Antivine(アンティバイン)

Antivine(アンティバイン)

パブリッシャー USERJOY Technology Co., Ltd.

ジャンル パズルゲーム

価格 Android:無料 iOS:600円

人が果樹化する現象は本当に神の祝福か?ゲーム性とパズル性が高い次元で融合したパズルアドベンチャー

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主人公・センシューとムーメイを操作してギミックを動かし、ゴールへ向かおう。

死後に人が植物化するという世界を舞台にしたパズルアドベンチャーゲーム

「Antivine(アンティバイン)」は、死後に人が果樹「ツリーマン」として植物化するという世界を舞台にしたパズルアドベンチャーゲーム。

主人公・センシューの住む村ではこの植物化現象について、神の祝福であると伝わっていた。いわく、死後に人々が果樹となり果物を実らせることによって、残された人々が食に困ることなく生きていけるのだという。

しかしセンシューはこの「ツリーマン」の証である枝を持たずに生まれてきた。このため、死んでも果物にならず村に実りをもたらさない、祝福されない子として冷遇されてきたという過去を持っている。

そんなセンシューを守ってくれたのが、母親だった。しかしそんな母親もある日「ツリーマン」となってしまう。

母親が亡くなったことで村に居場所を失ったセンシューは、村を離れ旅立つ…。

奥深い物語と、じっくり考えさせるパズル要素が融合。ゲームという媒体でしか味わえない物語を味わえるのが本作の魅力となっている。

ムーメイとともにゴールを目指せ!視点移動が攻略のカギ

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移動はタップするだけ。タップした地点が到達可能であれば自動的に向かってくれる。

ゲームの目的はゴール地点へ到達すること。ゲームが進みムーメイという少女が仲間になってからは、ムーメイとともにゴールインしなければならない。

プレイヤーのアクションは主に3つ。1つめは移動。道をタップすることで、センシューはその場所まで移動する。ちなみにムーメイはセンシューが背負ったカバンの中に入っているので、基本的にはセンシューの移動だけ考えていればOK。

2つめは、視点移動。左右にフリックすることで視点が回転する。これによって植物の角度が変化して、それまで繋がってなかったルートが通れるようになるぞ。

3つめはムーメイへの指示。上方向へフリックすることで、ムーメイを背負ったり下ろしたりすることができる。

ムーメイを下した後、離れた場所に移動してから上方向へフリックすると、センシューの場所までムーメイを呼ぶことが可能。ムーメイの移動中に再度上方向へフリックすることで、ムーメイは移動をやめるぞ。

この3つのアクションを駆使してギミックを操り、ゴール地点を目指そう。

iOSは有料!Androidは途中まで無料

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Android版は途中までプレイ可能。最後までプレイするためには課金が必要だぞ。

本作のiOS版は有料の買い切り型として配信されているが、Android版は無料となっている。

ただAndroid版も無料で最後までプレイできるわけではない。無料でプレイ可能なのは物語の途中までで、最後までプレイするためには課金が発生するぞ。

ちなみに動画広告の挿入は一切なし。なので、途中までであってもプレイ感は有料版と同等。興味を持ったAndroidユーザーは、とりあえず無料分だけでも遊んでみよう。

「Antivine」の魅力はパズル性とストーリーが融合したゲームならではの物語体験

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ストーリーがストーリーだけで完結していない。ゲーム性と深く結びついている。

ストーリー要素を持つゲームというのは少なくない。…というかハイパーカジュアルゲームのようなジャンルを除けば、世に出るほとんどのゲームはストーリー要素を持っているといっても過言ではないだろう。

心に響くストーリー体験と、自らの頭と指先で体験するゲーム体験この両方の体験を持てることはゲームの強み。なので、ストーリー要素を持つゲームが多いということ自体はまったく不思議ではない。

しかしながら、ストーリー体験とゲーム体験の相性は、実はそれほどよくない

たとえばRPGのストーリーで、プレイヤーたちがギリギリ倒せる強さのライバルキャラが立ちはだかったとしよう。でも戦闘シーンでギリギリ倒すことになるかどうかは、その時のプレイヤーレベルや、プレイヤーの戦術によって変わってしまう

想定レベルよりも高いレベルで戦闘に挑んだプレイヤーは、ギリギリどころか悪即斬1ターン終了かもしれない。こうなると戦闘シーン的には笑っちゃうほどカンタンだったのに、ストーリーではキャラクターたちが「くっ…一歩間違えたらこっちがやられてたぜ…」なんて苦悶の表情を見せている…といった、違和感を残す展開になってしまう。

では、レベル制限などを設けて、ギリギリ倒せる難易度に強制するというのはどうだろう?そうすれば確かに戦闘の展開とストーリー展開との差は解消できる。

けど、自由に育成できるというのはRPGの醍醐味のひとつこれを制限するんだったら、別にゲームじゃなくてもいいよねという話になってしまう。

ストーリー体験とゲーム体験を融合させることなど考えず、ストーリーはストーリー、バトルはバトルと独立させるのなら難しい話ではない。しかし、2つの体験を融合させようと思うと、途端に難しくなる

でも、その難しいストーリー体験とゲーム体験の融合を成し遂げた作品が、本作だ。

視点を変える!考え方を変える

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月を回転させると満潮と干潮が変化。パズルはいずれも、考え方を変えることが重要。

本作序盤の視点変更のチュートリアルで、センシューの母親が告げるのは「考え方を変える」という言葉。本作のゲーム体験はこの言葉がコンセプトと考えていいだろう。

途切れた道も、視点を変えることでつながり、ゴールへ到達できるようになる。

それだけではない。「考え方を変える」という言葉は、ムーメイへの指示についても当てはまっている。

センシューが進むルートとムーメイが進むルートは、それぞれのキャラクターの現在位置と移動方法の違いを踏まえて考えなければならない。見た目の視点こそ変わっていないものの、これはそのキャラクターの視点(=前提条件)になって考えなければならないということ。

つまり本作のパズルは、「考え方を変えるパズル」といえる。

考え方を変える!ツリーマンは祝福なのか…?

