大人気アプリ「Touch the Numbers」の開発者に聞く、 広告収入年1億円以上の秘密

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執筆者:編集部

Googleが広告の成功事例として最近取り上げているアプリがある。株式会社テクノードがiOS向けに2009年7月にリリースし、Android向けには2010年10月リリースした「Touch the Numbers」だ。

「Touch the Numbers」は画面上にランダムに表示された1から25までの数字を順番にタップしていき、その速さを競うゲーム。Android版だけで200万本以上ダウンロードされている。

今回、この「Touch the Numbers」の開発者でありテクノードの代表でもある鎌田寛昭氏にお話しをお伺いすることができた。

プロトタイプは2時間でつくった

―開発期間はどれくらいだったのでしょうか?

鎌田氏
並んだ数字を触ると反応するレベルのプロトタイプまでは2時間くらいで、最終的にリリースまで持っていくのには2週間ほどでした。そこまで、実際に開発していたのは1人でした。リリース後の調整のほうが遥かに時間がかかっています。

AndroidはOSの実装がバラバラなので開発に苦労すると言われていますが、フィーチャーフォンの時にあった様々な苦労と比べれば楽なのではないでしょうか。

テクノード 鎌田氏

テクノード 鎌田氏

―御社の中で収益として一番大きいのは「Touch the Numbers」ですか?

鎌田氏
そうですね。割合でいうと全体の半分くらいは「Touch the Numbers」です。

広告収入で月に1千万円以上

―売上の規模はどのくらいなのでしょうか?

鎌田氏
その時の広告単価次第ですが、会社全体では少ない月でも1千万円以上の売り上げになります。

スマートフォンの普及にあわせて広告収入は伸びていくと想定していますが、スマートフォンの普及台数が5割を超えてくるまでは広告宣伝費の爆発的な増加はないと思っています。

そもそもフィーチャーフォンの広告市場は宣伝費を使い続けないと成立しない月額会員モデルに支えられています。フィーチャーフォンのユーザーの4分の1がスマートフォンに流れたからといってフィーチャーフォンの広告宣伝費の4分の1が流れてくるわけではありません。当面はゆっくりと規模拡大していくと思います。

 テクノード インタビュー

ランキング画面の広告が強い

―広告に特化してゲームづくりをするうえで具体的に重要視しているのはどのような点ですか?

鎌田氏
「Touch the Numbers」で最初に考えたのは「表示回数」と「ユーザーの意識がちゃんと広告に行くところに配置する」ことです。

広告モデルのアプリを作ることを決め、一回のプレイ時間を短くすることで表示回数を増やしていこうと考えていた時に、1から25の数字を順番にタッチするゲームのアイデアが社内から出てきました。それだったら短い時間で終わるな、と思い開発をはじめました。

あとは表示する場所なのですが、元々私が雑誌の編集をやっていまして、見ている方の視線を考えるということをその時代からやっています。

上から下に順番に見るだとか、目立つ部分がひとつあったらほかの部分は見ないとか、視点が一方向に流れているときはその流れの間にあるものやその先にあるものも見てしまうだとか、そういったことは考えていました。

「Touch the Numbers」ではゲーム画面内にも広告を一応置いてはいるんですが、そこよりもランキングの下の部分のほうが効果が上です。ランキングが表示されるのはプレイが終わった後なのでユーザーさんの意識がゲームに集中してないんですね。一休みという気分になっているときに見せたほうが広告に興味を持ってもらいやすい。これは結構大事な部分だと思います。

Touch the Numbers広告画面

Touch the Numbersの広告表示

小さな継続率の変化にもユーザーの不満を感じとって対応

―運営上で気を配っていることはありますか?

鎌田氏
広告の場合はユーザーさんが使い続けていただくことがすごく大事ですので、ユーザーさんに嫌われることはしちゃいけないんです。ユーザーさんの不満がないかということは相当気をつかっています。

―具体的な成功事例は何かありますか?


鎌田氏
以前iPhoneで端末IDを取得しているアプリが問題になったことがありましたよね。アドネットワークの中には端末IDをとるようなものもあったんです。

ある日のアップデートを境に継続率が若干落ちたことがあったのですが、調査してみるとその時のアップデートで入れたアドネットワークの広告モジュールが端末IDを取得するパーミッションをユーザーに求めるようになっていました。

Androidで端末IDを取ろうとするとユーザーには電話番号なども一緒にとろうとしているように見えるので、実際に広告会社が電話番号などを取得していなくてもユーザーさんに不安を与えてしまうことになります。

実際にその広告をはずしたら数字が回復したので間違っていなかったんだなあと。

やればやるほど上手くなる気持ちよさで継続を促す

―ゲームにおいて中毒性はどう演出していますか?

鎌田氏
操作した時の感触だとか、あとは練習すればうまくなることが重要な要素になっていると思います。

―すごいですよね、YouTubeの動画とか

鎌田氏

すごいですよね。2秒台を出せるのは数百万人いるうちの十名ほどですから、確率でいうとプロ野球選手になるよりもよっぽど難しい。でも彼らもいきなり速かったはずはないんですよね。相当トレーニングされたのではないかと思います。

―ちなみに鎌田さんの最高記録はどれくらいですか?

鎌田氏
作っていた最中が一番やっていたんですが、その時に6秒台を出したのが最高ですね。でもやってないとすぐ10秒台まで落ちてしまいます。

実際にプレイしてもらった

実際にプレイしてもらった

練習して次の日になると前の日より早くなるというのはスポーツの気持ちよさに通じる部分があると思います。スポーツの要素はかなり気にして作りましたね。

あとは、だれでもできて、かつ練習してれば自慢できるぐらいうまくなるというのも重要な要素かもしれません。

―最後に、今後の予定を教えていただけますか?


鎌田氏

通信対戦ができる「Touch the Numbers Live」というアプリをiOSでリリースしたばかりなのですが、近日中にAndroid版も出す予定です。

―本日は長時間ありがとうございました!

Touch the Numbers
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株式会社テクノード
http://tekunodo.jp/

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