DERE EVIL .EXE
AppSir, Inc.
横スクロールアクションゲーム
基本プレイ無料
アナタはただの主人公で、ゲームの支配者ではない。電子世界のヤンデレと直接対話をする2Dサイコホラーアクションダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
止めろと言われても、本当に遊ぶのか?
『DERE EVIL .EXE』は、一見すると何の変哲もない横スクロール型のドットアクションだ。
しかし本作には「YANNA」という変わった女の子が登場し、主人公ではなく遊んでいるプレイヤーに向けて直接語りかけてくる。
なにが正しくて、どこまでが現実なのか。ゲームという媒体を逆手に取った意欲作となっているぞ。
小さな英雄の姿を借りて駆け回ろう
普通に遊ぶ分には左右への移動とジャンプボタンで障害物を避けながら進むだけ。
「開発者」からのサポート音声に従えば悪意のあるトラップを回避可能。逆に言うと初見じゃ見抜けない裏トラップが多い。
突撃してパターンを覚える「死にゲー」だが、理不尽さよりもバグを利用した個性的ギミックに好奇心を掻き立てられるだろう。
相容れることのない別々の存在
YANNAはプレイヤーに「ゲームを遊ぶのを止めて」と訴えるが、それに対して開発者は「続けてくれ」と言い張る。
ゲーム内キャラと開発者はプレイ中に論争を繰り広げており、遊び続けるかどうかの選択はプレイヤーのみ決められる。
忠告を無視して進めると用意されていた表のステージは消え、ノイズだらけのシステム内部へと潜入していく……。
『DERE EVIL .EXE』はプレイヤーを1人の登場人物として巻き込んだシステムが特徴
メタフィクションという言葉をご存知だろうか。創作物がリアルの垣根を超えて、こちらに干渉してくる表現方法だ。
本作は「当たり前のお約束」を数多く破ってくる。たとえばコインを取れば身体は爆散するし、時にはメニュー画面を足場として使う場合もある。
意表を突かれるのはゲーム世界だと理解しているからであり、その認識を利用した想像の上を行く展開が、現実との境界線を曖昧にする。
何が起こるのか予測不能で、誰がゲームを支配しているのかすら不透明。だから怖くて、この上なく興味をソソられるのだ。
他の誰でもない、アナタ自身の意思
「MGS3」で引き金を引いたのはアナタであったように。
「ICEY」のナレーションに逆らって憤慨させたように。
「Doki Doki Literature Club!」の女の子が崩壊へ進むように。
メタ要素は良くも悪くもゲームとプレイヤーの対話であり、感情移入を超えた一個人としての接触に至る。だから心的な影響や、負荷も大きい。
表現として賛否両論な部分もあるが、個人的には現実へ侵食してくる手法ならではの中毒性と、遊ぶ価値を持っていると思うぞ。
有料作品クラスの出来栄えと満足度
16bit風のドットグラフィックとサウンドが丁寧で、レトロゲームに対するリスペクトを感じられる。
ネタバレになるので触れられないけどYANNAと開発者のストーリーにも、予想外なエンディングが用意されていた。
イロモノで終わらずに最後まで作り込まれていることが、クリア時に面白かったと思わせてくれる理由だろう。
ゲームの流れ
ステージは最初は4レベルだけど、段々と仕様外なハズの場所が開放されていく。
メニューUIが崩れたり、突然アプリの終了を2択で迫られたりと何でもアリ。
演出にすぎないとはいえゲームがスマホを、現実を蝕むような展開にゃワクワクさせられる。
アクションパートはマリオ等に比べるとふわふわしており、ダブルジャンプで自由に飛び跳ね進む。
挙動が激しい分足場から落とされることも多くて、バランスの悪いゲームを攻略するような感覚だ。これも演出だと思う。
死亡シーンはちょいグロで身体がバラバラになる。復活する際はスムーズだが挙動がモロ不自然。
名前的に「Mario.EXE」や「けものフレンズ.EXE」といった往年の裏フラッシュも踏襲しているね。
思えばホラーこそ遊び手のイマジネーションに訴えかける、最大のメタフィクションじゃなかろうか。
ステージを進めると「ゲームを止めろ」という少女の意思も強くなって様々な妨害を仕掛けてくる。
途中で移動方法が変わってシューティング化したりとアクションとしてのエンタメ性も良いね。
具体的なシーンがほしいと思ったから一枚だけモザイク加工で載っけるけど、タイミングが抜群で本当に驚かされる。
これは心霊的ホラーとは違い、電子世界の向こう側ならではの演出だから斬新で感動にも近かった。
人は選ぶけど、ゲーム好きなら目新しいだと思えるハズだ。後はアナタの目で確かめてくれ!(お約束)
『DERE EVIL .EXE』序盤攻略のコツ。
ある程度死んでから進むのを前提に作られているので、死んで覚える攻略パターンを会得しよう。
2回目以降はショートカットを見付けるなど、アクションパートなら悩むより繰り返すほうが練度は上がるハズだ。
個人的には右ボタンを入力できていないパターンが多かったので、気持ち右側を指で押すようにしたら安定したぞ。
ゲームの仕様に付け込む強引さが正攻法
世界観に合わせたのか、物理演算がすごくガバガバだ。岩の上に乗って歩くとそのまま滑ることもある。
これを利用してムリヤリ壁ジャンプで登ったり、結構強引に突破できる箇所も多い。困ったらジャンプを連打してみよう。
相手がバグを利用するのなら、こちらも……?
ステージ3の途中では、ジャンプだけじゃ絶対に向こうの崖へ届かない場所がある。
かといって周りに利用できそうなオブジェクトもない。あるのは開発者のメモと、いつものボタン一式だけ。
何かを足場にできれば突破可能なので、役立ちそうなモノを考えてみよう。ここを抜けたら後はアクションだけで攻略できるぞ。