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実はセンシューはツリーマンが実らせる赤い果実が嫌い。これは何を意味する…?

「考え方を変える」というコンセプトを、今度はストーリーに当てはめてみよう。すると、「ツリーマン」の見え方が変わってくる。

死んでから「ツリーマン」になるのだろうか?そうではなく、「ツリーマン」化のせいで死んだという可能性は…?

あるいは、「ツリーマン」の果実を食べられるから食に困らず生きていけるのだろうか?そうではなく、「ツリーマン」という植物が繁殖するために、人間が美味と感じる果実を実らせているのかも…?

ここではネタバレはしない。けど、「考え方を変える」というコンセプトをストーリーに当てはめることで、新たな視点がもたらされることがわかる。

本作は、ストーリーパートとパズルパートをただ並べましたという安易なつくりの作品では決してない。ひとつのコンセプトに基づいてストーリー体験とパズル体験を高いレベルで融合させた、プレイする価値のある一作といえるだろう。

ゲームの流れ

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タイトル画面。初プレイ時は「ニューゲーム」を。

二回目以降は「続ける」を選択しよう。

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ゲームは基本的に縦画面で進むが、ムービーシーンでは横画面への持ち替えが促される。

冒頭のムービーで描かれるのは、神話のような物語。どうやらセンシューの村で伝わっている、「ツリーマン」の物語のよう。

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ムービーが終わると、本格的にゲームスタート。お母さんとともに、ベリーの採集に赴くセンシュー。

お母さんの話す内容は一見、チュートリアル的な操作説明だが、ストーリーにも深く絡んでいる模様。しっかり読んでおきたい。

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しばらく進むとお母さんが「ツリーマン」化。村にいられなくなったセンシューは一人旅立ち、その道中で迷子の少女・ムーメイと出会う。

個人的にこのセンシュー旅立ちのくだりが胸に突き刺さり、嗚咽が出るほど泣いてしまった。やさしかったお母さんの思い出と、そんなお母さんを失ったセンシューの心中を思うだけで今でも涙が出てくる。チクショー、俺は村でセンシューいじめてた連中を絶対許さねえぜ!

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ステージが進めばさらなる新ギミックが登場する。このステージではモンスターが登場。モンスターの前を避けつつゴールに行かなければならない。

ところでこのモンスター、どうも植物っぽく見える。「ツリーマン」に赤い花やオレンジの花といったギミックなど、道中で登場するものは植物がらみのものが多いが…?

「Antivine」の攻略のコツは考え方を変えること

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ゴール地点へ到達するためのコツ、それは「考え方を変える」こと。

本作では、ストーリー面とパズル面で「考え方を変える」ことが求められる。

なので攻略上行き詰った場合には、「考え方を変える」ことを意識してみよう

オレンジと赤では違う!花によって異なる挙動

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オレンジの花は、渡るのではなく、乗る。花の色によって考え方を変えよう。

答えがわかればカンタンだが、わからないと難しい。…センシューのお母さんが亡くなってすぐのステージが、そんなステージ。

一個前のステージでは、視点を回転することによって花の角度を変え、道をつなぐということを学ぶ。同じように視点を回転すると、このステージでも花の角度が変わって道がつながったように見える。

…にもかかわらず、ゴール地点をいくらタップしてもセンシューが移動してくれない。どうしちゃったんだセンシュー、やはり村に留まりたいのか?旅が怖いのか?わかる、その心細さはわかるよ。でもここはゴールに向かってくれ…いくら心でそう願っても、センシューは移動してくれない…。

ここで花の色を見てほしい。一個前のステージは赤い花だったが、このステージの華はオレンジ色2つは違う花なので、違う考え方が求められるぞ。

赤い花は途切れた道をつなぐ、いわば橋のような存在。しかしオレンジの花は、道というよりリフト。花びらに乗って、回転することで向こう岸へと移動するための乗り物的存在なのだ。

このためいくらゴール地点をタップしてもセンシューは向かってくれない。ゴール地点ではなく、オレンジの花びらをタップしよう。するとセンシューが花びらに乗ってくれるので、後は視点回転で向こう岸に渡れるハズ。

迷ったら担当を変えてみる!センシューとムーメイ

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センシューでギミックを動かして上手くいかなかったら、ムーメイに切り替えてみよう。

ステージが進んでムーメイが登場すると、センシューとムーメイをどう動かすかが重要になってくる。

ここで意識したいのは、ギミックを作動させたり、花びらに乗ったりするのはセンシューとムーメイのどちらか?…という点。

センシューは自由に移動できるが、ムーメイは基本的にセンシューの位置に向かうことと静止しかできない。つまり、2者の移動パターンが違うので、担当を間違えるとパズルが解けなくなってしまう。

ということは考え方を変えると、パズルが解けない場合は、担当を入れ替えてみればいいということ。なので、迷ったらギミックを動かしたり、花びらに乗ったりする担当を入れ替えてみよう。