Storm Boy(ストーム・ボーイ)
Blowfish Studios Pty Ltd
3Dアクションアドベンチャーゲーム
Android:230円 iOS:370円
「ぼくのなつやすみ」風の心温かな3Dグラフィックに感動。一匹のペリカンと少年の絆を描いたアドベンチャーダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
静かな海辺で巻き起こる、人間と鳥の物語。
「Storm Boy:The Game(ストーム・ボーイ 少年と海)」は1964年に出版されたオーストラリアの児童小説を原作とする3Dアクションアドベンチャーだ。日本語は未対応。
漁師の息子である主人公は、小さなペリカンを救ったことをキッカケに、人間と鳥という種族の壁を超えた特別な関係を築き上げていく。
「ぼくのなつやすみ」を開発したミレニアムキッチン作品を彷彿させる3Dグラフィックが素晴らしく、小さな大冒険を心ゆくまで楽しめるだろう。
少年が歩むと劇場のように世界は移り変わる
画面は横スクロール形式となっており、主人公を右側へ移動させるとストーリーが進展していく。
一本道でルート分岐はせず、絵本を読むのと同じように3D映像を通して物語へと没入できるぞ。
お楽しみを通して少年の体験を共有
計9種類のミニゲームが用意されていて、フィールド上のアイコンをタップすると遊べる。
砂浜に木の棒で絵を描いたり、ダンボールで坂を滑ったり、海を泳いで魚の群れを眺めたりと子供心を刺激する要素がイッパイだ。
遊ばなくてもゲームの進行に問題はないが、少年とペリカンの仲を知る上で外せない大事な過程となっている。
「Storm Boy」は映像美が最上級の雰囲気ゲーへと押し上げている
グラフィックは昔懐かしい絵本をそのまま3D化したような完成度となっており、幼少期の情景を最新技術で楽しめる。
鳥の声と波の音だけが響く海岸、影の背が伸びる夕焼け、魚と海藻が舞い踊る海中。雄大な自然を描き尽くした表現力はまさに感動的だ。
演出も芸が細かく、鳥が空を飛んだら少年も顔を上げて楽しそうな表情をしたりと短編アニメーションを動かしているような気分になる。
内容のほとんどは右側へ歩くことに帰結するのだが、その中にも多彩なアート&人間と鳥のドラマがあって全く退屈しなかった。
見た目や没入感に特化した弊害も……
一方で惜しい部分もある。移動はタップした場所と同じ向きで進んでいくが、タップの判定が曖昧なので細かい操作をしづらい。
ボタンがほぼ存在しないから操作方法を手探りで知っていく必要がある点もちょっぴりストレス。
そして何よりボリュームが少ない。物語はかなり省略され、30分ほどでエンディングを迎えるから有料ゲームとしては短い部類だ。
代え難いオリジナリティこそ最大の決め手
上記の欠点を許せるのなら、本作は印象に残る良い体験をプレイヤーに与えてくれる。
儚げなビジュアル、夏休みを思い出す遊び、鳥と心を通じ合わせる物語、どれも独創的で本作ならではの魅力に満ちていた。
最後は衝撃的な結末を迎えるのも特徴的。子供向けの内容を大人視点で読み解くと、また違った発見があったりするから面白いモノだ。
ゲームの流れ
父と二人で暮らす男の子はある日、ハンターに虐げられていたペリカンの雛3羽を見付ける。
かれらを手当して保護するのを父は黙認し、3羽は大きく成長していった。
言語は英語だけど、物語に沿った映像がリアルタイムで流れる上に文章も分かりやすいから勉強に丁度良いかも。
魚を投げて口に入れるミニゲーム。探索と交流を交互に遊ぶことでストーリーも進む。
1977年の映画版にあった原住民との交流などは大幅にカットされ、物語は少年とペリカンに焦点を絞っている。
やがて大きくなったペリカンを空に帰したが、その中の1羽は少年のもとに戻ってきた。
彼をパーシバルと名付け、二人の楽しい生活が始まる。このパートは実に「ぼくなつ」感があってイイ。
煌めく海中のドキドキも見逃せない。魚が常に行き来していて眺めるのが楽しい。
少年のモーションもすごく自然で、子供向けだからこそのリアルな表現への拘りを感じた。
やがて物語は佳境に入り、様々なイベントを経てエンディングへと向かう。
少年とペリカンはどのような結末を迎えるのか、後はアナタの目で確かめてくれ!(お約束)
「Storm Boy」序盤攻略のコツ
前述したように画面右側へと進んでいけばストーリーは進行するので、迷う心配は不要だ。
難しいのは操作部分だが、画面の端をタップすると認識しやすい。スマホを持った両手の親指で移動するとやりやすいハズ。
海中では360度自由に泳げるので、海底へ潜りたいなら画面下を、海面へ浮上したいなら画面上を押してみよう。
難所のアクションシーンは細かい連打がカギ
途中で差し掛かる嵐のイベントでは、操縦不能になった船のためにペリカンが救出へ向かう。
この時は自動で左右に揺れ動くのだが、画面外まで逸れてしまうとゲーム失敗で再挑戦する必要がある。
押し続けるよりもチョチョンと小刻みに連打するとバランスを維持しやすいので、なるべく画面中央に居続けるようにすべし。