5千円くらいですかね。
―結構しますね!
田中氏:数作ってるから、それでも安いんですけどね。
―実際ブースをご覧になってどうでした?
田中氏:見てみたら正直「なんだ、こんなもんか」ってちょっと残念でした。
もっと雇えば良かったかなって。
―50人、60人?
田中氏:もっと100人くらいいても良かったかなって。
―いいプロモーションになりますね
田中氏:プロモーション効果があるのかって言うと、あんまり関係ないと思うんですよね。
基本的に、会社として「こんなのはじめて」な面白いことをするのが好きなので、それが出来たという意味では良かったかな。
―いやぁ、実は前を通りかかった時に、ちょうど撮影タイムで、それ撮ってたんですよ。なんかグイグイ行く人がいるなって思ったら田中さんでした!
田中氏:あぁ、そんなとこ見られちゃいましたか。
もう、2日間、完全にエロ社長モードでした。楽しかったなぁ!
ゲームショウっていうのはお祭りですから。
展示うんぬんとか、プロモーション効果とか、そんなこと考えてしまった瞬間に面白くなくなってしまいますよ。
まずは僕ら自身が一番楽しまないと!
― 一番楽しんでましたよね?
田中氏:一番楽しんでたの、僕ですね。
ゲームとかエンタメの原点って、そこだと思うんですよ。
僕ら自身がどんだけ作っていて面白いか。
僕らがめちゃくちゃ楽しんで作ったゲームで、お客さんにも楽しんでもらえるのが僕の理想です。
―そういうのってユーザーに伝わりますよね。今後も楽しみにしています!本日はどうもありがとうございました!
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