遊泳少女

どこかアンニュイな表情の女の子が重力に引きづられるかのように動く様は、はかなげで、どことなくエロティックだ。
この宇宙は夢見がちな少女の夢なのかもしれない。
少女をスワイプして、夢の時間が終わる前にゴールを目指すのだ。

思うがままに飛べるわけじゃなく、なかなかクセがある浮遊感は、本当に夢の中のよう。

コインを全部集める時間を競うおまけモードもある。

BGMがないのは痛いが、もしかしてこれは、自分の好きな音楽をかけろ！という作者の意向なのか。

とりあえずスピリチュアライズドの1997年の名作「宇宙遊泳」をかけながらプレイしてみた。

うぉオン！

ハーブなんかなくてもトリップしちゃいそうだぜ！

彼女が宇宙を泳ぐ姿は、糸の切れた操り人形にも似ている。

まるで映画「空気人形」のペ・ドゥナみたいじゃないか。

彼女をスワイプし、ゴールまで導くのが本作の主たる目的だが、それがなかなか難しい。

その融通の効かない動き、ゲームとしての操作性の欠落かもしれないが、

まさにドリーミー。

まさにサイケデリック。

宇宙を泳ぐ少女。

その構図だけで、このゲームはもう成立するのだ。

操作が難しいのもあって全然ゴールできないのが、個人的には不服だが、脳を刺激する作品であることは否定しがたい。

この浮遊感、ぜひBGMを流しながらプレイしてみてほしい。

メインモードには時間制限有り。

道中のクリスタルを取ると時間が延びる。

時間が切れると空を飛べなくなる。

しかし彼女を動かすのがなかなか難しい。

うまくなるべく長い距離をスワイプすると彼女に慣性がつき、スピーディーに動かすことができるのだが…。

それがまた難しいのだ。

どうしようもなくなったらゲームオーバーになってからも動かせるので、それでルートを覚えるのもいいかもしれない。

女の子を導くのは、夢でもゲームでも、現実でも難しいってことか。

あ、最後に大事なことを伝えておくが、彼女はスパッツはいてるからパンチラはしない。

ざんねｎ…いや、安心だな！