村人A「勇者さまどうか話を聞いてください」

過去、RPGでは描かれなかった勇者の葛藤を描いたり、モンスターだったり、魔王だったり、とレトロRPG風のゲームの主役たちは様々だった。

が、まさか村人が主人公なのは驚きだ。

数多の勇者に幾度と無くスルーされ続けてきた、村人達の怒りがここに結集。

道行く勇者に話しかけるとバトルスタート。

村人Ａから無理やり話しかけられた勇者はイライラし、心無い非道な言葉を投げつけてくる。

勇者の上に表示されているオレンジ色のＨＰ(ハートポイント)が無くなり、村人Ａの話を聞いてくれたら勝利！

と、本格派なつくりとなっているぞ。

稼いだお金で装備を購入することで村人のコミュ力をアップさせ、よりレベルの高い（口が悪い）勇者にも対応できるようになる。

きちんとRPGであろうとする戦闘システムは見事だと言わざるをえない！

ここは○○の町です。
噂では西の洞窟に盗賊が。
王様が戦士を募集しています。
そんな彼らの言葉を聞き飽きたかのように、勇者たちは容赦なくひどい言葉で罵ってくる。

「勇者は忙しいんだ。お前と違ってな」「お前は俺と違って才能がないからな」

他にもそっと精神病院のパンフレットを差し出したりと中々えげつない。

カッコよくて強い、とにかく物語の中で一番の重要人物、勇者。

多くのRPGにおいて、勇者は実は王族とか、妖精とのハーフとか、家柄もいい選ばれた存在である事が多い。

そんな彼らに、雨の日も風の日も、同じ台詞を言い続けるのが村人の仕事だ。

人並ながら、社会に出るおっさんになった今思う。

今の自分は、少年時代に夢見た勇者でも魔王でもない、村人のような存在なんだろう。

だから、このゲームで、村人が勇者たちという絶対強者とささやかに戦っている（話しかけてるだけだが）姿を見て、心が震えるんだろう。

俺にだって、まだ何かできることがあるはずだ、そう強く拳を握った。

村人Ａを強くするためにはレベルが上がるか装備を充実させる必要がある。

HP（ハートポイント）はいわゆる体力。

・トーク力は一言で言うと攻撃力。トーク力が高ければ高いほど勇者に話を聞いてもらう確率が高くなりバトルで有利になる。

装備はトーク力（攻撃力）のあがるものを最優先して購入しよう。

メンタルは簡単に言うと防御力。勇者からの精神的苦痛を軽減できる。

まれにあらわれるゴールド勇者、シルバー勇者は落とす金が多いので絶対見逃さないようにしよう。

新しい村に行くにはライバル村人とのバトルに勝利する必要がある。

ここで負けたら実力不足だということだ。村人は冒険の果てに何を見るのか。

楽しみでしかたない。

あ、全滅したらタップ10回すると生き返るけど、お金は半分にならないよ。親切設計だね。