Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜(ビハインド・ザ・フレーム)

Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜(ビハインド・ザ・フレーム)

パブリッシャー Akatsuki Taiwan Inc.

ジャンル アドベンチャーゲーム

価格 Android:610円 iOS:610円

あたたかく切なく心に残る!夢を追う画家の何気ない日々を追体験するショートムービー風アドベンチャー

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Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜のレビュー画像

主人公は夢を追う画家。キャンバスに絵の具を塗り、作品を完成まで導こう。

画家の人生を描いたショート―ムービーのようなアドベンチャーゲーム

「Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜(ビハインド・ザ・フレーム)」は、画家の人生を描いたショートムービーライクなアドベンチャーゲーム。

主人公は、公募用の作品を制作中の画家。プレイヤーは、彼女が絵を完成させるまでの過程を追体験する。

絵を描くのみならず、朝食の支度をする、コーヒーを淹れる…など、日常のちょっとした一コマまで操作が設定されているため、まさに画家の生活を追体験しているかのような感覚

作品制作の過程で彼女の想い出に触れ、最終的にプレイヤーは彼女の人生を追体験することになる。それがあたたかく、切ない…。そんな、心に残る一本なのだ。

タップとスワイプで作品作り!彩色は大雑把でOK

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スケッチもスワイプ操作。指でなぞれば、そこにスケッチが描かれるぞ。

基本的な操作は脱出ゲームに近い。スワイプで視野の回転、タップで探索が行えるぞ。

朝食の支度をしたりコーヒーを淹れたりといった基本的な行動は、画面内のオブジェクトをタップすることで行える。

作品制作時は、タップで絵の具を選択、スワイプで彩色という操作。色の選択さえ合っていれば、大体の場所を塗るだけで補正してくれる。なので、彩色は大雑把でOKだぞ。

クリアまで1時間程度!映画鑑賞感覚がオススメ

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映像作品としての完成度が非常に高い。筆者的には買う価値アリ、心に残る一本だった。

本作は買い切り型で、アイテム課金や広告などは用意されていない。

価格は610円で、クリアまでのプレイ時間は概ね1時間程度なので、人によってはやや割高に感じるかも

ただ、ゲームとして捉えるとプレイ時間短めだが、映画のような映像作品として捉えた場合、それほど割高とは言えないのではないだろうか。

実際、本作はビジュアル演出やストーリー性に力が入れられているため、ゲームとしてより、映画を鑑賞するような感覚でプレイした方がしっくりくるハズ。

ちなみに、筆者的には、プレイし終わった後の心に残るこの感覚から、「買ってよかった」と思っている

「Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜」の魅力は画家の人生を通して味わうあたたかさと切なさ

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どう見ても2Dだが、3DCG。自由にグリグリ動かせる。すごい。

本作でまず目を引くのが、ビジュアルだろう。ジブリ映画のようなあたたかみのあるタッチ。

しかも、これが動く動く。キャラクターの動きはなめらかな2Dアニメーションで。背景の動きは、なんと3Dで動く。何も知らずにプレイすると、「これ3Dだったのかよ!」と驚くだろう。実際、筆者は思わず叫んでしまった。

ただ、本作の真の魅力はビジュアルより、むしろ中身。画家の人生を追体験することで心に残る、あたたかさや切なさといった感覚こそ、他では味わえない本作ならではの魅力といえる。

ささいなことこそ幸せ!日常の体験がもたらす臨場感

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コーヒーを淹れるひと時。何気ない瞬間だけど、臨場感と幸せを伝えてくれる1コマ。

本作の朝食の支度をしたりコーヒーを淹れたりといった演出について、プレイヤーによっては「面倒くさい」と思うだろう。なぜなら、別にプレイヤーが操作する必要がないから。たいていのアドベンチャーゲームなら無視したり、ショートカットしたりするハズ。

しかし、本作に臨場感を生み出しているのは、こうしたささいな演出。日常の細かな動作を省略せずに描くことで、作品中の他の出来事も、よりリアルに感じられる。

同様の手法は、PS3向けのアドベンチャーゲーム「HEAVY RAIN -心の軋むとき」でも採られていた。

「HEAVY RAIN」では日常の細かな動作を省略せず描くことで凶悪犯罪の恐怖をより強烈に描き出していたが、本作では、日々の幸せを強烈に意識させるという方向で使われているぞ。

30代以上にプレイしてほしい!時の経過が生む感動

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その時は気づかずとも、後から振り返ると幸せだったんだ…と思う。泣いた…。

