Airs XG

「Airs XG」はAirsという電脳通信網が普及した近未来の学園SFアドベンチャーだ。前作の「Airs（エアーズ）」も無料とは思えないボリュームで驚いたが本作も素晴らしい。

何よりもスマートフォンに特化した3種類の操作系がすべて使い勝手が良い。電子書籍のように読み進めたり、横画面のオートモードで動画を見る感覚でプレイしたり、好みの操作系で楽しめる。

ストーリーは前作をプレイしていないと若干わかりにくい。だたし丁寧なあらすじや人物紹介があるので、そちらを読めばプレイには支障がないだろう。

縦横両画面のグラフィックスが用意されているのも芸が細かい。スマートフォンで楽しむノベルゲームとしては操作やUI面では最高峰と言って良いだろう。

肝心の物語はというと……。前作で犬猿の仲であった「デジタルソリューション部」（通称デジ部）と「映像研」のメンバーが合流。文化祭の準備のために一週間の夏合宿を開催するというもの。

キャラクターの想いが交錯する中、合宿先で出会った新キャラ「浜口繭」を中心にストーリーが進む。若干地味な展開の中では「電子の海で生まれた情報生命体」とか言い出す電波系の繭が一番、際立つ存在（笑）。

また海や合宿ということで水着や入浴といったギャルゲー的なサービスシーンは当然含まれる（笑）。とはいえ、ストーリーは結構真面目なノリだ。

ストーリーが分岐する選択肢は無く基本的に一本道。だが前作と同様、一部の場面で視点が分かれる「サイトセレクト」や選んだキャラの視点によって発生する「シークレットチャプター」が用意されている。

ボリュームは無料とは思えないほど豪華。淡々としたストーリーでもグラフィックスや背景が非常に豊富で飽きずに楽しめる。前作のファンなら当然、ノベルゲーム好きはぜひともオススメだ。