最悪なる災厄人間に捧ぐ

本作で特徴的なのは、
低予算なのを逆手にとった秀逸な設定だ。
このゲームでは、キャラクターは
主人公とヒロインの「クロ」以外ほぼ登場しない。

これは、主人公が「普通の人間・動物が見えず、声も聞こえない」
特殊な症状にかかってしまったからだ。

親も友達の姿も見ることはできず、
食事でさえまともに摂れないという孤独な環境な中で、
唯一姿を見ることができる「クロ」と出会う。
居場所を求めていた2人はお互いに引かれ合っていく…
というようなシナリオだ。

いささか変わった設定だが、
主人公達の孤独感や寂しさを上手く表現しており、
読んでいて興味が非常に引き付けられる
見事な仕組みだと感じた。