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※このゲームは配信が終了したかURLが変わっています。
無機質なモノにも心が宿り、アナタを探しているとしたら――
『脱出ゲーム ウセモノターミナル』は脱出ゲーの老舗「あそびごころ。」が生み出したアドベンチャーゲーム。
プレイヤーは夕日に染まった駅の車掌として迷い込んだ「ウセモノ」たちを導き、元居た場所へと帰してあげるのが目的だ。
普段は陳腐になるから絶対言わんのだけど、これは本当に涙腺にクるので気になった人は遊んでみてほしい。
現実ではないフシギな駅での物語
登場する人型キャラは必ずしも人間に非ず、たとえ「無機質なモノ」だろうと意思を持って語りかけてくる。
共通しているのは「自分の事を忘れている」のと「誰かに探されている」の2点。これらを満たした「ウセモノ」が駅に辿り着く。
無事にクリアすれば「探し主」に現実世界で見つけられて駅を去り、次のウセモノが現れるのだ。
手がかりを探して真実に辿り着こう
各ステージは前編後編で区切られており、前半は「ウセモノ」の正体追求。後半は「帰る場所」を探すのが目的となる。
ゲーム内容はオーソドックスな脱出ゲー。アイテム探索やパズル解読によって進む。
難易度はそこまで高くないしヒント&答え完備で初心者も問題ナシだ。
『ウセモノターミナル』は言葉を発さぬ「ウセモノ」の本音に
日本では古来より大切になモノには魂が宿る「付喪神」を語り継いでいた。しかし現実的には意思を汲み取ることができない。
本作はそんな「モノ側の視点」を描いており、普段は知る由もない“声”を直接聞いた上で再開を果たす。
いずれ役目を終える消耗品が心底慕っていてくれたり、使い込んだ品は生涯の友みたいな関係だったり、とても温かい世界。
「持ち主」が大事にしてるから探すワケで、両者には積み重ねた思い出があり。「持ち物」も想ってくれているならこれ以上に嬉しいことはない。
フィクションではあるけど誰もが共感するような美談となっていて、不純物を介さない優しさに心を洗われた。
中でも長年寄り添った老夫婦のエピソードが秀逸で、まさか2時間ぐらいで遊び切れる短編ゲームに鼻をすすらされるとは思わなんだ。
バツグンの世界観と雰囲気を持つ良質なゲームを排出し続ける「あそびごころ。」だが近年でもイチバンの傑作と声にする人もいた。同感です。
ストーリーと見事に合致した世界観が最高!
イラストは全て描き下ろし。夕暮れの情景を表した精細なグラフィックが遊び手をより感傷的にさせる。
「ウセモノ」と車掌だけの静かな無人駅。大正時代の右書きの横文字。レトロで懐かしい空気も没入感を加速させる。
しかし配信ペースが速いのなんの。どんな速度で開発を進めているのか気になるし毎回高品質なゲームを出してくれてハズレが無い。
ゲームの流れ
夕焼けに沈む無人ホームで佇む少女。ここはウセモノターミナル。
彼女らは人型であるが生物とは限らず、ただの無機物とも言い難い。
少なくとも意思を持っているのは確かで懸命に探し主の元へ帰ろうとしている。
探索する中で「ウセモノ」と「探し主」の関連性が明らかになっていくのが面白い。
それは思い出の品が見つかったり一見遠そうなアイテムが結びつけるカギだったりする。
様々な年代の人やウセモノが登場するが舞台となる駅はどれも紅く染まっていて懐かしい雰囲気。
このしんみりとする空気によって心がほぐされ、美しい物語として容易に受け取れてしまうのだ。
時には両者の現状を危うくさせる情報も目にしてしまう。
そもそもこの駅はどういう意味を持って存在するのか。真実は明かされるのか。
「SCP-461-JP 隠れ樹」みたいというか当事者でない自分にとっても「失くしモノへの想い」は当てはまるのだ。
思い出の品は大切にしたいと改めつつ、心地よい余韻に浸りながら筆を置く。
この先はアナタの手でプレイしてみてくれ!(お約束)
『ウセモノターミナル』序盤攻略のコツ。
困ったら画面左上の「?」マークからいつでもヒントを見れるので攻略ルート上で詰まる要素は無い。
「HINT1」は動画視聴をせずに見られるからとりあえず感覚で頼れるが、「ANSWER」は丸々答えだからネタバレ注意ね。
まずは直感的にステージを見回してキッカケを探そう
感覚的に言うと数字に頼った謎解きよりも「マーク」を照らせ合わせる系が多かった。
なので探索中に関連付けできそうなのが無いかを意識して攻略していくと捗りやすい。詳しくはヒントを見ればOK!
キーワードを知った2周目はラクチン
実は一度クリアしたステージなら「乗車券」に持ち主の名前を入力すれば謎解きパートを全部スキップしてクリアできる。
これはエピローグだけ見返したい場合にも役立つし、とある場面でのエンディング分岐もすぐに違うパターンを見れるから便利だ。