病気にかかった際や、怪我をしてしまった際、ふと「健康な時って幸せだったんだな」と思ったことはないだろうか? でも、普段は「もっと面白いことないかな」「もっとお金欲しいな」なんていう風に、足りないものを追い求めてばかりで、幸せを感じることは少ない…。

つまり、後から振り返ってかみしめるというのが、幸せの性質の1つ。

ネタバレを避けるため詳しくは書かないが、本作にはこの「後から振り返る」という演出が登場する。その振り返りの時に、朝食をとる、コーヒーを飲む、ラジカセで音楽を聴く…といった何気ない行為のひとつひとつが、心に染みるハズ

後から振り返るという構造だけに、多分、歳を重ねていた方がより心に染みるのではないかと思う。だから、筆者的には30代以上の人に、ぜひ本作をプレイしてほしい。

これまでに重ねてきた、その日々の何気ないシーンが、あなたの心を動かすと思う。

ゲームの流れ

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タイトル画面。画面をタップするとゲームがはじまるぞ。

ゲームをクリアした状態で改めてタイトル画面を見ると、この画像の意味、そして「ビハインド・ザ・フレーム」というタイトルの意味も理解できる。二回はプレイしたい作品だ。

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まずはラフに彩色するシーンから。パレットをタップすると色の変更が可能。ただしまだ黄色しか使えない。

画面をスワイプすると、スワイプした場所を彩色できる。補正してくれるので、大雑把にガーっと塗ってしまおう。

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彩色が完了したら、TODO(やることリスト)に基づいて、BGMをかけよう。

ラジカセを探してスロットを開き、カセットテープを投入してから再生ボタン。現実と同じ工程を同じように操作しなければならない。

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隣の家には、おじいさんと猫が住んでいる。筆者的にはこのおじいさんと猫が、何となくジブリアニメっぽくて好き。特に猫がかわいい。

物語的にも重要な存在で、こちらもクリアしてから改めてもう一度見直したくなる存在。

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作品を完成させるための絵具を獲得するには、パズルを解く必要があるぞ。

といっても、そこまで躍起に絵の具を探すというストーリーではない。日常を何気なく送っているといつの間にかパズルを解いており、絵の具が手に入っている…という形。このおだやかな空気感が心地いい。

「Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜」の攻略のコツはメモを見返すこと

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暗号入力やパズルなど、わりと骨太な謎解きが待ち受けている。

本作には脱出ゲームのような謎解き&パズル要素が存在し、解かなければストーリーが先に進めないという場面が登場する。

ただ、本作はどちらかというと謎解きそのものより、ストーリーを味わうことに主眼が置かれているように思う。

そこで、謎解きは苦手だけど、ストーリーを最後まで見たい!という人のために、難関ポイントのヒントを記載しておく。「自分は謎解きも楽しみたいぜ!」という人は、読み飛ばしてほしい

矢印の色からスタート!点と点を結ぼう

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色のついたの点からスタートし、同じ色の矢印が示す通りに点を線で繋ごう。

筆者が個人的に難しいと感じたのは、PCのパスワードを入力する謎。パスワードのそのものは、PCの側にある紙片のパズルを解くことで手に入るぞ。

ただ、このパズル、どうやって解けばいいのかという情報が少ない。そこで解き方を解説しておこう。

まず、家の中を探索して赤、青、緑、黄色の矢印を確認しよう。これが、パズルを解く手がかりとなっている。

矢印と同じ、赤、青、緑、黄色の点が描かれている。この色の付いた点がスタート地点。ここから指をスワイプさせ、各色の矢印の方向へと指を動かそう。

矢印が赤の↑→↑だったら、赤い点からスタートし、上方向の点へと動かし、点に辿り着いたら横方向へ動かし、また点に辿り着いたら上方向へ…という形。

こうやって点と点を線でつないでいくと、パスワードとなる4ケタの数字が浮かび上がるぞ。

困ったらメモを確認!暗号のヒントもメモに

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困ったら手持ちのメモを確認!ほとんど答えが載ってるぞ。

PCのパスワードに続いてプレイヤーを待ち受けるのが、ドアに設置された暗号入力

この答えは、手持ちのメモに記載されている。メモ内に記載された、暗号の文字数と同じ文字数の単語を入力してみよう。

なお、暗号入力に限らず、たいていの謎はメモに答えが書かれている。困ったらメモを確認するようにしよう