君しかいない
Danil Malinov
探索アドベンチャーゲーム
iOS:50円
不気味で不条理!悪夢のようにとらえどころのない世界を探索する一人称視点の3Dホラーアドベンチャーダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
まるで夢のように不気味な空間を探索する一人称視点の3D探索型ホラーアドベンチャーゲーム
「君しかいない」は、不気味な空間を探索する一人称視点の3D探索型ホラーアドベンチャーゲーム。
作者によるとこの作品は、珍しい夢を見たという人から得た話がベースになっているという。ゲーム内に登場するシチュエーションやイメージの多くは、その夢にもとづいているとのこと。
実際に本作をプレイすると、真相を掴めそうで掴めない、一見とりとめがなさそうで実は意味がある…というプレイ感から、夢を見ているかのような感覚を受ける。ゾンビが押し寄せるクリーチャー系の怖さでも、幽霊に呪われるJホラー系の怖さでもない、悪夢系の怖さが本作の魅力と言えるだろう。
3D空間を探索!謎を解き明かそう
ゲームシステム的には、2D脱出ゲームを3D空間に置き換えたかたちの、オーソドックスな探索アドベンチャーとなっている。
仮想パッドで3D空間を移動。探索可能なスポットに接近するとアイコンが表示されるので、アイコンタップで探索を行う。
基本的に探索を繰り返し、謎を解くことでストーリーが進んでいくぞ。
コスパ最強!ホラー好きなら遊ぶしかない
本作は買い切り型で、価格は50円。ごじゅうえん。言うまでもなく激安。
個人的には無料で広告がガンガン出るより、50円で広告なしの方が満足できる。特にホラー作品だと、広告によって雰囲気が損なわれることが少なくない。その点本作は大満足。コスパ最強といっても過言ではないでしょう。
ただストアには70%セールと書かれている。70%オフになっているのか、70%の価格になっているのか分からないが、仮に70%オフだとしても本来の価格は170円ほど。だとすると、本来の価格でも十分コスパがいいと思う。
「君しかいない」の魅力は悪夢の中にいるかのような不気味な怖さ
説明できそうでできない、意味がなさそうで意味がある…。夜に見る夢は、そんな矛盾や不条理を詰め込んだような存在ではないだろうか。
夢にもとづいて作られた本作の展開も、矛盾や不条理がいっぱい。
矛盾や不条理に満ちているという意味では、「ISOLAND4: The Anchor of Memory」に通ずるところがあるが、「ISOLAND4: The Anchor of Memory」と違い本作はホラーに舵を切っているため、悪夢的な不気味な怖さがある。他のホラーゲームとは一味違うこの怖さこそ、本作の魅力だろう。
突然変わるシーン!夢のように脈絡のない展開
現実世界で、会社に行こうと思えば、まず支度をして、家を出なければならない。そしてたいていの人は、バスや電車といった公共交通機関を利用しなければならないだろう。
満員のバスや電車がどんなに嫌でも、途中をすっ飛ばしていきなり会社に着いたり、業務をすっ飛ばしていきなり給料日に飛ぶ…なんてことはできない。何事も順番通り、それが現実。
しかし夢の世界は違う。いきなり何の脈絡もなく場面が変わり、話が飛ぶ。
本作の展開もそう。冒頭、電車に轢かれそうという場面からいきなり車内へ、かと思えば何らかの建物の中へ…と次々場面が変わっていく。そこに意味があるのか、ないのかはわからない…。
この演出によって、悪夢のような雰囲気が本作に醸成されていると感じた。
思わず気になる!意味深なオブジェクト
何の脈絡もなくただ場面展開が繰り返されるだけなら、どこかで「ああ、意味はないんだな」と感じ、興味が薄れてしまうだろう。しかし本作はそうならない。
それは、脈絡がない中にも繰り返し繰り返し登場するものがあるから。それはたとえば、両目でのぞき込むと映像が見える謎の箱であったり、西洋のオバケのようにも布を被った人間のようにも見える謎の人物であったりといったオブジェクトたち。
同じオブジェクトが場面を変え繰り返し現れることで、どうしても「何らかの意味があるのだろう」と思ってしまう。すると今度は、脈絡がないかに思われた場面展開すら、意味があるかのように思えてくる…。
気にしたくないのに気にしてしまう、このもどかしさもまた、悪夢のようだ…!
ゲームの流れ
どこからか、線路を眺めている。寂しい印象を受けるタイトル画面。
「新しいゲーム」をタップすると、ゲームが始まるぞ。二回目以降は「ゲームを続行」をタップしよう。
ゲームがはじまると、線路の上へと移動。モノローグがはじまる。
列車の姿は見えないが、モノローグ的にはこちらに向かって列車が動いている模様。このままだと危ないのでは?しかし、動くことができない…!
続いて、屋内へと移動。どうも先ほどの列車の中のよう。
ここでようやく移動可能になるので、仮想パッドを使って車内を移動しよう。
車内を移動し、とあるものを見つけた途端、今度は別の屋内へ。電車の中ではない。
かといって民家でもないように思える。何かの施設だろうか…?
屋内を探索していると、「彼らを助けて」の文字。一体何があったのか?
セリフやナレーションを使ってをきめ細かくストーリーを語るのではなく、こうした情報を使って短編的に描いていくスタイルなので、詳細はわからない。ただそれが、悪夢らしさに繋がっている。
「君しかいない」の攻略のコツはくまなく探索すること
本作に登場するパズルの難易度はそれほど高くない。情報をしっかり集めていれば、悩むことなく解けるレベル。
なので、情報の取り漏らしがないよう、くまなく探索することが攻略のコツだぞ。
行けないように見えて行ける!地形の錯覚に注意
くまなく探索するという点で、本作の攻略は2D脱出ゲームの攻略と同様といえる。
ただ、調べたいところを直接タップするだけの2D脱出ゲームと違い、本作の場合、探索ポイントまで移動しなければならない。
そして移動の時、地形の見え方によって一見「通れない」と錯覚してしまうケースがあることに注意しよう。
特に本作の画面は暗いので、本来通行可能な場所でも見逃しやすいぞ。
探索漏れ対策!壁沿いに移動する
とはいえ、見逃すなと言われただけで見逃さなくなるのであれば苦労はない。どんなに意識したところで、意識できないからこそ「盲点」と呼ばれるのだから。
そこで、探索可能な場所を見逃すことがないよう、移動方法を工夫しよう。
具体的には、壁沿いに探索を行う。壁沿いに移動して、行き止まりにぶつかったら方向転換し、また壁沿いに移動する…というかたち。
これは、RPGでダンジョンを迷わずくまなく移動するための手法である、「左手を壁につけたまま移動する」の応用。
目ではなく、実際にぶつかったかどうかで地形を判断することになるため、移動先の見逃しがグッと少なくなるぞ。